Mystery Circle 作品置き場内検索 / 「Nomad」で検索した結果

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  • MC vol.7/Nomad
    ...ダメ男の法則 著者:Nomad あとは五つの年の差のみ。 そうは言うものの、簡単に言ってのけたアイツ自体が言った後に落ち込んでいる。 「だからよぅ、オレもうどうしていいのか分んないんだ...」 それはそうだろう、俺だってもう知ったこっちゃ無いのだ。 「OK、分った。もう分ったから最初に俺が言ったこと復唱してみろこのバカヤロウ」 「ぅ愛に障害ぃは付き物ぉぉおおおお、うぉおおおおおおん...」 よく出来ました、ハイ鼻ちーん。 俺の名前は大井 望(おおい のぞみ)、H工学大学4年生23歳。 今現在俺の目の前で意気消沈している男は俺の小学校来の親友、臼井 幸(うすい こう)。 行き成りだが三ヶ月前、名の通り幸の薄い人生を歩んできたコイツにも...犯罪色がかった春がやってきた。 「なぁ望、彼女できた」 「よかったじゃねぇか!どんな娘?...
  • MC vol.7
    ...つの年の差のみ。 Nomad ◎懐中電灯なんかつける余裕もなかった。 松永 夏馬 ◎あのときの僕とそっくりだった。 癒月ハルナ ◎サンタクロースにでも貸してやれるほどのビッグサイズだったのだ、 塵子 ◎置いてあった彼女のピーコートとカバンを脇にかかえた。 一茶 ◎もっと驚いたのは、知っていながら彼が今まで黙っていたことだった。 黒沢柚月 ☆私にむけられる怨嗟があるとすれば、それは無言の他にない。 知 ☆夜がもう行く手一杯に立ちふさがっていて、彼女はこわかった。 なずな ☆そうしなければ夕焼けの大きさはわからない。 Clown ☆それから線路の真ん中にしゃがんで、線路の端の夕日を見た。 七夜実 ☆そして空のすべてを見た時に、人は空を殺してしまうのだ。 シーメル ☆私は神・・・と呟きかけてそれをやめた。 AR1 ☆今日...
  • MC vol.8
    ...まとわりついた。 Nomad ◎「どうして裸なの?」 暇子 ◎私はあなたを信用している、あなたも私を信用してよろしい、と言っているように。 おりえ ◎「いやだ、消えろ」と私は呟いたけれども、それは不気味な笑い声を洩らしただけだった。 なずな ◎私の目はぎゅっと閉じたままで、背伸びした爪先はぶるぶる震えた。 真紅 ☆それは侮辱として受けとっておく。 李 九龍 ☆いやそれこそが真理なのだ。 一茶 ☆悪と呼ばれるその奔流は安穏では得られない漆黒の快楽にすりかわる… 甘蔗 ☆ああ、いやになるほどあんたのことがわかる。 松永 夏馬 ☆偶然より運命ははるかに強い。 ろくでなしブルース ☆あんたに愛された女は幸せだわ。 ホクト ☆ここでは殺気だけが人を引きつける… Clown ☆おまえがおまえを殺めてしまえば、それで全部終わる...
  • Masquerade vol.1
    Last update 2012年07月09日 Masquerade Vol.1 - BL - ◎出題 『この謎めいた、意味もないくせに胸を締め付けられるような奇妙な感情に、なぜこんなにも心をかき乱されるのだろう。』 恩田陸 《 図書室の海 》より キリカ 山田いさ 時友 炎晶(作者の要望により削除) ロマンス渚 沙羅(さら) 藍戸碧 久遠コミネ 誰何(すいか) コメント 名前 コメント
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    Last update 2011年07月20日 Mystery Circle~創造と想像が好きな人々の為に~  ここはMystery circleの作品を置いているWikiです。  Mystery circleについての詳しい説明は上のリンクからどうぞ。  このWikiではMC参加者は自由に自分の作品を編集する事ができます。  編集するにはユーザー名とパスワードが必要ですのでメールでご連絡ください。  自分の作品以外は絶対に弄らないようにお願いします。トラブルの元です。  活動中止期間を経て、Mystery CircleはMistery Circleとして生まれ変わりました。  URLはhttp //misterycirclenovels.blog.fc2.com/となっております。  よろしくお願いします 各MC回へのリンク  MC vol....
  • Masquerade vol.1/時友
    Last update 2008年04月19日 きみがくれた空の色  著者:時友 これまでの俺の人生を振り返って見てみれば、たいした挫折もなく、どちらかといえば経済的にも環境的にも恵まれた中で生活をしてきていた。 大学を卒業した後、就職氷河期と言われる昨今、全く就職活動の苦労もなく、祖父が経営する会社に入社し、七光りと言われようとなんと言われようと、そんな事は気にも留めずに順調に出世の階段だって昇ってきた。 一応、会社に入ってからは一般の新人と同じように扱われ、いきなり役職に就く事なんてなかったさ。 そして、それなりに実績を上げてきたから、今の取締役部長って役職にだって就けているんだ。誰にとやかく言われる事もないはずだ。 まあそれでも、普通ではあり得ないスピード出世の道のりではあったが。でもそれは俺のせいじゃない。 俺のじいさんが経営してる会社...
