1213
護衛と従者三つ目upしました。
ちょっと長くなってしまって三つ目で終わる予定だったんですが峠越えあとひとつ続きます。
あと、たぶんどうでもいい話ですが、パソコン変えました。
そうしたらどうもフォント表示?が変わって、明朝体になってしまって、でも別にパソコンで打つ分にはまあいいかとかそのままやってたんですが、コピーペーストして貼り付けたらそのまま明朝体だよどうしてくれよう。
ちょっとなぶってみたんですがダメだなおらんわたしゴシックのほうがパソコンの画面文字見やすいんですがなおらんもう今後このまま明朝体でいいかとか思っている。
読みにくかったらご一報ください。
はくしゅありがとうございます……!
1206
護衛と従者二話目の二つ目upしました。
一応ロワジィが受けた仕事ひとつずつ簡潔で脇役入れ替えのつもりなんですが、
チンピラ男書くのが楽しすぎて困りました。
チンピラは放っておいても勝手にしゃべってくれて行数が埋まる。素敵。
二話目の「峠道」は一応次で完結の予定です。
拍手ありがとうございます!
本当にありがとうございます。
1123
護衛と従者二話目の冒頭upしました。
木馬、というのは「もくば」ではなく「きんま(きうま)」と読みます。
山で切り倒した木をふもとにおろす運搬方法です。
1113
護衛と従者みっつめupしました。
ついでにみっつをひとつにくっつけました。
すこしは長くなりました。
天然はいりまくってるギィがロワジィ翻弄してくれるといいなと思いつつ
でもひとつひとつにアタフタする子供ではなくてなんかわりと諦観はいってるアラサー書きたかったので、
盛り上がりに欠ける。
1105
もののはずみのふたつめupしました。
なかなか本題に入らない。
とりあえずようやく大男がしゃべりました。おそい。
以下、自分がたり苦手な方ご注意ください。
これはわたしのクセなんですが、それぞれの創作のやつとか一応テーマ?的な音楽イメージがあって、
たとえば皇帝と猫さんはDJ Okawariさんの「Luv letter」とかね!
DJ Okawariさんは他にもいろいろ斜め四十五度えぐってくるのでお勧めです。
もうほんとう、音の感じだけで、その曲の背景とかそういうのはまったく知らないんですが、
ロワジィと大男はあれだ、BENNIE Kの「弁慶&牛若丸」です。
歌詞とかじっくり聞きこむとアレレ?になるので本当にざっくりのイメージなんですが、
もうずっと丁々発止的なの書きたいなあと思ってたので、そんな感じになったらいいな……いいなあ
1101
復帰しますとか言って引っ越しだの子供の転園にバタバタしていたらいつの間にか三か月過ぎてたこわい。
二次の先生と司教のイチャイチャが進まないのでとりあえずリハビリがてら創作中編(たぶん)はじめました。
一気にドンと更新しようとするとヘタこくと半年スパンとかなるんで、
ちまちま短めにあげて行こうと思っています。
0813
むずかしい言葉は自分を守ったかい
振りまわす刃は自分を守ったかい
降りかかる火の粉と 降り注ぐ愛情を
決して間違わずに来たとは言えない
二度と誰かを傷つけたくはない
されど自分が傷つきたくもない
互い違いに心は揺れる
(中略)
自由になりたくて孤独になりたくない
放っておいてほしい見捨てないでほしい
風にならないか、という歌の一部なんですが、もうこれずっと十年ほど先生と司教の歌だと思っている。
先生と司教というよりは司教。
さあ続きを書こうと思ったら、七月末より
胃腸炎 → 夏風邪 → 手足口病 → 夏風邪
の連続コンボを兄弟でかましてくれており、え、これいつになったら連鎖終わるの?終わるのこれ?次はなんですか、ヘルパンギーナですか、それともプール熱ですか?
保育園に行っていないのにどこでもらってくるのか経緯が知りたい。
0807
初対面でとりあえず一室に放り込まれてお互いに気まずいのでなにか話しなきゃな、だとかでいきなり、
「貴様の名前は何という、」
「……私ですか?」
「貴様以外この部屋にだれがいるよ、」
「……俺の名前はいっぱいあってな。」
イッパイアッテナ!イッパイアッテナ!
先生通り名おおいですよね。
0801
勢いのままに拍手話更新しましたが、わたしが書きたいのはそこじゃない。
そこじゃないというか、連行さられていった司教と神父のその後です。
しかしあれですね、先生と司教の問題点として、つまるところは、プラトニックなの?どうなの?セクシーなの?キュートなの?ということでしょうか。どうなんですか。もうどっちでもいいじゃないかというわたしと、いやいやその最後の砦は守っておきたいよというわたしが相反している。
あとあれです、どこまで行くとアウトなの?おさわり?おさわりまではいいの?だめ?踊り子さんにさわったらだめ?
