第一話 混沌のプノンペン
朝六時、客室乗務員のアナウンスで目を覚ました。東南アジア人の喋る英語だった。飛行機はその30分後、トランジット先のクアラルンプールに到着した。着陸した後も機長がその英語で喋ってた。現地の天気とか時刻をきっと話してたのだろう。
朝6:00に到着したものの、プノンペン行きの飛行機は16:30発だった。マレーシアといえばイスラム教の国。テロが起きるかもって、長い長いトランジットの時間を「海辺のカフカ」を読んでつぶした。
飛行機に乗り込んでプノンペンについたのは18:30頃だった(飛行機が遅れたんだよ)。飛行機の上からは本で見たことがあった東南アジア風のお寺がポツポツと見えた。飛行機を降りると入国審査があるのだが、私は入国カードをどうやら貰い忘れてたみたいで、審査官に「カードは?」って訊かれて、「?」って反応をしたら、これだと示すように彼は机に思いきりカードを叩きつけたね。「向こうでもらってきな!」ってたぶん言われた。近くにいた女子大生にも助けられて何とか入国できた。よーーし!宿を見つけるぞ!って意気込んで空港の外に出た。 しかし洗礼はそこから始まった...
外に出るや否やカンボジア人が4人ぐらいで私を取り囲んできた。彼らはトゥクトゥク(下の乗り物)の運転手で、「Japanese?コンニチハ」って服をつかんで乗り場まで連れて行った。圧倒されてしまって私は拒むことすらできなかったが、正規のチケットを彼らのうちの一人が用意してくれたから安心した。どうやら市内までは7ドルみたいだ。「どこまで?」と運転手に訊かれた。私は「プノンペンステーション」と叫び、トゥクトゥクは動きだした。
空は曇っていて、夕方だったから薄暗かった。途上国の都市ならではの排気ガスの臭いも気持ちを不安にさせた。まさしくその不安は的中した。「この宿に泊まっていきなよ! 安いよ!」 「ノー!プノンペンステーションって言ったじゃんか!」
奴は私が不慣れな旅行者であることをいいことに、手を組んでる宿のもとに連れて行った。オーナーまで出てきたからさすがにビビった。 そういった宿に泊まるとろくなことがないってのは『地球の歩き方』で知ってたから、「違う宿を予約してる。」って言ったら、「そこまで行ってやるからチップで1ドルよこせ」と言われた。彼らもギリギリの生活をしてるだろうからおとなしく払った。くっ、、これがカンボジア、、、私は苦しかった。 「予約してる」と嘘をついたワンストップホステルは満室だったから、隣にあったカモリーという宿に泊まることにした。1泊7ドルはなかなか安かった。そこまでは道行く韓国人のおじさんに案内してもらった。日本語がうまく、確か会社の何かでここに来てたらしい。(ここで私は日本語を話す人に急に安心感を抱いてしまう。これが後に惨劇を招くことも知らずに…)ドミトリー式の宿で一番奥には欧米系のおじいさんが全裸で寝ていた。どこの国の人かは聞けなかったけど、後に仲良くなった。
最終更新:2017年08月17日 01:00