  • Masquerade vol.1/キリカ
    Last update 2008年04月19日 コズミック☆ラブ  著者:キリカ 「んっ……ぁ」  もうちょっと、もうちょっとでイケる!  手でキモチイイところをつよく刺激して、そのままラストスパート!!  悲しいかな、自慰だけは得意だぜ。彼女いないオレ、今はそんな悲しいこと忘れて気持ちイイ世界に旅立ちたいお年頃。 「はっ、あぁっ……」  出た!!  勢い良く無重力空間に放出された、白いもの、つまりオレの白撃砲!  いつもなら情けなく落ちるはずの白撃砲は、勢いを保ったまままっすぐ一直線に壁へと向かってとぶ。さすが無重力、爽快感が違う!  行け、突き進め!!  どの便も満席に近い月行きシャトルだけど、会社が経費で個室を取ってくれたおかげでこの壮大な実験を行うことが出来た。会社の金で宇宙旅行(出張)できるなんて最高!! 高校中退だけど就職してよかった。...
  • Masquerade vol.1/藍戸碧
    Last update 2008年04月19日 レンアイスキル  著者:藍戸碧  後悔はしてない。…多分。  どうやら岩佐が出してくれたアイスコーヒーの中に、なにか薬物が入っていたらしい。一気に呷って、しばらく他愛もない普通の会話をしていたら急に眠気が襲ってきた。  おかしい。昨日はたっぷり九時間も寝たのに。こんな急速に眠気が訪れるなんて、絶対に変だ。  おれが目蓋を懸命に開こうと必死になっているのに気づいたのか、岩佐が小さいテーブルを挟んだ向こう側で、訝しげに声を掛けてきた。 「あれ、智秋…?どうしたんだよ、急に…」  岩佐の声が遠くなる。目蓋が急速に下りていく。視界が暗くなる。体を支えようにも、力が入らず、そのままフローリングの床に横になる。 「え!嘘!?智秋!?」  うろたえたような岩佐の声がする。それから、部屋の扉が開けられた音と、...
  • Masquerade vol.1/山田いさ
    Last update 2008年04月19日 あの想いが還る場所  著者:山田いさ 「中島君、私にこの『字』とは名ばかりの記号の羅列を、これから先、何十枚も読めと言うのかね?」  岩倉教授は受け取った来年度卒論のプレ・レポートを手に、渋い表情で俺を見た。一瞬、何を言われたのか意味がわからなかったので、「はあ」と、とりあえず返してみる。 「せっかく良い論文を提出しても、この字では読む気力が萎えるとは思わないか?」  教授は机上にそれを置いて、ため息をついた。ここでやっと、さっきの質問の意味がわかった俺は、同じように息を吐く。  岩倉ゼミはワープロ打ちの卒論が主流になりつつある時代に、あえて手書きで提出させるレトロなゼミだ。  そして俺・中島教之は、自他共に認める無類の悪筆なのである。  大学三回生にもなって、よもや書道教室に通うことになるとは。 ...
  • Masquerade vol.1/時友02
    Last update 2008年04月19日 松永の言葉がきっかけだったのかどうか、それ自体は定かではないが、彼の存在というものが自分の中で想像以上に大きなものになっているのだと思い知らされ。 そうなると、彼に会えない週末になると途端に、どうしようもなく会いたくなってしまう。 家族以外の人間関係においては、それほどの我慢を強いられた事のなかった俺は、そんな己の中に生まれた感情をコントロールできずに、その週末初めて、彼に会う為だけに行動を起こしていた。 自宅から車で20分ほどの会社に出向き、当然休日の今日、それでも数台の車が停まる地下駐車場へと乗り入れる。 そこに車を置き去りに俺が向かった先。いつもの公園と、ちょうど道路を挟んで真向かいに立つビルの1階にある、彼の家族が営む小さな花屋。 少し離れた場所から覗いた店内に、淡いグリーンのエプロンを着け忙しく動き回る姿...
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  • Masquerade vol.1/ロマンス渚
    Last update 2008年04月19日 Utopia  著者:ロマンス渚  罪はこんなに鈍いものだったのでしょうか。  罰はこんなに鋭いものだったのでしょうか。 「ララさんは」  僕は尋ねたことがある。 「いつも何を祈っているんですか」  大した意味はなく、ただの興味から湧き上がった質問だった。  彼は黙々と読書をする手を止め、顔を上げてにこやかに微笑んで問い返す。 「そうですねぇ……なんだと思います?」 「! えー、と」  こう聞き返されることは容易く予想できたはずなのに、何故だか答えが浮かんでこない。  それでも僕は、彼が穏やかな日の光を浴び祈りを捧げる姿を脳裏に浮かべて答えた。  舌が縺れてしまいそうだ。 「犠牲への供養ですか? それとも永久の平和、人々への愛……自然への感謝とか。恵み、恩寵、それとも」 「残念ですが…...