なんといったらいいか、浮気をするときに、「心までは浮気してないからセーフ」だとか、「先っぽしか入れてないからセーフ」だとか、まぁそんな感じです。どんなだ。
続きを書こうとしてあたまをかかえて悶々としている。
0730
取り急ぎ拍手変更です。
司教の話?話ですか?なんですか?です。
司教さまはもうその存在がエロい。いいたいことはそれだけだ(キリッ
0727
復帰報告しておいて一切の更新をしないというすいません復帰詐欺のサイトはここです。
ただいまリハビリ文章を打ちこんでおりまして、七月中……いやむりか……お盆まで?にはアップできるんじゃないかなとか思うのですが、いい加減拍手御礼とか変えないともういい加減目が。目がしみる。
相変わらずの司教熱。何が悪いってあの細腰がいけないのだと思います。めちゃくちゃにしてやりたい衝動に駆られる。衝動には駆られるのですが、文字が思い浮かびません。ブランクって怖いですね。
拍手くださった方、メッセージくださった方、ほんとうにありがとうございます。
メッセージとか、ひとりで読んでにやにやしよってこまります。変態じゃ。変態がおる。
どうぞ気長にお付き合いください。
2017.05.15(mon)
何年ぶりですか。
三年とかですか。
月日はハクタイのカカクとか松尾芭蕉さんが申しておりましたが、まさに光陰矢のごとし。
そうしてそうして、三年もまっっっっっっっっっっっっったく更新がなかったにも関わらず、見に来てくださった方、
拍手してくださった方、
メッセージくださった方、
本当にありがとうございます。
本当に本当にありがとうございます。
もう本気でなんべん頭下げても足りないくらい、嬉しいかつありがたいです。
更新速度はカブトムシの徐歩行よりもなお遅いとは思いますが、そろそろ書きたいです。
というか仮にやめるとしても、自分の中でとりあえず
●ヘルシングの先生と司教の書きかけ
●お嬢と騎士の書き直しと最後まで
これだけはやり切らないと気になって仕方ないので、
ていうかこの期に及んで司教が
大好きすぎて床転がりながらエロ親父的なグヘヘ笑いを立てたい気持ちでいっぱいなんですがどうなんですかね?
ヒラコーは本当に罪作りすぎ。
ひとまず自分がどげなものを書いていたのか確認する意味で一昨日から読み出しました。
皇帝と猫はよんだ。
下僕魔物もよんだ。
初期のころの傭兵と~とか、公女~とかはおそろしくてページ開く勇気がありません。まあこれは完結しているからいいです。
ヘルシング途中です。
途中ですがとりあえず司教の服の前ボタンを上から順にプチりたい気持ちでいっぱいです。
次更新がいつになるか明言できないあたりがアレですが、復帰報告まで。
追伸。
小説書くのに使ってたノートパソコンが白い煙りをあげたので週末パソコン修理に出してきます。
1005 次で先生が出てくる(はず)。
赤ん坊をわたしに渡して、そのひとはさっさと建物のどこかに行ってしまって、わたしは渡された瞬間からいきなり火のついたように泣きはじめた赤ん坊にかかりきりになった。えーもうどうしたらいいのって思う。
わたしは女だけれど、子供の扱い方なんて知らない。そもそも、ここは孤児院ではあるけれど、乳児院ではないから、こんな小さな赤ん坊を育てる施設じゃあないのだった。でも、捨て置かれた子供をそのままにしておくわけにはいかないし、乳児院への連絡だとか、まったく、のんびり院に顔を出しに来ていたわたしに降ってわいた災難だった。ほんとうにその子供は捨てられていたのですか、捨てられたとあなたはどこで判断しましたか、いったいどんな状況で?電話の向こうから乳児院の担当者がわたしに聞いてきたけれど、見つけたのはわたしじゃないのだからどうにも説明がつかなくて、そうでなくたって、説明することが極端にへたなわたしにもとめられても困るというもので、こうした、とっちらかったやり取りをするのが面倒だったから、マクスウェルはわたしに押し付けてさっさと自分はどこかに行ったのだな、思うと心底恨めしい。そうしているあいだにも泣き喚く赤ん坊の世話だとかで、これがまた、わたしの要領が悪いのか、赤ん坊は泣くばかりで、すっかり時間を取られてしまった、器用にそつなくこなすハインケルがここに居ればよかったのにって思う。任務のときは一緒に行動することがほとんどだけれど、銃の手入れがあるとかで、今日は別行動をとっていた。
ああ、もうほんとう、無理にでも連れてくればよかった。
ぐったり疲れてひとまず電話の受話器を置いたころには、窓の外はうす暗くなっていた。赤ん坊は泣き疲れたのか眠ってしまって、子供たちの食事の用意の終わって職員室へ顔を出した寮母さんが、あまりに要領の悪いわたしを見兼ねたのか、乳児院からの迎えがくるまで見てくれることになって、そうしてわたしはようよう解放されたのだった。
解放って言うとすこし聞こえが悪いのかな。でも、当たり前のように赤ん坊の世話をしてる世の中のははおやってものをあらためて尊敬する。
世話できるって、普通なのだろうか。町を歩けばあちらこちらに子供を連れた母親を見かけるし、彼女らは極々当然、と言った顔で泣いたり、ぐずったりする子供をあやしていたりする。母性本能だとか言うけれど、産んだだけで湧いてでてくるものなのだろうか。だとしたら、その本能がはたらかない母親は、人間としてちょっとどこか欠けているのだろうか。
ここにいる子供たちのははおやは、ひととしてどこか壊れてしまっていたのだろうか。
わたしのおかあさんは、わたしに鉈を振りおろしてみせたから。
1004 Nさんから
なんか二か月音沙汰なくない?とかメール貰ってははいやいやまさかそんな、せいぜい半月程度でしょうって気付いたら二か月たっておりましたえっなにこのディオ様攻撃というかディオ様っていうよりどっちかっていうと早送りだからディアボロ?
