侵食 ◆F.EmGSxYug
どれだけの距離を走ったか分からない。
どれだけの時間が経ったか知らない。
ただ、私は何かに急かされるように走っていた。
何かから逃げるように。
何かから目を背けるように。
そうして走り続けて、突然砂に足を取られて転んだ。
「いたっ……」
なんとか体を起こして、そこやっと今自分がどこにいるのか気づいた。
周りに砂しかなかった。確か地図に砂漠とかあった、と思う。
間違ってペットボトルを落とたりしながらなんとか地図を取り出すと、確かにあった。
Eの3。
禁止エリアに突っ込んだりしてたかもと思うと、震えが走る。
上の空のまま何か光っている方向に足を進めると、泉があった。
そういえばオアシスっぽいのが書いてあったっけ。
ここで走ってきたツケが一気に来て、その側で座り込んでいた。
喉の渇きに気づいて衝動的にペットボトルの水を流し込んで、漏れたのはため息。
「何やってるんだろう、私……」
目の前に広がるオアシス。流れがなくとも清純な水は、その顔で月を食べている。
こんな状況下で体育座りしてそれを眺めている自分はそれこそ間抜けだと思う。
でも、だからって、どうすればいいんだろう……?
泉の静寂が場を支配する。水鏡の月が地を照明する。
私はただの人間で。
未来から来たのでもなければ超能力を持ってるわけでも宇宙から来たわけでもない。
風を巻き起こせるわけでもなければ空を飛べるわけでもない。
戦うことなんて、出来やしない。
だから、出来るのはただ逃げることだけで……
今もこうやって、現実から逃げている。
「………………はぁ」
俯きながら、ヤケ気味にうまい棒を飲み込んだ。
座っていても、楽になるなんてことはなかった。
月光を侵食しようとする夜闇が、周りから私を責め立てているような気がする。
自然、ここに座っていた間は、ずっと逃げるように周りを見渡していて。
うまい棒を食べつくしてから数分後――とうとう、それを見つけてしまった。
以前に見た豹頭……アポロさんが、体を真っ赤に染めて死んでいるのを。
一人で座り込んでる、自分は。
間違いなく無防備で、あの遺体の様にいつ殺されてもおかしくない――
「……ぁ」
慌てて立ち上がって反対方向に向かいかけた足を、転びそうになりながら停止させた。
足を震えさせながら向きを変えて、
動きだしやしないかとおっかなびっくり遺体へ歩を進め……
傍に落ちていたデイパックを拾うとすぐに遺体から顔を背けて走り出した。
目を逸らしていたのは、殺し合いに放り込まれたという現実。
けれど、いくら走ってもそれから逃げることは出来ない。
暗いのはイヤだ。それだけで不安になる。
「あれ……は」
遠くに見える建造物らしき陰――暗くて見えないけど――を確認する。
明かりがついていないから誰もいないんだろう。いないでほしい。
逃げられないなら、せめて隠れよう。
朝まで、どこかの建物に隠れてじっとしていたい……
闇は空間だけでなく――人の心まで、侵食する。
どれだけの時間が経ったか知らない。
ただ、私は何かに急かされるように走っていた。
何かから逃げるように。
何かから目を背けるように。
そうして走り続けて、突然砂に足を取られて転んだ。
「いたっ……」
なんとか体を起こして、そこやっと今自分がどこにいるのか気づいた。
周りに砂しかなかった。確か地図に砂漠とかあった、と思う。
間違ってペットボトルを落とたりしながらなんとか地図を取り出すと、確かにあった。
Eの3。
禁止エリアに突っ込んだりしてたかもと思うと、震えが走る。
上の空のまま何か光っている方向に足を進めると、泉があった。
そういえばオアシスっぽいのが書いてあったっけ。
ここで走ってきたツケが一気に来て、その側で座り込んでいた。
喉の渇きに気づいて衝動的にペットボトルの水を流し込んで、漏れたのはため息。
「何やってるんだろう、私……」
目の前に広がるオアシス。流れがなくとも清純な水は、その顔で月を食べている。
こんな状況下で体育座りしてそれを眺めている自分はそれこそ間抜けだと思う。
でも、だからって、どうすればいいんだろう……?