  • Masquerade vol.1/久遠コミネ
    Last update 2008年04月19日 笑う策士と不機嫌なエンジェル  著者:久遠コミネ 自分を神経質だとか潔癖症だとか、特に思ったことはないのだけれど。 小湊(こみなと)ヒカリは、大きなつなぎ作業服をドラム式洗濯機に押し込みながら、改めてそう思った。 (ホント汚い…靴下、なんでこんなに汚れるの…) 靴を履いているはずなのに、ここまで汚れる理由がヒカリにはわからない。ドロなのか鉄錆なのか、茶色く汚れた靴下に脇の黄ばんだ白いTシャツ、それらを親指と人差し指で摘んで、ポイっと洗濯機に放り込む。洗剤を入れて洗濯機を回すと、すぐさま水が茶色くなって、ヒカリは思わず「うわぁ…」と声を出した。  さすがに、ここまで汚れたものを生理的に汚いと感じてしまっても、これは人として仕方がないことだと思う。例えその『汚している本人』が、ヒカリの恋人だったとしても。  2週...
  • Masquerade vol.1/沙羅(さら)
    Last update 2008年04月19日 一夜の恋人  著者:沙羅(さら)  夜の禍々しいネオンの中で出会った一双の瞳。  他を拒むかのような孤独と、何かを欲しながらも全てを諦めているかのような淋しい瞳。  猥雑な街の中で彼だけが異質なもののように浮き立ち、清廉ささえ感じさせた。  彼もまた、この街の住人であることはその服装や装飾品で見当がつく。  それでも彼への好奇心という言葉では収まりきらない強い興味は抑えることができない。  この謎めいた、意味もないくせに胸を締め付けられるような奇妙な感情に、なぜこんなにも心をかき乱されるのだろう。 「ねえ。二人で楽しまない?」  彼の方からそう声をかけられ、三谷(みつや)の答えは当然決まっていた。 「僕でよければ」  セクシャルな誘いであることは承知の上で、三谷は承諾した。  嫣然と微笑んだ彼の美貌...
  • Masquerade vol.1/久遠コミネ02
    Last update 2008年04月19日 なんだかそう言われると、ヒカリが金でしか男を見ていないように聞こえる。でも実際、今まで付き合った人はみんなそうなのだから、そう思われても仕方がないのかもしれない。家が金持ちのぼんぼんだったり、会社の役員や経営者だったり、お医者さんだったり。そうじゃなきゃイヤ、と言ったことは一度もないけど、それに慣れて、甘やかしてくれることが前提で男の人を見ていたことは否定できない。 「言ってなかったけど、俺も一応社長なんだぜ?ヒカリ」 「え……なんのですか?」 「もちろんペンキ屋のだ。俺らはな、造船所の作業員でも、下請けになんだよ。それで去年独立して、会社作った。だからちっさくても会社で、俺は一応社長。つってもまぁ、そこまで俺が儲けてるわけでもねーけどな。でもこれくらいのマンションに住める程度には社長なんだよ」  確かにヒカリは、1LDKと...
  • Masquerade vol.1/誰何(すいか)
    Last update 2008年04月19日 棋士道精神  著者:誰何(すいか)  この謎めいた、意味もないくせに胸を締め付けられるような奇妙な感情に、なぜこんなにも心をかき乱されるのだろう。樹(いつき)はキレイだ。和人(かずと)はつくづくそう思う。今年度始め、樹とともに入った将棋部の部室にて。和室の窓を背に対座している樹を見るたび、最近の和人はいつもその、奇妙な感情に襲われるのだった。端正な顔に漆黒の髪が、さらさらと額にかかる様は、男ながらにいつも見とれてしまう。切れ長で睫毛の長い瞳が、射る様な眼差しで将棋盤を見つめる、その瞬間が和人には堪らなかった。一手先を考える真剣な表情が、樹に憂えているかのような雰囲気を与え、尚一層艶っぽい。うつむき加減の樹をチラチラと盗み見るのが、ここ最近の和人の常だった。 「和人、お前の番だぞ」 ふいに名前を呼ばれ...
