前古典派
- 市民革命によって音楽文化の担い手が王侯貴族から都市市民へ
- 啓蒙主義思想に基づく理性の時代。「わかりやすさ」を求める傾向
- ポリフォニーからホモフォニーへ(ギャラント様式)
ギャラント様式
バロック時代のポリフォニー様式に対して、 華麗に装飾された単純な構造の上声部に、簡素なホモフォニーの伴奏のつけられた様式 |
古典派
- ウィーンの文化史的、社会的条件を背景に
- 三人の作曲家の個性的な創作によって独自な形式と内容を確立
- ソナタ形式の確立
ソナタ形式
| 提示部 |
展開部 |
再現部 |
| 第一主題(主調) |
第二主題(属調/平行調) |
主題動機労作 |
主題動機労作
主題旋律をいくつかの旋律またはリズム動機に分別し楽曲展開に活用する方法。 主にソナタ形式の推移部や展開部で用いられる。 |
・ハイドン
ピアノソナタ:ソナタ形式の実際を検証
→交響曲100曲以上、弦楽四重奏曲(67曲)のジャンルを確立
・ベートーヴェン
「英雄的特質」や「暗黒から光明へ」などの主題的意味をもたせた
ロマン主義
ロマン主義
ロマンス語で書かれた物語に由来。「不思議な」「現実離れした」という意味で用いられた。 主題には超自然的なもの、神話や伝説、夢などが好まれた |
| 18世紀の啓蒙主義思想 |
→ |
19世紀のロマン主義 |
| 理性を尊重 |
感情と直感を尊重 |
| 普遍性・客観性を求める |
強烈な表現力 |
| 規範的な秩序 |
個性を重視 |
| 形式的均衡 |
形式は自由 |
シューベルトやシューマンが芸術性を高めた。
伴奏であるピアノに音楽表現の大きな役割を担わせている。
ロマン主義の諸相
「ピアノ音楽の展開」
打鍵に強弱があるピアノがチェンバロにかわって主流に
絶対音楽のピアノソナタよりも詩的な表現をもつ性格小品が好まれる
「管弦楽の展開」
巨人のようにそびえ立つベートーヴェンの交響曲を乗り越えるための模索
多彩な音色の追求、編成の巨大化
管弦楽への声楽の導入、標題音楽への傾倒
「19世紀イタリア:オペラ」
ロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニ、ヴェルディが活躍
世紀後半を代表するのはヴェルディ。レチタティーボとアリアの羅列からなる番号オペラ方式から次第に脱却。
レチタティーヴォはより音楽的・劇的に密度の濃く緊張感のあるシェーナに変わり、ドラマとしての一貫性が高まる。
「ヴァーグナーの楽劇」
ヴァーグナーはヴェルディと同じようにオペラのドラマ性を高めながら、イタリアオペラとは大きく様相を異にする「楽劇」に結実した。ヴァーグナーにとって芸術とは人間全体の表現でなければならず、文学演劇美術音楽が総合的に作品を形成することを要求した。その総合舞台技術が「歌劇である」
①無限旋律
ドラマとしての一貫性を実現するために音楽を一幕の間終止せずに発展する書法。番号オペラへのアンチテーゼ
②大胆な半音階和声
古典的な和声学を無視して終止感を避け、無限旋律や官能的:幻想的な世界を実現させる。
その典型例として「トリスタンとイゾルデ」前奏曲の冒頭の「トリスタン和音」がある。不協和音の解決が遅らされている。
③示導動機
特定の人物や書物を示す楽奏。歌詞で表現されていない心象や背景を重層的に暗示することを可能にする。「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲」
「ブラームス、ブルックナー、フランスにおける新潮流」
リストやヴァーグナーにおける革新的傾向に対する拒否反応が起こり、古典主義の代表者としてブラームスが担がれ、、ウイーンにおいてヴァーグナー派とブラームス派の対立が起こった。
・ブラームス
「交響曲第一番」、「クラリネット五重奏曲」
・ブルックナー
ヴァーグナーの影響を受けた半音階的な和声法で交響曲と宗教音楽を作曲。
「交響曲第四番ロマンティク」、「モテット イエッセの技は」
サン=サーンスらが「国民音楽教会」を設立し、フランス音楽の普及に尽力
19世紀後半には芸術歌曲「メロディ」の作曲も盛んになる。
「フォーレ 月の光」ピアノが完全に独立して音楽を奏で、むしろ歌がそれに対位法的に寄り添っている点でフォーレの歌曲の転換点に位置づけられる。
「国民主義、国民楽派」
・国民楽派
19世紀後半、各国に起こったナショナリズムや、ロマン主義が内包する民族主義的な傾向が東欧・北欧の作曲家を刺激し、独仏伊といった中進国の影響を受けつつも自らの民族性を活かした芸術音楽が創造された。伝説民謡やその音階など民族固有の素材を取り入れる点で共通している。
ロシア
→ロシア五人組(ボロディン、キュイ、バラキレフ、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ)
→チャイコフスキー
チェコ
→スメタナ
ノルウェー
→グリーグ
フィンランド
→シベリウス
スペイン
→クラナドス
イギリス
→ヴォーンウウィリアムズ
「時代の終わり、二十世紀への助走」
19世紀末、ロマン主義の終末を示す兆候。転調や和声の複雑化が進み、あるいは調性の体系に無い和声が使われる。調性のに立脚するロマン主義音楽の表現の可能性の限界を極める作品が生まれる。
・マーラー
交響曲、歌曲の分野で個性的な作品を書いた。4曲の交響曲では声楽が導入されている。
「交響曲、大地の歌」
・ヴォルフ
リートで業績を残した。歌の旋律はむしろ詩の朗読に近い。
ピアノが半音階的な和声を用い、歌詞と声の表現を超えた深い内面を表出する。
「知っていますかレモンの花咲く国を」シューベルトに同名曲
・リヒャルトシュトラウス
交響詩とオペラの分野で活躍。
「ツァラツゥストラはかく語りき。
・印象主義
印象主義は自然から瞬時に受ける印象の再現を重んじた絵画の流派。
ドビュッシーはこれを音楽に応用した。
・ドビュッシー
古典的な和声理論や音楽形式から解放されねばならないとし、調性の基盤を揺るがす全音音階や、和声学の理論を無視した平行和音などを多用して、余計な論理にとらわれず直感的に音響から印象が喚起されることを目指した。
「管弦楽曲、雲」
二十世紀、表現主義と原始主義
・表現主義
外界の自然を第一としたのが印象主義ならば、表現主義は内面的なものへの集中とその強烈な表出を特徴とする芸術思潮である。当時の不安、危機意識が生み出す罪、死、狂気といった概念をことさらに表出。
- 新ウイーン学派(シェーンベルク、ヴェーベルン、ベルク)
・シェーンベルク
「弦楽六重奏曲、清められた夜」 後期ロマン派的な半音階対位法
「弦楽四重奏曲第二番」 無調
「管弦楽のための変奏曲」 十二音技法
・原始主義
文明の影に隠れていた人間本来の激しい力、原始的な強さを表現しようとする立場。同時代のフォービズム(野獣派)の絵画や彫刻と同じ美学の上に成り立っている。音楽の三要素(旋律、和声、リズム)の中で一番開拓が疎かになっていたリズムの復権である。
・ストラヴィンスキー
「春の祭典」バレエ音楽
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最終更新:2011年01月26日 05:48