とか言っているポエミー☆です。相変わらずですすいませんほんとうにご無沙汰になっております。
いやもうほんとうに朝から晩まで坊主に付き合ってたら一日終わってるんよ……
先生。おれ、小説が書きたいです。
そうでなくともそのひとが、ひとりで外出するなんて、結構めずらしいことのように思われた。どうしたってそのひとが持っている情報というものは、秘匿厳守だとか非開示契約だとか、なんだかとてもむずかしい、後ろ暗そうな言葉がたくさんつくものばかりで、いま言ったみたいに、拉致してでもほしいやつらにとってはほしい情報だったから、いくらでも無茶のきくヴァチカン内ならともかく、ローマの郊外にお供も連れずにいるなんて、絶対に他の課がいい顔をしない。
しない、というかたぶん全力で止めると思う。でも、そのひとがそうしてひとりでいるというのは、なんだか珍しいことなのに、当たり前のようにも思えた。どうもそのひとがほかのひととつるんでいる図というのが想像できない。誰かと肩を組んで莫迦みたいな話をしながら笑い転げるだなんて、そのひとのいままでの生涯にあったのかしら。
昔からそのひとはひとりでいることがとても多かった。院にいるときからずっと、そのひとは自分の居場所を図書館に定めて、いつ行ってもむずかしい本ばかり読んでいた。周りに誰も寄せ付けず、というか寄せ付けないようにたくさん本の壁をつくって、見ているこちらが気の毒になるぐらい、必死に拒絶していた気がする。
ひとりにしておいてほしいそのひとと、孤独を極端におそれるそのひとが入りまじって、ぐらぐらに不安定で、でもそのことに誰も気づいていなかった。気むずかしい子供だから、たぶんそんなぐらいに思っていたにちがいないのだった。面倒を見てくれた先生たちも、同じ院にいた子供も、誰ひとり近付こうとしなかった。でも、わたしは気付いていた、気付いていたけれど、なにもしなかった。わたしなんかじゃなにもできないと思って、見ているだけでなにもしなかった。だから結局、その他大勢と一緒。
久しぶりに見たそのひとは、玄関口から出たわたしを見て、おや、というように目をすがめてみせた。なんでお前がここにいるんだ、という疑問が一瞬目の中に流れて、ああでも、お前がここにいるのは何らおかしいことじゃあないな、お前はこの場所も、この場所にいる教誨師らにも、懐いているものな、その結論まで一瞬。見ていてちょっとおかしい。考えが読まれているよって言いたくなる。でも、そんな顔をするのは、そのひとがここだけ、そうしてわたしとハインケルにだけっていうことをわたしは知っていた。
近付きながらわたしは、マクスウェルが腕になにか大事そうに包みを抱えていることに気がついた。こわれもの、ちいさなもの、保護すべきもの、やわらかくて重みがあってあたたかなもの、石でできたようなマクスウェルとは正反対に思えるその、
「――これで何人目なのだろうな、」
生まれたばかりに見える赤ん坊をのぞきこんで、マクスウェルが頬をゆがめた。笑おうとして笑えなかったのかもしれない。何人目。数の中にはわたしやハインケルや、そうしてマクスウェルも入っているのかなってちらっと思う。
様子をうかがったらあっちもわたしを見ていて、そこまで自虐になっていないぞってたしなめられてしまった。考えが読まれているのはわたしも同じ。
でも、そのひとが呆れたようにすこし笑ったので、それだけでわたしはうれしい。
「け、けど、ほ、ほんとうに、」
捨てられたのかな。
「――孤児院の植え込みの陰にひとりじゃあ生きていけない赤ん坊を置いておいて、他に目的はあるか?」
わたしが言うと、そのひとは今度は本気であきれたように顔をしかめた。しかめながら、ああ、爆発物を仕込むだとか、盗聴って言う線はなくもないのか、そんなことをこともなげに言う。わたしは赤ん坊に爆発物、と聞いただけでぎょっとして、え、と思わず声を漏らすと、横目でこちらをちらっと見て、
「ばぁぁぁぁか。」
マクスウェルは本気で莫迦にしたようにわたしを鼻で笑った。
0813
全国子供電話相談室
Q:なんだか更新日時が開いていませんか?
A:坊っさんの稼働時間が延長されたのです。(昼寝しない……)
そのときからまたずいぶんと時間は経っちゃったけれど、今日わたしは久しぶりにそのひとを見て、そうしてああピエタに似ているって、思ってはいけなくても、思ってしまったのだった。
わたしは、マクスウェルを見るときはいつもひさしぶり、という感慨がわくような気がする。でもそれってよく考えると、任務以外で彼と接することはまずないし、わたしたちの仕事は、一度出向するとヴァチカンに戻るのにひと月ふた月かかることもあるから、当たり前の感覚かもしれない。
久しぶりに見たそのひとの顔はやっぱりとてもきれいだった。
淡く黄味がかった灰白色の外套をきて、いつもひっ詰めている髪をゆるく結んで垂らして、顔も、中身も、そのひとだとわたしは知っているのに、見た目がちょっと違うだけでなんだか知らないひとみたいでどきどきする。折からのならいに吹かれて、寒がりのそのひとはからだを固くしてすこし寒そうにして、そうして腕になにか抱えていた。大切に抱いているように見えた。そのポォズがあんまりさまになっていて、余計にわたしはマリアさまだと思ったのだった。
そのひとがフェルディナントルークスに姿を見せるだなんて、とてもめずらしいことだった。わたしが知っているかぎりだと、前にマクスウェルが掴まったとき以来だ。掴まる、というと、なんだか大げさなことのように思えるけれど、文字通り彼は掴まったのだ、そうして掴まった経験が一度や二度ではないほど、彼の在する居場所はあやういのだった。
彼の識っている情報を引き出そうと頭をぐちゃぐちゃにされて、いっときは、なんだか見ていて気の毒になるほどふわふわと頼りない感じになってしまって、そのとき、フェルディナントルークスに身を置いていたけれど、そのときくらいしか、わたしはそのひとがここにいるのを見たことがなかった。
0808
全国子供電話相談室
Q:アンデルセン神父って言葉、いつになったら出てくるんですか?