  • AMC vol.3
    Last update 2008年03月16日 Another Mystery Circle Vol.3(Funny story Mystery Circle) ルールについては↓参照 http //nightstalker.blog17.fc2.com/blog-entry-268.html 松永 夏馬 rudo 真紅 国見弥一 なずな 朔 時雨 篠原まひる コメント 名前 コメント
  • MC vol.29/平良 原
    Last update 2008年03月16日 ガイノイド  著者:平良原 「人が変わっていくのは救いであって、自分が変わらない世界なんて、私はごめんこうむりたいわ」  私は彼の提案をそう言って突っぱねた。  彼の提案。  それは私のアンドロイドを作らせてくれないか、ということだった。  彼と知り合ったのは中学1年生の冬。  私が放課後、校舎の屋上で歌をうたっていたときに彼がひょっこりと屋上に現れたのがきっかけ。 「歌に引き寄せられてきた」  とは彼の弁。  冬の屋上は風が強く寒いため立ち寄ろうとする人は滅多にいない。  実際、私は雨や雪が降っていない日の放課後は毎日のように屋上に行っていたけど、冬の屋上に来たのは彼が初めてだった。  目線を逸らし頭を掻きながら照れくさそうに言ったその言葉がなければ、歌手としての今の私はいない。 ...
  • MC vol.12/高野時雨
    Last update 2007年10月27日 No Title 著者:高野時雨 このみみっちい炎は、マッチ売りの少女だな。何の幻が見える? 暖かいストーブ 美味しそうな焼きガチョウ 大きくて素敵なクリスマスツリー 全て、全部。と、切に願ったのに。 「後どの位?」 「30分…ちょっと。」 「そっか。」 何の感慨も無い。後30分で一年が終わるというのに。 静寂と妙な圧迫感だけが二人の間を支配していた。 普通するようにテレビをつけてない所為か、それとも外の雪の所為か。 不思議なもので人間というのは音が無くなると思考が鈍くなるらしい。 神経だけが研ぎ澄まされて、意識の水面下で一つの感想だけが浮かび上がる。 変な状況 ...
  • 編集の注意事項
    Last update 2008年04月12日 編集の注意事項 wikiで作るのが面倒だったので、ブログの方にアップしました。 http //nightstalker.blog17.fc2.com/blog-entry-359.html名 ↑からどうぞ。 コメント 名前 コメント
  • AMC vol.2
    Last update 2008年03月15日 Another Mystery Circle Vol.2(SMC vol.1) ◎「ここにいろよ」 空蝉八尋 ◎「今まではそうする理由もなかったからね」 ヨーノ ◎にわかに自信がぐらつき、なぜか罪悪感を覚えた。 松永 夏馬 ◎「男だからな。あからさまな誘惑には弱いんだろう」 おりえ ◎「なぜ、僕がキスしたか聞きたくないのか?」 Clown ◎これほど官能をくすぐられ、欲望をそそられる男性には会ったことがない。 なずな ◎「聖女でいるのに飽きることはないのか?」 真紅 ◎ひやかしまじりのひそひそ声が耳に入ってくる。 フトン ◎「僕が君への欲望に身を焦がしていたことに、気づかなかったんだね?」 朔 ◎静かな満足感がわいてきた。 kazumi ◎「あなたは涙なんか流さないんでしょ...
  • AMC vol.1
    Last update 2008年03月15日 Another Mystery Circle Vol.1(同人誌) ◎なぜなら彼女の笑みは、芸能人が俺のような赤の他人に向ける顔にしては、あまりにも特別なものだったからだ。 Clown ◎おそらく煙を吸ったら彼女は死ぬのだと思った。 なずな ◎母親への思いやりと反抗心の狭間に彼女は立っている。 七夜実 ◎部屋の隅で電話はしばらく鳴り続いた。 暖房 ◎反省した俺は声を出せないまま、ただ彼女の手首を握り締めた。 ヤグタケ ◎それにしてもこの不可解な状況が、そもそもなぜ起こってしまったのかがわからない。 塵子 ◎自分の選んだことだから間違いはなかった、そう言えるほど強くなれたらいいと思う。 知 ◎周囲の闇にすべて溶けてしまい、ただ握り締めた手だけが世界に存在しているように思えた。 李 九龍 ◎ということは...
  • MC vol.19/知
    Last update 2008年03月15日 似た者同士の恋愛譚 3  著者:知  久しぶりに会った瞬間、叱責の幻聴が聞こえてきた気がして、私はどう話しかけようかと少しためらってしまった。 「思ってた以上に重症みたいね」  そんな私を見て私の唯一無二の親友である澪はそう呆れたように言った。 「……そう?」 「重症だって自覚はあるでしょ?」 「それはそうだけど……」  あの時よりはましだと思う。 「あの時よりはましだなんて思ってないでしょうね?」  そう思っているのが顔に出ていたのだろうか澪は私にそう釘を刺した。  澪の真っ直ぐな瞳に思わず目線をそらしてしまう。 「やっぱり……あのねぇ……」  それで図星だというのがわかったのだろう、澪は呆れたようにため息を吐き何か言おうとした瞬間に口を閉ざした。  その後の言葉...
