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3話


《害悪細菌》

 町中を歩く男が一人いた。
その姿は殺し合いの場にして奇妙と言わざるをえない。
純白のスーツ、手袋、靴、腕時計。そのどれもが着用する人によっては残念なものにしかならないものである。
そのセットを着こなしている彼の歩く姿は軽く優雅である。

彼は電子工学・情報工学・機械工学の天才技術者に
「自分の持つスペックのその全てを全て《破壊する》ためだけに費やした、
その気になれば万能の最強にすら匹敵するその能力を
全部《破壊する》ためだけに費やした、ごく専門の、ごくごく専門の、専門過ぎる極まった破壊屋」
と言わしめた男、兎吊木垓輔以外の誰でもなかった。


《街》

 森を歩く男が一人いた。
その姿は田舎に住んでいる牧歌的な青年のような外見であり、
この姿も殺し合いの場にして奇妙と言わざるをえない。
スリーブレスの白シャツ、よれよれだぶだぶのズボン、
両足にぼろぼろのサンダルを履き、丸いサングラスに首にかけた白いタオル、
さらに麦藁帽子ときている完璧すぎる田舎の青年だった。

彼は究極絶無のサイバーテロリスト集団9名の天才の中にいて、
オフライン上での唯一の実働担当であり、
裏の顔として『殺し名』の中で最も忌み嫌われる殺人鬼集団『殺し名』序列3番目《零崎》に所属する、
零崎一賊三天王《零崎軋識》という顔を持つ、式岸軋騎以外の誰でもなかった。


《害悪細菌》

「何で傍系の病院坂迷路である私がこんなふざけたイベントに参加しているんですか。バックアップはバックアップなんですよ。」
愚痴りながら歩いているのは―傍系の―病院坂迷路である。
『彼女』と形容したくなる『彼』は、町中を歩いていた。

こんな殺し合いには参加する意味は全くないですからね。
こんな人が集まりそうな町中からはおさらばして隠れていよう。
まあ、私みたいなことを考える人も数多くいるかもしれませんね。
そうなったら皆殺しかも、いや、あの忍者らしい人たちがいるから大丈夫かも。

あ、なんか人がいる。かなり紳士っぽい姿なんですけど、ああいう人に限って串中先生みたいな人だったりして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いやいや、串中先生みたいな人が多くいては困りますから、あの人は普通の紳士さんでしょう。
まあ最初から殺し合いに乗っている異常者には見えませんからね、話しかけてみましょう。 

「おーい、そこの白いスーツのお兄さん。」
白いスーツの男が気づいて歩いてこちらにやってくる。

「おやおや狂った殺し合いの場ではじめて出会う人が、自分から話し合うような人とは、俺はついているな。」
「は?」
白いスーツの男はなぜか私の首に手をかけて言う。
どういうことだ、これでは私は殺人者である狼に食い殺される羊ではないか。
男の握力が強いのか首の骨から折れてしまいそうだ。
声にならない声を出しながら
「冗談はやめてくださいよ。」
「かわいそうだけど、君程度の人間にこれを使うわけにはいかないからね。このまま死んでくれ。」白いスーツの男はそういって、釘バットを見せた。

私が死ぬ?ありえない、そんなのありえない、ありえない、ありえない、
ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、
ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、
ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない。
「ふざaaけeるな。なんで俺が死ななくちゃいけN」
ゴギッ、と言う音がしてから‐傍系の-病院坂迷路は声を発さなくなった。

ふぅ、これでやっと一人か、あいつは良くこんなこと軽くやってのけるな。
まあ、しかしあのマンションがあるということは、この場所に死線がいるかもしれないな。
いたならば誰かに殺されてしまうなよ。ああ、愛しの死線、君はこのふざけた場所にいるのかな。

君がいる、いないにしろ、水倉と言うやつの思惑に乗るのはいただけない。
こんなプログラムは壊してしまおう。参加者もろとも壊してしまおう。
クラックは俺の専売特許だからな。そのためにまず、この忌々しい首輪だな。首輪と言えば《二重世界》ダブルフリック「日中涼」が思いだされるな。なつかしいな、友達の自慢は最高だからな、誰かに自慢したくなる。
ここで考えを深くしていく。

一見無機質な首輪をはずすとなるとサンプルの首輪が必要となるな。首を切断できるような道具があれば、さっきの奴のをもらえたのにな。
だがマンションにいけば、刃物のぐらいあるだろう。
あとは機械類だが、これはマンションに必ずあるだろうな。
あのマンションが玖渚友が住んでいたマンションならば。
しかし先ほどのことを考えると、自分の知らないことも多くありそうだな。
白いスーツの男、『裁く罪人』『害悪細菌』こと兎吊木垓輔はマンションに向かった。