泉の静寂が場を支配する。水鏡の月が地を照明する。
私はただの人間で。
未来から来たのでもなければ超能力を持ってるわけでも宇宙から来たわけでもない。
風を巻き起こせるわけでもなければ空を飛べるわけでもない。
戦うことなんて、出来やしない。
だから、出来るのはただ逃げることだけで……
今もこうやって、現実から逃げている。
「………………はぁ」
俯きながら、ヤケ気味にうまい棒を飲み込んだ。
座っていても、楽になるなんてことはなかった。
月光を侵食しようとする夜闇が、周りから私を責め立てているような気がする。
自然、ここに座っていた間は、ずっと逃げるように周りを見渡していて。
うまい棒を食べつくしてから数分後――とうとう、それを見つけてしまった。
以前に見た豹頭……アポロさんが、体を真っ赤に染めて死んでいるのを。
一人で座り込んでる、自分は。
間違いなく無防備で、あの遺体の様にいつ殺されてもおかしくない――
「……ぁ」
慌てて立ち上がって反対方向に向かいかけた足を、転びそうになりながら停止させた。
足を震えさせながら向きを変えて、
動きだしやしないかとおっかなびっくり遺体へ歩を進め……
傍に落ちていたデイパックを拾うとすぐに遺体から顔を背けて走り出した。
目を逸らしていたのは、殺し合いに放り込まれたという現実。
けれど、いくら走ってもそれから逃げることは出来ない。
暗いのはイヤだ。それだけで不安になる。
「あれ……は」
遠くに見える建造物らしき陰――暗くて見えないけど――を確認する。
明かりがついていないから誰もいないんだろう。いないでほしい。
逃げられないなら、せめて隠れよう。
朝まで、どこかの建物に隠れてじっとしていたい……
闇は空間だけでなく――人の心まで、侵食する。
【E-3 オアシス西側/一日目・真夜中】
【キョン子@涼宮ハルヒコの憂鬱】
[状態]:健康 悲しみ、文に対する怖れ
[装備]:DMカード【ユベル】@遊戯王デュエルモンスターズ、くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ DMカード(不明)@遊戯王
言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
[道具]:支給品一式×4(食料一食分、水二食分消費)、長門有希のギター、Ipod(少佐の演説の音声入り)@HELLSING
カレーセット@るろうに剣心、ピーマン@星のカービィ
アイス詰め合わせ@VOCALOID、海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様
養由基の弓@三国志Ⅸ(矢残り6本)、
逆刃刀・真打@フタエノキワミ、アッー! 、果物ナイフ@現実、不明支給品@1
[思考・状況]
1:生きて帰りたい
2:殺し合いには乗らない
3:異世界という確信を得るため情報を得る。
4:ユベルはなんで放送のこと知ってるの?
5:建物(図書館や駅)に朝まで隠れる
※グラハム、大河と情報交換しました。
※不明支給品は塩のものでした、(武器ではない?)
※射命丸、グラハム、大河、羽入、アポロ、みさおと情報交換しました。
【キョン子@涼宮ハルヒコの憂鬱】
[状態]:健康 悲しみ、文に対する怖れ
[装備]:DMカード【ユベル】@遊戯王デュエルモンスターズ、くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ DMカード(不明)@遊戯王
言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
[道具]:支給品一式×4(食料一食分、水二食分消費)、長門有希のギター、Ipod(少佐の演説の音声入り)@HELLSING
カレーセット@るろうに剣心、ピーマン@星のカービィ
アイス詰め合わせ@VOCALOID、海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様
養由基の弓@三国志Ⅸ(矢残り6本)、
逆刃刀・真打@フタエノキワミ、アッー! 、果物ナイフ@現実、不明支給品@1
[思考・状況]
1:生きて帰りたい
2:殺し合いには乗らない
3:異世界という確信を得るため情報を得る。
4:ユベルはなんで放送のこと知ってるの?
5:建物(図書館や駅)に朝まで隠れる
※グラハム、大河と情報交換しました。
※不明支給品は塩のものでした、(武器ではない?)
※射命丸、グラハム、大河、羽入、アポロ、みさおと情報交換しました。
sm210:Bad People!? | 時系列順 | sm212:WAKUWAKUを思い出すんだ |
sm210:Bad People!? | 投下順 | sm212:WAKUWAKUを思い出すんだ |
sm200:渦巻く欲望……てか、お前ら我侭すぎる。 | キョン子 | sm214:ナイトメア・ペイン |