  • MC vol.11/ネコタ
    Last update 2007年10月27日 No Title 著者:ネコタ 「先生っ。僕は何が分からないのか分かりません!!」 「んー、だからな、彼女はずぅっと親元に居たわけで、 簡単にハイ、彼氏んとこに行きますって、そういう気分にはならないわけだ。」 もう、1時間半もこんな話につき合わされてる。 「ご両親はもちろん大事なんですよ! でも、それ以上に僕を見れないのかなって・・・。寂しいと思いません・・・?」 教師になって丸4年。 離島に転勤になって2年が経った。 あの頃抱いてた夢は叶ったものの、 夢中になりすぎて気がつけば一人ぼっちになってた。 「だからなー、もっとこう、やわらかーくして考えれんか?」 昨年春、卒業した卒業生が、顧問のオ...
  • MC vol.11/一茶
    Last update 2007年10月27日 No Title 著者:一茶 「人間って、うえ死にするのは割と大変らしいけど、かわき死にするのって、割とすぐみたいじゃない」 「だからって、これはどういうことなの?」 私は彼女の足元を指差した。 そこには空になった3本の1.5リットルペットボトルが転がっていた。 「だから、かわき死するのは割とすぐみたいだから……」 「じゃぁ、それは?」 今度は彼女の手元を指差す。 ほとんどを飲み干したコーラのボトル。 「こ、これは……水分補給にはこれが一番かなって…」 「そっか、うん、そうなんだ。それじゃぁ、ちょっとついてきてもらえる」 「……うん」 彼女は怯えた羊のような目を向けている。 「大丈夫、叩いたりとかじゃないから」 観念したのか、彼女は立ち上がった。 「あ、そうそう。そ...
  • MC vol.15/なずな
    Last update 2008年01月13日 遠い記憶~ワンダーランド 探して 著者:なずな おわりとはじまりはいつもいっしょにやってくる。 幼稚園の入園式の日、大雨。 お気に入りの白いブラウスに泥がはねて 登園拒否になった。 小学校入学、友達が出来たと喜んでたら 父がいきなり転勤になった。 高揚した気分は しなしなといつもどこかに消えていく。 初デートにおしゃれして出かけたら、その日に別れを切り出された。 初めてのバイトに張り切って行ったら、手違いでしたと帰された。 入会手続きした英会話教室は行った初日に潰れてた。 「申し訳ございません」の張り紙を見ながら 払い込んだ授業料のことよりも あたしは今までと、これからの人生を思い、肩を落とした。  ─ いちいち傷ついてたらやってらんないもんね あた...
  • MC vol.16/AR1
    Last update 2008年03月14日 Dead or Alive?  著者:AR1 「いや、さっきの賭け。乗るわ」  突如、狙撃ライフルを抱えつつ、双眼鏡でボナベンチャーホテルの五棟の円筒の一角を注視している相棒が答える。一体、何十分前の賭け――それも限りなく純粋なジョーク――に答えているのだろう? 仕事の腕が立つのは結構だが、いきなり思考が過去にワープするのだけは勘弁して欲しい。おまけに自己完結していたりするからタチの悪さに拍車をかける。 「なんの賭けだったか?」 「ほら、アレだ……難しい標的を仕留められたらって話」  ああ、その話か。同時期に出たジョークと言えば幾つかある。俺達はビル・ゲイツの総資産を抜くことが出来るか否か、ラスベガスで女をはべらせながらロールスロイスのストレッチリムジンで闊歩するのはいつだ、宇宙旅行で「地球は青だった」と...
  • MC vol.6/シーメル
    Last update 2007年10月07日 タイトルなし 著者:シーメル 「よし、しりとりでもしない?」 不意にメグミは僕に言った。 「いくらなんでも、そんな場合じゃないだろう」 辺りは真っ暗で、外ではビュービューと強い風と雨が吹き荒れている。 年に何度かの台風接近、しかもでかいのがきたという事で、ニュースが騒いでいたのは数時間前。 それからテレビも点かなくなって1時間は経ったと思う。 そんな時に隣に座ったメグミが言い出したんだ。 「うーん、だって暇だしさ。テレビもないし」 生粋のテレビっ子で、1日何時間だって見ていられるようなメグミにとってこの状況は結構きついのかもしれない。 うちの両親がラジオすら用意してなかったもんだから、それで暇を潰すって事もできない。 「しょーがないな。じゃ、りん...
  • MC vol.15/Clown
    Last update 2008年01月13日 Wonderland in Alice 著者:Clown  「おわり」と「はじまり」は、いつもいっしょにやってくる。  だから、これも、つぎのための「はじまり」なんだ。 ○ 「私たち、右手と左手のようになれないかなぁ?」 「ん?」  何となく言葉の意味を掴み損ねて、僕は気のない返事をしてしまった。すると、彼女は案の定少し膨れた顔をしてもう一度繰り返す。 「だから、私たち、右手と左手のようになれないかなって」 「どういう事?」  繰り返されてもやはり意味を理解できない僕は、どうやら相当に鈍感らしい。彼女はため息一つ付くと、僕の方に右手の人差し指を突き出して、「いい?」と大袈裟に眉をしかめて言った。 「例えば、私が右手で、君が左手だったとして……ほら、ちゃんと想像して!」...