【-傍系の-病院坂黒猫@世界シリーズ 死亡】

【1日目 深夜 G-4】
【兎吊木垓輔@戯言シリーズ】
[状態] 健康
[装備] 懐中電灯、コンパス
[道具]愚神礼賛(シームレスバイアス)@戯言シリーズ、支給品一式×2、ランダム支給品(1~5)
[思考]
基本 害悪細菌としてうごく
 1 とりあえずマンションへ

《街》

式岸軋騎は悩んでいた。
彼は皆がいた部屋で家族の、家賊の気配を感じていたのだ。「レン」こと自殺志願の零崎双識ほど出ないにしろ、彼にも零崎の気配を感じ取ることは出来た。
さらに、彼の視界には見たくはないがある男が見えた。
純白のスーツ、手袋、靴、腕時計のあの男を見たのだ。
そうなると、他にも《仲間》がいるかもしれないし。何よりも彼女がいるかもしれない。

「どちらを優先するべきかが問題だな」
確かに家族のやつらはこの殺し合いの場でもっとも輝くだろうし、普通に考えて負けることは少ないだろう。
それにかわって玖渚友―死線の蒼―には戦闘能力は皆無である。普通に考えてここは――――しかし、いるかもしれないという可能性だけで家賊を見捨てることは出来ない。 しかし彼女がもしいたら。しかし、、、、、、、、、、


その姿を隠れてみていた姿があった。

さすがに数多の戦場を越えてきた彼は気づいた。
「そこにいるのはだれっちゃか。」
しまった。つい演じていた方の零崎軋識の口癖が出てしまった。
出てきたのは学生服を着た女であった。
「いやぁー、びっくりしましたよ、こんなところでどこぞかの雷娘みたいな口調の人を見るなんて。」
「うっ、口が滑っただけだ。そんなことより手を上げてゆっくりとこちらに来い。変な様子を見せたら殺す。」
ジェリコ941をみせて言う。

「分りましたよ。こんなか弱そうな学生が雷神様に勝てるわけないじゃないですか。」
何だこのガキは、殺し合いの場だというのに、へらへらしすぎている。
「うるさい、しゃべるな。」
「さあ、このぐらいでいいでしょう。この後はどうしたらいいですか。痴態をみせろとでも。」
「誰もそんなことは言っていないまずバックをよこせ。」
もしかしたら、自分のように裏の世界の人間なのかもしれない。
「わかりましたよ。それっ。これでいいですか。ここまでしたんです。お願いがあるんですけど。」
「自分がいつ殺されてもおかしくない状態でよくそんなことがいえるな。」
「だって主催者のことを知っている人を、あなたは情報を聞く前から殺すのですか。」
「なにっ、でもその事が本当かは分らないだろう。」
何を言い出すと思ったらふざけたことを。
「でも本当のことだろうと、嘘だろうと、殺してしまっては分りませんよ。」

こいつは馬鹿な学生ではないようだな、利用できるかもしれないな。これから俺がどう動こうとこいつに殺されるとは思われんしな。

「いいだろう、殺さないでやる。だが変な様子を見せたらすぐに殺す。
おれについてこい。歩きながらお前が話しを聞いて嘘吐きか、そうでないか調べる。」
「分りました。ではまず周囲を歩いてここがどこだか調べましょう。」
「ああ。バックはこちらで預かる。」
「ちなみにさっき言ったことは嘘ですから。」
…意味がわからない。へらへらしていたのは頭がおかしかったから、ここが殺し合いをする場所だとわからなっかたのか。
「は、なにを言ってる。そんなにすぐばらすやつがいるか。なんでばらした。」
「だって嘘吐きだと思われるのは心外ですからね。
それにあなたが少しは冷静そうですから、今言っても問題ないかと。
僕みたいな使える人間を切り捨てるのはもったいないと思いますよ。僕は将棋で例えるなら【王】ですから」
「お前はとことん人を馬鹿にしてるな。まあ、いい。近くの建物にでも行くぞ。お前の名前はなんて言うんだ。俺は式岸軋騎だ」
「串中弔士です。これからよろしくお願いしますね。」
ここに奇妙なペアが生まれた。

しかしこの狂った殺し合いの中で対極的な行動を示した二人の天才はいったいどう動くのか。

【1日目 深夜 B-5】
【式岸軋騎@戯言シリーズ】
[状態] 健康
[装備] 懐中電灯、コンパス
[道具]ジェリコ941@戯言シリーズ、支給品一式×2、ランダム支給品(1~5)
串中弔士のバック
[思考]
基本 家賊といるかもしれない玖渚友どちらを・・・
 1 とりあえず今いる場所を串中弔士と確認

【串中弔士@世界シリーズ】
[状態] 健康
[装備] なし
[道具] なし
[思考]
基本 どんな面白いことがおこるだろうか。
 1 とりあえず今いる場所を式岸軋騎と確認


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― 傍系の病院坂黒猫 ―
― 兎吊木垓輔 ―
― 式岸軋騎 ―
― 串中弔士 ―

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最終更新:2009年07月20日 23:58