***裁判員裁判における有罪・無罪の評決について
最近,報道されたところによりますと,「裁判員裁判の評決において,裁判官3名と裁判員1名が被告人は有罪であるとの意見であり,裁判員5名が被告人は無罪であるとの意見である場合,裁判員法67条1項の規定(「・・・評議における裁判員の関与する判断は,・・・構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。」)のため,被告人は無罪であるという判断をすることができない。」という誤解をしている方がいらっしゃるようです。
しかしながら,上に挙げられた例の場合には,被告人は無罪とされることになります。
一般に,刑事裁判においては,犯罪の証明があったと認められる場合に有罪とされ,その証明があったとは言えない場合に無罪とされますので,判断の対象となるのは,犯罪の証明があったかどうかということになります。したがって,この場面において,裁判員法67条1項の規定により,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見によらなければならないとされるのは,この犯罪の証明があったという判断についてなのです。
そして,上の例の場合,裁判官3名と裁判員1名が,犯罪の証明があり,被告人は有罪であるという意見ですが,この意見は,裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の過半数の意見ではないのですから,犯罪の証明があったとは認められないことになります。したがって,被告人は無罪とされることになるのです。
最終更新:2007年08月21日 13:26