A:気にしたら負けです。
そのひとの顔はちょっとピエタに似ているとわたしは思っている。
世界中のいろいろなところに、いろいろな芸術家のつくったピエタがあるけれど、わたしの所属しているヴァチカンには、たぶん多くのひとたちが、ピエタ、と聞いたときに真っ先に頭に思い浮かべるであろう有名なミケランジェロのあれが展示されている。ここに来る観光のお客で、あれを見ないで帰るってひとはほとんどいないのじゃないかしら。
ヴァチカンの、表の顔の代表。
裏の裏の裏、とでも言ったらいいか、実際存在しているのに「ない」ことにされている十三課のわたしたちとは、きれいに対照的な存在だとも思うけれど、あの有名なマリアさまと、自分たちを比べるなんておこがましいと神さまから怒られてしまうかもしれない。
比べるだけでも怒られてしまいそうなのに、マリアさまに似ている、だなんて言ったら、天罰くらいかるく下ってしまいそうな気もするのだけれども、でも、あ、似ている、とそのひとを見たときに思ってしまったのだからしかたがないようにも思う。
とくに、しばらく姿を見なかったそのひとが、十三課のまとめ役になるにあたって、所信表明とでもいうのか、先に配置されていたわたしたちを前にして、棘だらけの嫌味とも釘刺しともとれるようなお説教を五分ほど垂れたのだけれど、その欠伸がでるようなお説教がふと途切れた一時、こもった空気を半ベソ顔で吸って吐いているようなわたしたち十三課の局員を見回していったいそのひとはなにを思ったのか、はっとちいさく息を飲んだ間があった。たぶん、お説教を聞いていた局員の誰も気がつかなかったと思う。それくらいのちいさな間。わたしや、ハインケルだけが気付けるような、ささやかな気の緩み。そのゆるんだ気の合間に、たしかにわたしは愁いを見た。
久しぶりに見たもとから色の白いそのひとの顔は、何年も陽にさらされていなかったようにますます真っ白になっていて、なんだか石みたい、とわたしは思ったのだ。
血の流れまで透けて見えそうなうすい膚。
でもきっとその血の色は、不恰好に騒々しい赤色ではなく、つめたい青だ。
雨にさらされうち捨てられた、墓石の色と同じ。
0802 とりあえず長くなりそうな
説明しようとしてずいぶん長くなっちゃったけれど、つまり、置いてゆかれるのが死ぬほどきらいなこのひとが、犬が死んだ夢をみた、とかひょいと何気なく口にしたとして、わたしがどう返事すれば一番いいのか思いつかなかったとしてもしかたがないように思う、ということが言いたかったのだ。
泣いたのかな。
目の前のうねった金髪を見ながらそう思う。
わたしは、たまに、悲しい夢を見たりして夢の中で泣いて、その夢の中で泣いた自分の声にびっくりして起きることとかもあるけれど、たいてい、目がさめてああ夢だった、いまのは現実じゃない、よかった、だとか思っているあいだに、目の前にあった夢の切れ端がすいすいと遠くに流れて行ってしまって、涙をぬぐっているうちにあれいったい今どんな夢をみていたのだっけ、なんて思うことが多くて、悲しい夢だったということはおぼえていても、それ以上おぼえていることが少ない。夢なんだし、べつに覚えていたところでなにも自分にもたらさないかもしれないけれど、でも、さっきまでたしかに掴んでいたものが、指のあいだからこぼれてしまう感じで、なんとなく尻座りが悪くてもやもやとする。
「――寝ていたはずのそいつのわき腹に耳をつけて、」
意外ですとこたえたっきり、わたしが黙ったままでいると、そのひとがまたぽつんと呟いた。
「聞こえるはずの心音が、もう聞こえなくなっていて、」
でもまだからだはあたたかいんだよ、だからもしかすると俺の聞きちがいなんじゃあないのか、こいつは眠っているだけなんじゃあないのか、
「何度も何度も確認して、……」
ああ、このひとはたぶん泣いたのだろうな。
そうわたしは思った。
うす茶の毛が泣いた頬に貼りつくさままで目に浮かぶようだった。
0731
わたしが所属する十三課の局長と、わたしや相方のハインケルは、同じ孤児院で育った。育った、といっても院に先に入っていたのはわたしたちだったし、マクスウェルがきたのはもう最後の二年くらいのことだったから、何年も何年も一緒に院にいた他の子にくらべると、ずっと一緒、っていうわけでもなかったし、とくだんこのひとと相乗したってわけでもないのだから、育ったというよりは、いた、と言いあらわしたほうが正しいのかもしれない。それぐらいの関係でも、会話だとかの底に流れる親しみやすさみたいなものは、なんとなく互いにあって、このひとが見せる、ちょっとした油断みたいなものも、その親しみやすさからきているものなんだろうなって思う。
たとえばわたしやハインケルとどうでもいい話を話しているときだけ、俺って言うとか。
それってとても些細なことで、他のひとにしてみたら、だからなにって言うレヴェルのことかもしれないけれど、いつもがちがちに理論武装しているこのひとからしてみたら、ものすごく重要なことなのかもしれなかった。
そうして、その湿気ている雰囲気が、話の続きを聞いても冷たくあしらわれずに応えてくれそうな気がしたので、どう聞こうか迷った末に、犬ですかってわたしは言った。
とても平凡な聞き方。
