nicolish!
フィルタ
最終更新:
nicolish
-
view
フィルタ
01.フィルターとは?
こんな章が入る辺り、この講座らしいなぁ。
フィルターというのは、例えばぼかしとか
色調補正、ノイズ低減などのような処理の事です
動画編集ソフトには大抵この機能があります
色調補正、ノイズ低減などのような処理の事です
動画編集ソフトには大抵この機能があります
フィルタの原則その1。
基本的に、フィルタは動画全体に対して働きます
再生時間の最初から最後まで、画面の全体にです。
基本的に、フィルタは動画全体に対して働きます
再生時間の最初から最後まで、画面の全体にです。
「1分目から5分目まで」とか
「画面端10pxのとこからここまで」とか
範囲を選べたりする事もあります。
が、その場合も、この範囲内ではフィルタは一律の処理をします。
「画面端10pxのとこからここまで」とか
範囲を選べたりする事もあります。
が、その場合も、この範囲内ではフィルタは一律の処理をします。
つまり、意図した場所にだけ綺麗にフィルタをかける事は基本的に不可能です。
ボカそうと思えば全体がボヤけるし、変形をかける時は変えたくない部分まで巻き添えを食います。
ボカそうと思えば全体がボヤけるし、変形をかける時は変えたくない部分まで巻き添えを食います。
賢いフィルタは「なんとなく輪郭線っぽいところはボカさず、他だけボカす」とか
「ノイズっぽい部分だけぼかす」のように対象を絞って適用できます。
「ノイズっぽい部分だけぼかす」のように対象を絞って適用できます。
でも、これはあくまで機械的な処理。
どう工夫しても
「本当はフィルタを掛けたくない部分にまでフィルタがかかってしまう」
というのは避けられません。
まあ、黒ベタ追加やサイズ変更などの単純処理は話が別ですが。
どう工夫しても
「本当はフィルタを掛けたくない部分にまでフィルタがかかってしまう」
というのは避けられません。
まあ、黒ベタ追加やサイズ変更などの単純処理は話が別ですが。
好ましい処理だけをフィルタで実現するのは不可能
大抵、どこかで望ましくない処理も起きる
これが第一点。
大抵、どこかで望ましくない処理も起きる
これが第一点。
原則その2。
フィルターには順序があります。
フィルターには順序があります。
フィルタをふたつ適用する場合
先のフィルタの処理結果として出てきた動画に対し
後のフィルタが作用する事になります
別種のフィルタは同時にかかったりしません
先のフィルタの処理結果として出てきた動画に対し
後のフィルタが作用する事になります
別種のフィルタは同時にかかったりしません
当たり前の話なのですが
初心者脱出直後くらいは案外ここを軽視しがちです
特に、フィルタ適用順序の設定を変えにくい
AviUtl使用者にこの傾向が強いかな
初心者脱出直後くらいは案外ここを軽視しがちです
特に、フィルタ適用順序の設定を変えにくい
AviUtl使用者にこの傾向が強いかな
フィルタの順序は結構難しいのですが
原則らしいものもあります
例えば
「人間の感じ方」に関わるフィルタは後に回す
とか。
原則らしいものもあります
例えば
「人間の感じ方」に関わるフィルタは後に回す
とか。
シャープネスなどが該当します
このようなフィルタは、出力結果を目で見ながら調整する事が多いので
なるべく直接的に結果が見られる最後の方に回すのが良いわけです
このようなフィルタは、出力結果を目で見ながら調整する事が多いので
なるべく直接的に結果が見られる最後の方に回すのが良いわけです
まあ、基準はいっぱいあります
とりあえず、フィルタの順序を意識するようにしましょう。
これが2つめ。
とりあえず、フィルタの順序を意識するようにしましょう。
これが2つめ。
原則その3。
かけすぎ注意。
かけすぎ注意。
フィルタは、動画の改良ではありません
動画の変化にすぎません
動画の変化にすぎません
沢山かけたからといって、画質がそれだけ向上するわけではありません
逆に低下する事もありえますし、かければかけるほど処理時間は長くなります
逆に低下する事もありえますし、かければかけるほど処理時間は長くなります
映像の性質を考え、必要最低限のフィルタだけかけるようにしましょう
ノイズ低減を2つも3つもかけているアナタの事です!