  • MC vol.18/ヨーノ
    Last update 2008年03月15日 No Title  著者:ヨーノ 「あぁ……人を殺したい」  四日前の牛乳に愛を込めて。  配膳室に忍び込み、自分のクラスへ配われる牛乳瓶の一本と、四日前の牛乳瓶とを交換する。  私は抜き取った牛乳瓶をまず下駄箱に忍ばせる。後はクラスで保健室に行ってきますと言った通りに保健室に行って、「あぁ、またこの子か」と優しい顔の保険医と言葉を交わして、適当に時間を潰して教室に戻るのだ。  四日前の牛乳を持ち込む時も、隠すのは下駄箱の中。  いつか見つかってしまうかもしれないけれど、いつも見つからない。  誰か私に初恋を抱いて、ラブレターを書いて、友人に見つからないように私の下駄箱に入れようと蓋を開けた時、不思議と四日前の牛乳瓶が出てきたらどうなるんだろう、と想像する。  1 好きな子の牛乳だから飲...
  • MC vol.23/真紅
    Last update 2008年03月15日 sound of piano  著者:真紅 「人間を愛するって、音楽を愛する程の自由がないのよ。」  ---------------------------------------------------------- そう呟いて、私は鍵盤に手を躍らせる。 指は、私とはあたかも別の生き物かのように揺れて、振れる。 ポロン、とピアノが笑う。 少し甲高い笑い声は、少し低い洒落た声になる。 私が鍵盤を叩く度、ハンマーは弦を叩く。 ペダルを踏み締める。 指は、妖艶に、白と黒の舞台を所狭しと舞い踊る。 足は、力強く、タップを踏み鳴らす。 テンポ良く刻む、鍵盤を叩く音。 ピアノが紡ぐ、響く囁くような透き通った声。 ff、私は鍵盤を叩く。 p、感じる窓から流れる風。 grave、ペダルを踏む。...
  • MC vol.1/知
    Last update 2007年10月07日 Welcome to our hamlet 著者:知 しかし彼女にとっての真に偉大な時代はまだ訪れてはいなかった。  「――まだ、少し早かったかな?」 彼女は小首を傾げてそう呟いた。  「……な、何が……?」 僕はあまりもの光景に頭が真っ白になってしまい、上手く働かない頭ではそう聞き返すことしかできなかった。  「ん?」 僕の言葉に彼女は又、首を傾げて僕を見つめた。  その瞳は黒から銀色に変わり、髪も漆黒から灰色に変わっている。かなり印象が変わっていてふと見ただけでは彼女とは分からない。  首を傾げる仕草は彼女の容姿とぴったり合っていてとても可愛らしい  ……でも……  僕は辺りを見回した……一面銀世界……と言っても元々この場所がそうだったわけではない。 ...
  • MC vol.20/ゆずり
    Last update 2008年03月15日 No Title  著者:ゆずり 書くことは人を救わない。 わかっている。 僕がここでどんなに書き綴っても、きっとこのことは人目につくことなく、「なかったこと」にされることくらい。 どんなにこのことを訴えたくても、どんなに言葉を書き連ねても、それは…。 足音に僕は部屋の中のテーブルで、書き散らしていたルーズリーフからはっとして顔を上げた。 都心から離れた住宅街の一角にあるマンションの最上階。 窓からは街を一望できるこの部屋は、僕にとって刑の執行を待つ死刑囚の独房のようなもので、窓から見える景色も手の届くことのない、一枚の絵画か写真のようなものだ。 そんな、この部屋の僕以外の足音といえば彼女しかいない。 この部屋の主で、僕をここに監禁している本人で…僕の憧れていた人。 3LDKの...
  • MC vol.12/七夜実
    Last update 2007年10月27日 No Title 著者:七夜実 たった一人洞窟の中の暗いお風呂に入っている。 否、人肌ほどの水の中で眠っているというのが正解か。 肢体を白い湯船に浸す姿を見るものはどこにもいない。 水に近い色をした髪が湯面を覆い隠しているのに気づけるかどうか。 そして溢れ出た水の撥ねまわる音が私のいる所まで響いてくる。 その、余興でしかない行為を繰り返しているのが、私の主だ。 『鎖骨、ようするに酸化銀の白々しさ』 「それで?」 私の手からタオルを受け取るついでに、主は今日初めての質問をした。 その間、私の顔を見ることはない。 私がタオルを掲げる角度も高さも、常に変わらないし、水分を多く吸った髪を乾かすのに余念がないのだ。 「二時間後に」 それ...