でも、どう考えたって、このひとが犬だとか猫だとかを可愛がるようには思えなかったから。
可愛がるようには思えない、というのとはちょっと違うのかもしれない。
わたしが勝手に思っているだけかもしれないけれど、もしかするとこのひとは、もとのもとの芯の部分はものすごくもろくてよわいひとなんじゃあないかって気がしていて、だってたぶん孤独だからこそ、わたしやハインケルに気を許している部分もあるんじゃないかとわたしは思っていて、だから余計にがちがちに、堅く、高く、周りの礎の部分をかためてしまっている気がしてならないのだけれど、たとえばフェルディナントルークスでも年に一、二度、拾ってきてはいけませんよと院の先生たちにきつく言われていて、見つかったら怒られることはわかっているのに、犬とか、猫とか、巣から落ちた鳥とかを拾ってきて、こっそりベッドの下だとか、裏庭の用具倉庫の陰だとか、院の中で先生たちの目が行き届いていない場所なんてないのだから、絶対にすぐ見つかるのがわかっているくせに、隠れて世話をしている子たちがいるのだった。
世話といっても、水をあげたり、パンのかけらをあげるくらいのことだったのだけれど、犬猫を拾ってきたことに気付くのは、先生たちよりもマクスウェルが先で、そうして、気付くと必ずすごく怒って、その子たちに莫迦かと言うのだった。
集団生活のルールを守れないような人間と同質であると思われることが心外だ、とか言っていて、そうして、誰もいないときに犬や猫をどこかに棄てに行ってしまったりして、拾ってきた子たちからものすごい目で睨まれたりして、なにさまなんだよとか言われたりしていて、拾ってきたのが女の子だったりすると、その子は泣いてしまったりして、そうして、そうやって泣く女の子はきまって、自分がいけないとされている犬や猫を拾ってきたことは内緒にして、マクスウェルが嫌がらせをしたということだけを先生たちに告げ口するのだった。
夜、先生に呼び出されて懲罰室へゆくこのひとの背中を、何度もわたしは見た。
わたしは一度も犬や猫を拾ってきたことはなくて、でもそれは、先生たちから拾ってきてはだめですよと言われたからそれを守っていたわけではなくて、ほんとうはわたしもあのふわふわしたかたまりをさわりたくて仕方がなかったし、自分だけの「特別」ななにかがあったらいいなって思ったりもしたから、もし棄てられていたりしたら拾ってきてしまって、マクスウェルからすごい目で見られたにちがいないけれど、あいにく、どんなに探しても、わたしの探しかたが下手なのか、一度も犬や猫が棄てられているところを見つけたことがなくて、だから拾わなかったというより、拾えなかったという方が正しいのかもしれないけれど、このひとはうまいこと勘違いをして、お前はわかっているな、だとかあるとき言ったこともあるくらいだった。
言われて、わたしはどきどきしながら黙っていた。だってほんとうは、このひとに褒められるほどいい子じゃあなかったから。
そうしてそのときはよくわからなかったけど、このひとは実際のところ、集団生活のルールとかどうでもよかったのじゃないかって、いまは思う。
きっと傍で死ぬのが厭だった。
たいてい、棄てられているのは、まだ乳離れもできていないような子犬や子猫で、それにパンと水だけあげて隠れて飼おうとしたって無理な話で、拾ってきたふわふわのかたまりはすぐにがりがりに痩せて、弱ってしまうのだった。こっちがびっくりするぐらい、一日か二日で震えて丸まって動かなくなってしまって、そうしてそうした犬猫を見つけては棄てに行くこのひとの唇をゆがませたのは、軽蔑や、嫌悪や、罪悪感ではなかったのだと思う。
かなしみ。
言葉にしてしまうとどうも陳腐な台詞にしか聞こえてこないので閉口してしまうけれど、このひとが歯を食いしばったのは、何重にも綿で包んで隠したその感情だった気がする。
弱って、死なれるのが厭だったんだ。
0730 カツを揚げたりいれたり
自分自身のしりっぺたひっぱたくために、日記にちょこちょことかけた分だけのっけていって、ある程度できたらまとめることにしました。そうしないと本気でこのままあけましておめでとうございますとか言ってそうでこわい。
ヘノレシングの、犬との約束の10個目の奴です。
<わたしが死ぬとき、お願いです、そばにいてください。
覚えていてください。わたしがずっとあなたを愛していたということを、>
犬が死ぬ夢をみて起きたんだ、だとかそのひとはいきなり言った。
犬といっても比喩によくある忠実な部下のそれじゃあないんだ、正真正銘、ふさふさとしたうつぶし色の毛を生やした四つ足のやつだよ、黒い目が鬱陶しいほどこちらを見つめてかわいかったな、そのひとは続けてそう言っていたけれど、たまたま側にいて聞いていたわたしに言わせてもらえば、そのひとの見た夢に犬がでたかどうとかよりも、えー、このひとでも夢をみることがあるんだ、ってびっくりしたのだった。
勝手な思い込みだけれど、なんだか夢を見そうな人に思えなかったから。
寝ているときはいつも死んだように、っていう言い方がぴったりの、息をしているのかどうかたしかめないと不安になるくらい、なんかもうほんとうにぴくりとも動かないで寝ているから、悪いけど、普通のひとみたいに寝て、そうして寝ている中で夢をみることもあるんだってそんな風に思って、このひとも普通のひとと同じようなところがあるんだなって感心して、でも、そんなこと口に出したら、ぜったい、ごめんなさいって謝りたくなるくらいものすごい嫌味がかえってくることはわかっていたから、わたしはへえ、とだけ言った。
