地勢
アルディオン大陸中央部、西の
キール山脈、南の
エストネル山地に抱かれた広大な裾野に位置している。
国土は山がちで、河川に恵まれ、内陸ながら水は豊富。深い森林が人々の暮らしを支え、また入植地の拡大を妨げている。
成立
帝紀291年、英雄兄弟の名で知られる
クラウス・アランド、
アイノン・アランドと、二人が率いる10人の勇者からなる
12パラディンがアルディオン中部の山地を平定し、
アランドラ騎士団領を建国。
王国を名乗らなかったのは、皇帝即位の儀式を預かっていた
エストネル氏族を保護していた為と言われている。その際、10人の勇者(の一部)はそれぞれ封土を受け、領主となる。
帝紀304年、初代領主クラウスが崩御。クラウスの二人の息子ではなく、エストネル氏族長エル・ウォーデンが後継に名指しされ、エストネル王国成立。
政治
初代国王エル・ウォーデンが未だ存命であり、名目上は封建制であるものの、エル・ウォーデンによる実質上の専制君主制が敷かれている。
建国英雄達の血筋は一部未だ続いているものの、途絶えてしまった家系も多く、新たに爵位を受けて諸侯となった者達もおり、全体として国王を中心に堅く結束した国家と言っていい。
このような一種異様な結束の背景には、エストネルが担う統一帝授冠の任がある。
エストネルは大陸にある王国の一つではあるが、帝国時代から皇帝の戴冠の儀を担っていたエストネル氏族により統治されており、その役目は未だ続いている。
エル・ウォーデンは自らが統一帝になる権利を主張しない代わりに、統一帝を任命する権利を保持し続けており、無秩序な戦乱が続かないよう大陸を監視し続けている。
エストネル王国には特定の敵対国はないが、逆の見方をすれば特定の味方もいない、言わば孤立無援の状態なのである。その状況が諸侯を国王の元に団結させる要因となっているのだ。
主な収入源は縦横に巡らされた運河を用いた水運貿易。
情勢
エストネルには、特に敵対する国などがなく、外交的には一見非常に落ち着いている。
しかしながら、エストネルの力が衰えて統一帝の任免が出来なくなれば大陸は戦乱に明け暮れる事になるだろう。その時、少しでも機先を制する為に、各国の目が向けられている。
国力的にはレイウォール・グラスウェルズ・メルトランドと言った強国に劣るものの、エストネルが一定の発言権を持ち続けている背景は「
セイン」と「
ノーデンス」にある。
セインというのは建国帝に付き従った神話時代の英雄達の事であり、彼らはこの地に眠り、有事の際には蘇ると言われている。
ノーデンスというのは12パラディンの一人が組織したと言われる秘密結社であり、帝国内の王権に反逆する者、あるいは王の義務を無視する者に対し制裁を与えると言われている。
この二つが抑止力となり、エストネルの発言権を護っているわけだが、現実問題として近代(神話の時代が過ぎ、歴史や記録が客観的に信用出来る時代)になって以降、これらが行使された記録はない。
軍制など
国王や諸侯がそれぞれに騎士を抱え、有事の際にはそれらが騎士団を形成して戦に臨む。
個々の練度は決して低くはないが、装備や用兵ドクトリンは他国に比べ非常に遅れており、仮に単独で他国との戦争になれば大いに苦戦する事が予想される。
しかしながら、有事の際にはセイン達が復活して
聖堂騎士団を形成し戦うと言われていて、非常に畏れられている。
主要な地名
王都。リーデルク湖南部にある干潟を埋め立てて作られた湖上の都市で、無数の運河に囲まれた非常に美しい街である。
王都の北に位置する都市。
統一帝戴冠に用いる「王権の四宝」が保管されており、また聖堂の館にはセイン達が眠っている。
王都からエル川を南に遡上した先にある神殿都市。
意図的に陸路は封鎖され、水路でしか行くことが出来ない。統一帝の戴冠式はここで行われる。
著名人
諸外国との関係
最終更新:2009年06月12日 05:28