ノイズ低減を2つも3つもかけているアナタの事です!
ここまでのまとめ
- フィルタには望まぬ副作用も伴う
- フィルタには順序がある
- フィルタは増やせばいいという物ではない
02.ボカシ
ああ、やっと具体的な話。
そもそも絵が「クッキリしている」とはなんでしょう?
色の境目が明確に分かれている事ですね
隣の点との色の差が大きいこと、これがクッキリです。
隣の点との色の差が大きいこと、これがクッキリです。
ボケているとは、この逆。境目が曖昧な事です
画面のある点と、その隣の点の差を小さくする処理がボカシと呼ばれます
具体的な計算法はパス。
画面のある点と、その隣の点の差を小さくする処理がボカシと呼ばれます
具体的な計算法はパス。
ボケた映像は、見た目に美しくない事が多いです
画像のメリハリが失われてしまいます
じゃあ、ボカすと何が嬉しいのか?
画像のメリハリが失われてしまいます
じゃあ、ボカすと何が嬉しいのか?
圧縮率が上がるのです
ボケている映像ほど圧縮率が高くなる
ボケている映像ほど圧縮率が高くなる
なんで圧縮率が上がるのか?
動画というより静止画の圧縮技術に関係しています
まあ3ページくらいでサラッと。
動画というより静止画の圧縮技術に関係しています
まあ3ページくらいでサラッと。
動画の圧縮は「ある瞬間と、その前後の瞬間の映像が似ている」
事を利用し行なわれています。
以前に話しましたね。
事を利用し行なわれています。
以前に話しましたね。
静止画の圧縮は
「ある点は、その隣の点と似ている」
事を利用しています
「ある点は、その隣の点と似ている」
事を利用しています
そのため、隣あった点同士が似ている画像ほど
圧縮率が高くなるのです
ボカすと、隣り合った点どうしの差が小さくなるので
圧縮率が高くなります
圧縮率が高くなるのです
ボカすと、隣り合った点どうしの差が小さくなるので
圧縮率が高くなります
これがボカシ処理の基本です
まとめるほどじゃないですが一回区切ります
まとめるほどじゃないですが一回区切ります
ここまでのまとめ
- ボカシとは、隣あった点同士の差を小さくする処理
- 映像のメリハリが失われる
- 隣接点との差が小さくなる事で、圧縮効率が上がる
03.ノイズ低減
基本はぼかしと一緒です
ノイズ低減と呼ばれるフィルタがあります
NR(Noise Reduction)と略す事も多いです
動画に存在する細かいノイズを除去してくれます
地上波TVなど、ノイズの多いソースに有効です
NR(Noise Reduction)と略す事も多いです
動画に存在する細かいノイズを除去してくれます
地上波TVなど、ノイズの多いソースに有効です
やたら神格化されるこの処理ですが
実はその正体は、単なる対象を絞ったボカシです
実はその正体は、単なる対象を絞ったボカシです
隣の点との差が小さな点はノイズとみなし
周りに溶け込ませてしまう。
差が大きい場合は映像の輪郭部分なので
そこにはボカシ処理をしない
周りに溶け込ませてしまう。
差が大きい場合は映像の輪郭部分なので
そこにはボカシ処理をしない
沢山の種類がありますが、基本はこの考えです
どこからがノイズで、どこからが境界かを
判断する基準値は「しきい値」と呼ばれます
どこからがノイズで、どこからが境界かを
判断する基準値は「しきい値」と呼ばれます
で、ここまで話してきた内容は
「絵」のボカシなのですが
「動画」特有のボカシも存在します
時間が関わってくるので、三次元なんちゃらと呼ばれる事が多いです
「絵」のボカシなのですが
「動画」特有のボカシも存在します
時間が関わってくるので、三次元なんちゃらと呼ばれる事が多いです
ある点を見たとき、前後の瞬間と比べ
小さな変化が起きて、すぐに元に戻った時
これをノイズと見なし除去するのが
「三次元ノイズ低減」です
(通常のNR処理も同時に行なうフィルタが多いようです)
小さな変化が起きて、すぐに元に戻った時
これをノイズと見なし除去するのが