ほんとうはもっと、上手なかえし方とかあるのかもしれないけど、そんなかえし方をわたしは知らないし、もし知っていて使ったとしても、やっぱり嫌味みたいなものがかえってくるような気がした。わたしたちの上に立つひとはそういうひとだった。
そのひとはこっちをちょっとだけ見て、意外なんだろうって言う。
言いながらすこし笑っていた。苦笑いだったのかも。
うわあ、結局読まれてるってわたしは思って、どきどきして、意外ですって本心をかえした。だってほんとうにそう思ったから。
意外なのかあ、とその人は言った。機嫌は悪くなさそうな声だった、
俺でも夢をみることはあるんだぞ、とその人は言った。
言った背中がちょっと、なんだろう、さびしそうともせつなそうとも違う、でもなんとなくしんみり湿気ているような気がして、あ、とわたしは思う。
0711 とりあえず
一日一行でも、三日で十行でも書けばそれなりにまとまるんじゃあないかと思いつき、しかしいったい自分が何を書いたのか確認するために読みなおし作業に入りはじめました。
二次創作の話です。
わたしこんなの書いてたんですね。
二年もたつとわりと忘れておりました。
とりあえず十編くらいは目を通しましたが、数ありすぎだろとか思いました。読み終わるまでに数日かかりそうだよ。誰だよこんなに書いたの。わたしだよ。
0710 五部g嗚部gおぶごぶご
ご無沙汰すぎて鼻毛が伸びそうです。もうどうしよう。どうしてくれよう。どうしようほンとこれ。
とりあえず申し訳ないのでトップにおことわりを入れておくことにしました。
日記だけはチマチマと更新できるとよいのですが、それも定かではない。
0605 びっくりしました。
思いっきり更新できておりません。
なんか、60日以上更新がないページに広告、はじめてやらかしました。アイヤー
書きたい意欲は十分にあり、ネタも脳内小人さんがストックしてくれておるのですがいかんせん時間が取れません。
あれですか、トップページに当分凍結とか書いた方がよいのかしらとか悩むレヴェルです。去年までの怒涛の更新が懐かしいです。
そんな悩みを抱えつつ坊っさんは八か月になりました。はいはいしよる。
むかし子持ちの友人が、「チャーハンつくるのに二時間かかった」という話をしたときにいやいやそんな大げさな、だってチャーハンでしょうとか思ったわたしは雷に打たれていいです。今なら言える。二時間かかると。
0328 布おしめ
を使っています。前に日記に書いただろうか。どうだったろうか。忘れました。
使っていると知られると、かならず相手から、「すごいね、頑張ってるね」とかお褒めの言葉をいただきます。しかし自惚れとか一切なしに、わたしはどのあたりががんばっているのか本当に判らん。
はじめるまえはよほど洗濯が増えると覚悟しましたが、しっこおしめはそのまま漬け置き、うんちだけちゃちゃっと水で流し洗って漬け置き、で、溜まったら絞って洗濯機に入れてスイッチポンです。せいぜい洗濯回数が一回増える程度で、旦那さんが大量に汚れもの作業着をだすよりも相当楽です。
干すのもたたむのもたいした分量でもなし、それよりわたしは紙おむつを溜めておいて燃えるごみの日に生ごみ以外にもう一袋もって、雨の日も風の日もゴミステーションへ向かう方が大変だと思っています。でもこれもやったら大変でもなんでもないものなのかもしれません。
晴れた日におしめの角ハンガーが風にフワァと揺れるさまは、わりと幸せな気分になれます。洗濯物が乾くって気持ちがいいですね。
0322 もはや
ご無沙汰しております、が定番のあいさつになりつつあります。こんにちはポエミー☆です。
坊っさんのスタミナが日に日にまし、三十分くらいのお散歩じゃ家で飽きてワーワー言うようになりましたが、9キロの大台に乗った彼をベビーカーなしで背負いまくるというのもなかなかの筋肉トレーニングです。腹筋とかそのうち割れたりしないだろうか。しませんね。
そろそろあたたかくなってきそうなので、ベビーカー買おうかと思います。雪国、いままで寒くてくっついてる方があったかいから買わなかったのよ。
なんだかんだ言っても坊っさんは男なので、そのうちちゅっちゅしたくなったって「うるせーばばぁ」とか言われるようになるのだと思うと、いまのうちちゅっちゅしまくっておかねばならぬと心に決めている次第。とかやってたらちょっと寝のときくっついていないと絶叫マシンと化するようになってしまいましたが、どうしてこうなった^^
小説のほうはちまちま書いております。一年に一本くらいの速度じゃないですかこれ。もう破壊的なほど更新速度がゲキ落ちですが、そのうち……三、四年くらいしたらそのうち……とかそれくらいののんびりゾウさんの鼻よりもながーーーーーーーーーーーーーーーーーーい目で生温かく見守っていただけると幸いです。
とりあえず魔女っぽいものをひとつしあげてしまいたい。
しかしわたしが書くとどうも魔女じゃなくなった。
>>拍手いつもいつもほんとうにありがとうございます!!!