  • MC vol.22/真紅
    Last update 2008年03月15日 No Title  著者:真紅 彼のなだらかな声は、耳の奥のひだを丁寧になぞっていった。 このざわめきの中でも、彼の声は良く通る。 天職、とはまさにこの事だろう。 患者である私から見ても、優秀な医師だと分かる。 「織江さん。」 思わず彼の声に聞き入ってしまっていたようだ。 「織江さん、診察室へどうぞ。」 私はその声のする方へと吸い込まれていった。  ----------------------------- 「ダメですね・・・。」 椅子に腰深く掛けた彼が、重い口を開く。 「・・・何がですか?」 その当然の問い返しに、彼は戸惑う。 「実は・・・。」 「実は?」 しばらくの沈黙を置き、沈黙を破る。 「妊娠してます。」 「・・・ホントですか!?」...
  • AMC vol.1/知
    Last update 2008年03月15日 似た者同士の恋愛譚(仮)  著者:知  私の選んだことだから間違いはなかった、そう言えるほど強くなれたらいいと思う。  家に帰り着いてからそうとだけ書いたメールを彼に送った。  この一文に込められた意味を理解してくれるのだろうか――私は理解してくれることを望んでいるのだろうか、それとも理解してくれないことを望んでいるのだろうか――そんなことを考えながら携帯を閉じた。  明日はバイトが入っているからシャワーを浴びて寝なければいけない時間帯なのに、頭を空っぽにして少し硬めのベッドに体を横たえて目を閉じる。  『どうしてこんな事になったのかなぁ……』  ふと、又、そんな言葉が頭に浮かんできた。  そんなの……理由は簡単……  「私が弱いからでしょう?」  そう自分...
  • MC vol.12/Clown
    Last update 2007年10月27日 兵器の涙 著者:Clown  酷く疲れた。  最早、指一本動かせそうにない。  ○  そうだ、俺は疲れている。  休息が必要だ。  今までの36時間、俺は一睡もしていない。  自分でも驚くほど、俺の体は勤勉に動き続けた。  全ての関節は正確無比に駆動し続けるギアに、全ての皮膚は少しの違和感も逃さない鋭敏なセンサーに。  そして脳は、それら全てを冷徹に司り続ける絶対的な支配者に。  全ての状況を把握し、一点のミスも許さず、100%の制度を以て、事に当たらなければならなかった。  精密──いや、精緻の極みを凝らした「それ」は、そこまでの極限を持ってしか為し得ない、超技術の塊。  擬人型生体戦略兵器。  「神の似姿」を更に模して創られたその「劣化コピー」こ...
  • MC vol.10/知
    Last update 2007年10月20日 メイドの悩み 著者:知  『「ただただぐるぐるぐるぐる」私はそうありたくてここに来たのに、たとえばアスファルトの光を見ただけで中途半端に感傷に浸れる余裕を、贅沢を、何でまだ持ってんの?』  『そんなはずじゃなかったのに。そんなんじゃここに来た意味がない。』  もう1人の私が夢の中でそう問い詰める。最近よく見るもう1人の私が問い詰めるという夢。  『そんな事はわかっている』  思わず、そう怒鳴り散らしたくなる。実際に夢の中で私はもう1人の私にそう言っている。でも、もう1人の私はその言葉が聞こえていないのか、何度も何度も繰り返し、私を問い詰めてくる。  『また、この夢』  私は目を覚ましてから思わずため息を吐いた。  ナイトテーブルに置いてある目覚まし時計を見ると起きる時間まで後3...
  • MC vol.25/なずな
    Last update 2008年03月16日 It s a Small World  著者:なずな 「あなたは・・・行かなかったの?」 長い長い間、眠っていたような気がする。ほんの一瞬目を閉じただけのような気もする。 ずっと握ってくれていただろう少し骨ばった大きな温かい手に、問う。 身体の遠いところ、フィルターを通したような 鈍い痛み。  ぼんやりした意識。 薬品の匂い。ほの明るい周囲。カタカタと音がするのはストレッチャー? 目が開けられない。開けたいのに瞼に力が入らない。 相手の顔を確認することも出来なかった。 「大丈夫。お母さんも無事だよ。心配しないでゆっくりお休み、ユウリ」  * 私 どぉんと、突き上げるような縦揺れで目が醒めた。 とてつもない大きな揺れ。大地が吼え、のたうつ。 咄嗟に過去の「震災」を思い出す...
  • MC vol.11/七夜実
    Last update 2007年10月27日 two people in the white room 著者:七夜実 「そのキャンバスに、二十年かかって、あんたが絵を描いたの」 そう言って指し示したのは、俺の後ろ。 振り返った先には、壁。 それを、キャンバスというのだろうか。 二階建ての家屋ほどの高さがある其処に、縦横無尽に隙間無く敷き詰められているのが、俺が描いたという絵、なのか。 しかし、これらの絵を、俺が描いた、と言われたものの、どうもそうではないように思える。 絵はどれも全く違うタッチ、技術、更には時代の物のようなのだ。 (・・・いや、それだけじゃない) 近寄らないと、否、近寄って判るものでもないだろうが、敷き詰められた大小様々な絵によって、さらに全体として大きな一つの「絵」が構築され...