「三次元ノイズ低減」です
(通常のNR処理も同時に行なうフィルタが多いようです)
しきい値を考慮せず、時間変化を無差別に
小さくするような処理も考えられます
「三次元ボカシ」ですね
小さくするような処理も考えられます
「三次元ボカシ」ですね
英語では「temporal smoother」などと呼びます
temporalは「一時的な」という意味が有名ですが
この場合は「時間の」という意味ですね
動画処理だとよく目にします
temporalは「一時的な」という意味が有名ですが
この場合は「時間の」という意味ですね
動画処理だとよく目にします
三次元フィルタ系は処理が極端に重いです
時間順に処理できず、3歩進んで2歩戻るを繰り返すハメになるからです
効果的な利用法も含め、使いどころの難しいフィルタです
時間順に処理できず、3歩進んで2歩戻るを繰り返すハメになるからです
効果的な利用法も含め、使いどころの難しいフィルタです
さて、最後にノイズ低減フィルタ一般の注意を。
ノイズ低減フィルタは基本がボカシなので、同じ問題を持っています
映像の細かな部分がノイズと判断され、潰されてしまうのです
ノイズ低減フィルタは基本がボカシなので、同じ問題を持っています
映像の細かな部分がノイズと判断され、潰されてしまうのです
逆にこれを意図して、強めにNRをかける事もありますが
映像のディティールが失われる事を念頭に入れておきましょう
で、一回まとめです
映像のディティールが失われる事を念頭に入れておきましょう
で、一回まとめです
ここまでのまとめ
- 対象を絞ったボカシはノイズ低減(NR)と呼ばれる
- ボカシには、時間方向の変化を対象にした三次元処理もある
- ノイズ低減は映像の細部を消してしまう事に注意
04.シャープネス
単に逆の話です
ですのでサックリと。
ですのでサックリと。
ノイズ低減とは逆に、絵をクッキリさせるのがシャープネス。
内部処理はボカシより複雑なのでパスします
内部処理はボカシより複雑なのでパスします
基本的に、ボケているというのは情報が失われている状態です
そこから無理矢理鮮明にするシャープネスは、そもそも無理のある処理といえます
そこから無理矢理鮮明にするシャープネスは、そもそも無理のある処理といえます
従って、目に見える弊害が結構出ます
グラデーション部分がざらついた感じになってしまったり
縁取りをしたように不自然な部分がすぐに出てしまいます
グラデーション部分がざらついた感じになってしまったり
縁取りをしたように不自然な部分がすぐに出てしまいます
とはいえ、文字を読みたい時などには非常に重宝するフィルタです
強度を確認しながら、不自然にならない範囲でうまく使いたいものです
強度を確認しながら、不自然にならない範囲でうまく使いたいものです
注意点。
ノイズ低減フィルタと併用する時は、ノイズ低減を先に掛けてください
シャープネスを先にかけると、ノイズが強調されてしまい上手く除去できなくなります
ノイズ低減フィルタと併用する時は、ノイズ低減を先に掛けてください
シャープネスを先にかけると、ノイズが強調されてしまい上手く除去できなくなります
あと、当たり前ですがボカシと同時は禁止。打ち消しあって意味無いです。
それと、ぼかしが圧縮率を引き上げるのと同様の理屈で
シャープネスは圧縮率を落とします
シャープネス処理の特徴と合わさり、グラデーション部分に
四角いブロックノイズが出やすくなるので注意しましょう
それと、ぼかしが圧縮率を引き上げるのと同様の理屈で
シャープネスは圧縮率を落とします
シャープネス処理の特徴と合わさり、グラデーション部分に
四角いブロックノイズが出やすくなるので注意しましょう
ここまでのまとめ
- 映像にメリハリを出すのがシャープネス
- 映像に不自然さが出てしまうことが多い
- 文字などの細かい部分を浮き立たせるのに有効
- ノイズ低減もかける場合、シャープネスは後
- シャープネスは圧縮率を落とす。ブロックノイズに注意