コメントくださる方も、そうっと釦だけ押して行ってくださる小人さんのような方も、もうまとめてちゅっちゅです。ありがとうございます。ありがとうございます。
0307 雪で作るしかなかった形見あなただけは抱いて
先生……小説が書きたいです……
昔小学生のころ登下校のときひとりでぶつぶつと脳内物語を呟きながら歩いていたあやしい人間が成長した姿がここにありますが、最近わりと真面目にレコーダー買おうかとか思っているわたしがいます。
夜中とか坊っさん起こさないようにちいさな声で頭の中で考えた文章ぼそぼそ喋るの。そんであとでワードに書き起こすの。
やばい。人としてあぶない。
0223 みんな~
→ あのこちらを向いて走ってくるモビルスーツのAAを想像の翼を広げてまぶたの裏に思い描いてください
(うまくペーズトできなかったのはないしょです)
2ページかけたよー
ひと段落してからアップするべきか、もういっそこの2ページだけアップしてしまうか悩みます。
0219 言いわけは良いわけ?
とかなんとか一週間内にうpするとかのたまってこのありさまですホーゥ♪
おかしいですね。ポエミー☆さんの一週間って、月火水木木金金なんでしょうか。
いやね、書こうとしているんです。でも書けないんです。ネタがー、とか、展開がー、とか、そんな高尚な悩みではなく単純に坊っさんが寝ない。まじ寝ない。夜は寝てくださるのですが昼寝ない。というか寝なくなって稼働時間が延びました。いままでおっぱい飲むと20分くらい寝てくださっていたのに、飲んでも寝ない場合が増えて、パソコンに向かう時間って言えば朝四時半頃起きて朝ごはんかっ込みながら眺める15分くらいですやったねポエ☆ちゃんちなみにここまでの文章書くのに二日かかりましたフワーイ。
とりあえず、男と女の名前は決定しました。
流れもだいたい決まった。
あとはキー打つだけなのですが、坊っさん次第です。下品な話で申し訳ないが、早飯早風呂早糞がノルマになりつつある。これから坊っさんがうごきはじめるとさらに激化するとか、もうわたしもおまるお尻にあてながら日常生活した方がいいかもしれません。
0211 だめだこりゃ
超然とした男と、超然とした女の、起承転結のない淡々とした話を書こうとしたら二ページ目で行き詰まり小人さんにハナから変更しろよと忠告されました。
おはようございます。ポエミー☆です。
そういえば小説とはまったく話題は変わりますが、息子をヒリだしてから半年、ヘアーセットなるものは放りっぱなしで、いい加減、乞食みたいになってきたので美容院へゆきました。で、パーマかけようと思っていたのでパーマも頼んだのですが、細かいロットで巻いてほしかったので、イメージ的にアレだ、指輪物語のフロドみたいなくりくり頭でお願いしますといいました。ところでわたしは以前もこまかめのパーマかけておったのですが、カラーはほんとうかうそか知らないが、子宮に薬剤が溜まると聞いたことがあり、結婚してからカラーをやめてしまったので、現在まるで茶髪要素はなく地毛の黒々とした状態です。今後もとりあえず次の子供をにこにこ家族計画的に確実に作らないとなるまでは黒毛で通すと思いますけれども、ここまで回りくどくなにが言いたいのかと申しますと、
真っ黒なままでフロド的くりくりパーマをかけると破壊的な髪型になるということにすべて終わってから気がついた
ということです。なんというか今やってる朝ドラの、ムロツヨシが演じている竹本教授ににている。あまりに似すぎていたんで、美容院で教授の「がっかりだ!!」の台詞をリピートし美容師さんときゃっきゃ盛り上がりましたが、家に帰ってきてそれよりもっと何かに似ているような気がして二時間ほどときおり鏡を眺めては悩んでいたのですが、そのうちに気がつきました。
いかりや長介が全員集合のときにやってたコントのおかんのカツラだわこれ
でもわたしは貧乏性なので、一万円かけて巻いたパーマを戻す勇気もありません。そのうち伸びるしなんとかなるだろうと楽観することにしました。
でも鏡を見るたびにいかりや長介のおかんにしか見えなくて困る。
0209 あけましておめでとうさえ言っていなかった
毎度おひさしぶりです、とかご無沙汰してます、とか更新があばばばばすいませんとか言っているような気がします。ポエミー☆です。
一日って何で二十四時間何だろう、とか、いっそ四十八時間あったらいいのに、とか、若いころ、やりたいことがたくさんあるときにそんなことを思ったことがあったような気もしますが、いまわたしが思うことはと言えば、一日は二十四時間でまったくもって構わないので、とりあえずわたしが二人いたらいいと思っています。でもって、わたしが赤さんの世話と家のことするんで、もうひとりのわたしにこの脳内妄想のいろいろをかたちにして出していただきたい。夜、赤さんを寝かしつけるときに、あ、こういう書き出しでいこう、とか、あの続きはこうしよう、とか、いろいろ思うのですが、朝起きるとものの見事にリセットされています。本気でわたしの頭の中の消しゴム。じゃあ寝かしつけるときに早めに赤さんを寝かしつけて、自分はそののちこっそり起きて、パソコンに向かえばいいじゃないのよとあなたは言うかもしれません。しかし、湯たんぽと眠くなった赤さんのぬくぬくとした体温の半端ない破壊力をあなたはきっと知らないのです。一緒に寝てしまう。
目がさめると真夜中です。もう寝るしかないです。