  • AMC vol.1/フトン
    Last update 2008年03月15日 愛のかたち  著者:フトン 彼女の腕時計を俺は持ってきてしまったということは、俺の腕時計はそれと入れ替わりにあそこへ置いたままだということだ。 女性用のその時計を眺めながら、ため息をついた。 結婚記念にペアで買った時計。 あの時はこうなるなんて思っても見なかった。 ただ、幸せでそれだけで充実していた。 結婚指輪だけでなく記念に残るものが欲しいと、俺に強請ったあの顔が、時計越しにちらちらと浮かぶ。 月明かりが綺麗なあの公園で、微笑んでいる妻の優しい顔が・・・・  ・・・・何故・・こんな事になったのだろう・・・・どうすれば・・いいんだ・・・ 重く冷たい空気が部屋の中に充満している気がした・・・ まるで俺を取り囲み世界中から隔離しているように・・・・ 妻が倒れたと聞かされ、飛び...
  • AMC vol.1/Clown
    Last update 2008年03月15日 Bladecaster -神國異聞録-  著者:Clown  なぜなら彼女の笑みは、芸能人が俺のような【赤の他人】に向ける顔にしては、あまりにも特別なものだったからだ。  それは、俺にとっては多少なりとも嬉しくはあるが、同時に非常に困った悩みの種でもあった。  つまりそれは…… 【Bladecaster -神國異聞録-】  林立するビル街を通り抜ける風は、瘴気にも似ている。仕事を終え、帰宅するビジネスマンは熱病に喘ぐような表情で一様に下を向き、定まらぬ足下を正そうともせず、死霊のように群れを成す。  月明かりは細いビルの隙間など照らす力もなく、人工の灯りが無機質な光の束となって歩く死体達に影を付けている。  俺は屍達の流れに逆行するように、人工物の森をかきわけ歩いた。目印は、森...
  • MC vol.10/フトン
    Last update 2007年10月20日 Inspirationdetective noa 著者:フトン 「『ただただ、ぐるぐるぐるぐる』あたしはそうありたくてここに来たのに、例えばアスファルトの光を見ただけで中途半端に感傷に浸れる余裕を、贅沢を何でまだ持ってんの?」 その言葉は、深い闇の中静かに重く響いた。 「いやだ~~~~~~~!!!!」 私の叫び声は、長い廊下に響き渡った。 まるで猫のように襟口を捕まれ引きずられている私・・・ 「乃亜。諦めろ!今日こそは手伝ってもらうぞ。」 私を引きずっているこの男!加住 憐は、それは美しい顔で私を見下ろした。 見た目はモデル並みに綺麗なこの男は、私の天敵!! 背も低く、幼児体系のこの私を、玩具かなんかと思っている。 大体、憐が一...
  • SMC vol.2/なずな02
    Last update 2008年03月16日 天使の落し物~光降る坂道で  著者:なずな 「母さん、この前ね、大天使に会った」 幼い少女の写真に花を供える母、美幸の後姿に、静弥は声を掛けた。 「え?」 「何でもない。行ってきます」 美幸は伏目がちに微笑んで、 「電車、随分早いのに乗ることにしたのね、今までのでも十分に間に合ったでしょうに」 まだ同じくらいの身長しかない息子の肩のほこりを払って、 「いってらっしゃい」 と手を振った。 「母さん」 「何?」 「今年の命日も・・自分で花は供えられない?」 言ってしまってから、静弥は少し後悔する。 母の表情がみるみる曇り、唇がもう小刻みに震えたのを見てしまったからだ。 「ごめん・・」 一言言うと静弥は後ろ手でマンションの玄関扉を閉め、足早に階段を駆け下りた。 大天使だけでなく・・...
  • MC vol.20/フトン
    Last update 2008年03月15日 Inspirationdetective noa~真実~  著者:フトン 猫ならごろごろ喉を鳴らしているだろう。 優しく髪を撫でられ、愛しむように抱きしめられれば・・・・ いや、猫でなくても、こいつの容姿や私以外の人気を考えれば、大抵の女の子なら今頃・・・ メロメロで・・・溶けてしまっているだろ。 でも・・でも! 私は恐怖心いっぱいで、こいつを見上げた。 「な・・に・・?」 深い眠りから覚めた私にはこの恐怖がイマイチ理解できず、ただ何か恐ろしい事が起きるように感じるばかりで・・ 「お!起きたか?最高だろ?この、俺様に膝枕されて。」 ニヤリと笑ったこの男は・・・紛れもなく私の天敵『加住 憐』で・・・ 私は必死でこの状態になったわけを、記憶を辿って探そうとする・・・ まだ意識のは...
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