クトゥルフの呼び声

クトゥルフの呼び声


 偉大なホラー作家、HPラブクラフトの作品群を背景世界に持つ、ホラーTRPGです。

ルールの配分

 楽しいキャラ作成:★
 深いワールド:★★★★★
 物語性の高いセッション:★★★★★
 疑似体験性の高いセッション:★★★★★
 ゲーム性の高いセッション:★★★★★
 パーティゲーム性:★★★★★
 楽しい成長:

 キャラクター作成の自由度は高めですが、楽しく遊ぶ為のメソッドはわりと固まっています。
 更に最強キャラを作って戦わせるようなゲームでもないので、決してつまらなくないものの、いわゆる「キャラ作成が楽しいルール」ではないでしょう。
 ワールドは名前に反して、実はクトゥルフ神話と無関係でも充分遊べます。ルールの破天荒さがない分ワールドはリアルで、参加者の度量に等しいだけの深さまで掘り下げる事が出来るでしょう。
 セッションは自由自在です。ルールで下駄を履かせられる部分は少ないのですが、その分ルールが邪魔をして再現できないセッションというのもあまりありません。
 いい意味でも悪い意味でも、「参加者次第でどこまでも楽しくもつまらなくもなる」ルールと言えるでしょう。
 キャラクターが生延びた喜びは、他のルールに勝るとも劣りません。しかしながら、キャラクターが際限なく強くなる類のルールではありませんので、成長を期待して遊ぶのはお勧めできません。

所要時間

 ルール把握:★★
 シナリオ作成:★★★★★
 キャラ作成:★
 実プレイ:★★
※これは当然、「慣れ」や「参加者の背景」で変わるものです。目安程度に捉え、自分の基準と異なるからといって、あまりめくじらを立てないで下さると嬉しいです。

 ルールは簡単です。ただし、行為に対してその処理の方法がきちんと定められていますので、どこに何があるかぐらいは把握しておかないと遊びにくいかもしれません。
 シナリオ作成はキモです。ルール側で保証された「楽しさ」がない分、シナリオをいい加減に作るとプレイヤー達はあくびを始め、居眠りや帰り支度を始めてしまうでしょう。
 キャラ作成は迅速です。初めて遊ぶというならGMから多少アドバイスを行なわなければなりませんが、それでも2時間もあれば全員が作り終える事が出来るはずです。
 実プレイ時間はどうとでもなります。煩雑な戦闘ルールなどもありません。ただし、キャラクターが簡単に死ぬゲームですので、慎重になったプレイヤー達がいつまでも相談していて進まない…という事態はあり得ます。

ルールの概要

 3d6やそれに類するダイスを振って能力値を決め、職業を選び、そこから技能や年齢などを決めて大まかなキャラクターを構築していきます。
 判定は1d100の下方ルールで統一されており、非常に明解です。
 主観に過ぎる見解になりますが、戦闘周りは非常にバランスがよく、そこに敢えて「バランスを破壊する恐ろしい怪物達」を盛り込む事でルールの方向性をより分かりやすくしています。

 このルールで最も特徴的なのは、やはり正気度判定でしょう。キャラクター毎に定められた正気度に対して1d100を振り、失敗すると(時には成功しても)キャラクターの正気度は減少します。
 この判定はキャラクターが恐怖に対面した時に発生し、それとは対照的に、出目を見て何故か卓からは笑い声が上がります(笑)。
 こうしてキャラクター達の正気は、おぞましい怪異に触れるたびに削ぎ落とされていき、いつしか恐怖に支配されてしまうかもしれません。
 このルールを冗談めかして「クトゥルフは狂うゲームだよ」という人もいますが、あまりそれは正確ではありません。ソードワールドRPGアルシャードRPGにはHPがありますが、それらを指して「死ぬゲーム」とは言いませんよね?

推奨するプレイヤー

 ホラーやサスペンスが好きな人。
 キャラが手からビーム出したり、熱い台詞を吐いて対決したりするのに飽きた人。
 システムに縛られず、楽しいシナリオを作りたい人。
 ラブクラフトマニア。

関連書籍

ルール
 クトゥルフ神話TRPG
 クトゥルフ・ダークエイジ
 比叡山炎上
シナリオ集
 7つの怪談(日本)
リプレイ集
 白無垢の仮面(CoC帝国)
設定資料集
 H.P.ラブクラフト アーカム
 クトゥルフと帝国
 キーパーコンパニオン(魔道書と呪文、アーティファクト中心の抄訳)
 マレウス・モンストロルム(神話怪物)
参考資料
 ラブクラフトの著作全て
 クトゥルフ神話を扱った著作全て
 小説や映画など、シナリオ構築の種になりそうなもの全て
 ※これはルールを限定せず全ての参考資料ですが、特に有用であるので特記しました。

導入ガイド

 基本ルールブックとなる「クトゥルフ神話TRPG」ぐらいはさすがにあった方がいいでしょう。ルールブックとしては高い部類かもしれませんが、「肌に合わないので一回遊んで捨てた」などという場合を除けば決して割の悪い買い物ではありません。
 古いルールですので、分かるプレイヤーを探すのは容易でしょうし、シナリオも刊行されていたり、ネット上で公開されていたりと、比較的恵まれています。可能であれば詳しいプレイヤーに最初GMをして貰い、そうでないなら付属のシナリオをまず遊んでみるといいでしょう。
 あとは、他の戦闘ゲームのノリでプレイしない事です。それだけでクトゥルフの呼び声を楽しく遊ぶ事が出来るはずです。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年04月01日 19:38