とかまあそんな感じで四か月ほど経過しちゃったのですが、ちょっと最近「魔」という言葉の付く女のひとブームといいますか、そんなんがわたしの中におこっておりまして、ていうかぶっちゃけN氏に感化されただけとも言いますが、とりあえずダークソウルとかデモンズソウルとかああいうおどろおどろ的な世界にでてくる魔法が使えるんだか使えないんだかわからない女のひとがでてくる話がかきたい症候群。書きたい、書きたいと言っていても進まないので、手を付けることにしました。
オッサンと幼女はどうすんの、とかあるんですが、できるところから始めていったら、自然に落ち着くべきところに落ち着き、片付いていくんじゃないかなとかえらそうなことぶっこいてみました。それ単に風呂敷広げただけとか言いませんか。言いますね。
あと、ちょっとオッサンと幼女に関しては、設定を変えて書きなおすかもしれない。というかその線が濃厚になってきた。どうも、年をとって、ひとの生き死にに接するようになってくると、簡単に登場したひとを殺せなくなってきてしまいました。ひとがひとり死んだとき、周りの人が受けるダメージというのは目にみえないし、すぐに表にでてこなくても、やっぱり相当なものがあるものだと思います。
まるくなったと言いたいがたぶんヘタれただけなのかもしれない。
唐突ですが、100万回生きたねことかも、むかしはへー、ふーん、なんかおかしな話だなぁくらいの感想だったものが、周りの連れ合いをなくした人間を見ていくうちに、あのねこの、白い猫がうごかなくなったときに腕に掻きいだく場面にズガンとやられるようになりまして、読んだらぜったい泣いてしまう。二十代半ばくらいまでは判らなかった感情です。
えっと、ずいぶん話が脱線しましたけれども、そんなわけで、ちょぼちょぼながら活動を再開しようかなとか、そういう報告なわけですが、そんなこと言ってまた間があくのもあれなので、壮大な長いお話じゃあなくて、ちまちま短編であげていこうかと思います。起承転結とかきっとない。
ひとまず来週あたりまでに、一本の半分でもいいんで、うpできたらいいなと思っています。ていうかしろ。
1221 犬とわたしの10の約束
ひさしぶりに更新しようと思ったら、前回より半年間が開いていて戦慄を覚えましたギャース。
すいませんとかあやまって許されるレヴェルじゃないですね。半年何してたの?こまめに更新するって姉さんと約束したでしょ?本当にそのかばんに五千万円入ったの?
すこしずつでもすすめろよと小人さんも言っています。とりあえず、次は、犬との約束10を仕上げて、うだうだっている司教と先生の関係をどうにかして決着をつけたいです。どうにかなるのか。
1130 ぼおおおおおおおん
N氏のところでなつかしい題名を見かけました。「I was born」。わたしの世代は、教科書に載ってはいなかったのですが、学校の期末テストかなにかで先生が応用問題としてわら半紙に載せ、その内容に衝撃を受けしばらく問題用紙の半紙が黄色く変色するまでは保管しておりました。
「I was born」。
手元に詩はないが、たしか少年は父親にこう言ったはずです。
「人間は生まれさせられるんだね。」
それを受けて父親が話すのは、蜉蝣のメスの話。
「卵。」「切なげだね。」
顕微鏡をのぞいた友人と父親の会話です。
このあいだ、NHKのダーウィンがきた、かなにかでエジプトイチジクに産卵する蜂のことをやっておったが、それを見ていたときにふとこの詩をおもいだしていたことを思い出しました。
産卵するために生まれ、終える。
なんのために生まれたのかだとか、自分の人生の価値はだとか、死ぬまでになにか為せるだろうかだとか、考える間もないほどあっちゅうまに死ぬ。
あのひとらのいきざまはあまりにシンプルで壮絶です。
1107 そして乳になる
だいぶん長らくご無沙汰しておりました。
更新おっぽらかしており申し訳ない。
9/30に3790gのちんこ太郎を無事に出産しまして、現在ひと月とちょっとです。とりあえず母子ともに元気に過ごしております。一か月検診で5キロ超えてくださり、周りのほかの赤子が三キロほどのかわゆらしい中、ひとり「豚 丸夫」、的な名が似合いそうなどでかさ、たのもしいやらもうちょっとゆっくり大きくなってもいいのじゃよーと思うやら、なんやかんやバタバタしていますが、出産を経験してみてわたしがとりあえず言いたいことは、
マサイ族の女は立ったまま赤子を産み落とすと聞いたが、わたしには無理だ
ということです。ありゃ無理だ。
寝ていたい。
陣痛の痛みは生理痛の強いやつ、という認識に間違いはなかったですが、続けていらっしゃるあのいきみ、というやつがあれほどプルプルするものだとは思いませんでした。立っていると、脚が生まれたての仔馬のようにプルップルにふるえるのよ。
マサイ族すごいですね。あらためて尊敬しました。
「あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。
だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい。」
という、ネイティブアメリカンの言葉があるそうです。
数年前の父の葬儀のときに、その言葉を知って、後半の意味をしばらく考えたことがあります。もう動かなくなった父は、棺の中でおだやかに笑っていた。
今回産んでみて、実際に分娩室で赤ん坊の泣き声を聞いたときに、前半部分をふと思い出し、このひとつき折に触れては前半を思う。
わたしはなにかを残せるだろうか。
しあわせに、生きていってくれるとよいなと心から願います。
最終更新:2017年12月13日 23:09