環論

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環論 - (2011/05/21 (土) 18:45:32) のソース

 群以上,体以下
 特に,整域は環以上体以下

= 環 =
 '''Def. 環(ring)'''
 (R,+,×)は'''割り算ができない。'''
 R1. +に関して加法群
 R2. ×に関して半群(結合律のみ)またはモノイド(単位・結合)
 R3. 分配律
    <math>a(b+c)=ab+ac</math>
    <math>(a+b)c=ac+bc</math>

 さらに次が成り立つとき,'''可換環'''という。
 R2'. ×の可換律

 ※ 積の逆元が保障されていないので'''群ではない。'''
 がんばっても積は''可換モノイド''としか言いようがない。
 ※ 積が群になったら,'''体'''に昇格↑

 '''Ex. 可換環'''
 1. 整数環とその拡張が代表的
 <math>(\mathbb{Z},+,\times),(\mathbb{Q},+,\times),(\mathbb{R},+,\times),(\mathbb{C},+,\times)</math>
 2. 多項式環は項等多項式1を単位元として環
 <math>Z[x]</math>

 '''Ex. 非可換環'''
 1. 正方行列の全体
 <math>(\mathrm{Mat}(n,K),+,\dot)</math>

 '''Ex. 有限な環'''
 1. トリビアルな例
 <math>{0}</math>
 2. 剰余類環はrを法とする演算で可換環
 <math>\mathbb{Z}_r := \{ 0,1,\cdots,r-1\}</math>

== 整域 ==
 約数とか因数分解を考える意味がある環(特にUFD)

 '''Def. 整域 domain'''
 可換環Rが整域であるとは,零因子を持たないことをいう。
 <math>{}^\forall x,y \in R \quad xy=0 \Rightarrow x=0 \mbox{ or } y=0</math>

 '''Ex. 整数環は整域'''

 '''Prop. 体は整域'''
 証明は,xy=0 かつ x,y≠0 と仮定して,逆元1/xyがとれるのでこれをかけて0=1を導く。

 '''Prop. 体上の多項式環K[X]は整域'''

 '''Th. 整数環のイデアルI'''
 Iが整数環Rのイデアルであるための必要十分条件は,
 Iの正の最小元をr>0として,
 <math>{}^\forall a \in I {}^\exists k \in \mathbb{Z} \Rightarrow a=kr</math>
 が成り立つことである。

== イデアル ==
 '''Def. イデアル'''
 R可換環;I⊂RがRのイデアルであるとは,
 1. <math>x,y \in I \Rightarrow x-y \in R</math>
 2. <math>x \in I, a \in R \Rightarrow ax \in I</math>
 i.e. 和とスカラー倍に対して閉じている。
 '''注. 部分群との違い'''
   a∈S かつ b∈S → ab∈S
   a∈I または b∈I → ab∈I

 '''Ex. 偶数の全体は整数のイデアル'''

 '''Prop. '''
 RのイデアルI,Jに対し,以下は再びイデアル
 1. 交わり <math>I \cap J</math>
 2. 積 <math>IJ := \langle fg | f\in I, g \in J \rangle </math>
 3. 和 <math>I + J := \langle I,J\rangle</math>
 特に,以下が成り立つ。
 <math>IJ \subset I \cap J</math>

 '''Def. イデアルの基底'''
 R⊃S := {f<sub>1</sub>,...,f<sub>m</sub>} に対し,
 次で定義される集合はイデアルとなり,Sが'''生成するイデアル'''という。
 <math> \langle f_1, \cdots, f_m \rangle := \{ a_1 f_1 + \cdots a_m f_m | f_i \in S,\, a_i \in R\}</math>
 これを単に<math>\langle S \rangle</math>で表し,Sを'''イデアルの基底'''という。
 <math>\langle S \rangle</math>はSを含む'''最小のイデアル'''である。
 1つの元から生成されるイデアルを'''単項イデアル'''という。

 '''Def. 単項イデアル整域 PID'''
 可換環Aにおいて,任意のイデアルが単項イデアルになるとき,'''単項イデアル環'''という。
 さらにAが整域であるときは'''単項イデアル整域'''という。

 '''Th. K[x]はPID'''
 i.e. 体K上の一変数多項式環K[x]

== 環の準同型 ==
 準同型なら,一方の性質が他方に伝染する。
 準同型定理が重要。核とか。
 イデアルによる剰余環を考えているとき,元に剰余類を対応させる写像を'''自然な準同型'''という。
 ''[[同型と同相]]を参照''

= 可換環 =
 '''Def. 素イデアル'''
 '''Def. 準素イデアル'''
 '''Def. 極大イデアル'''

 '''Def. 一意分解整域 UFD'''

 '''Prop. PIDならばUFD'''

 '''Def. 最大公約数 GCD'''

 '''Th. '''
 R:PIDにおいて,m,n∈RのGCDをdとする。
 以下を満たすλ,μ∈Rが存在する。
 <math>\lambda m + \mu n =d</math>
 特に,m,nが互いに素であるための必要十分条件は,次を満たすλ,μがとれることである。
 <math>\lambda m + \mu n =1</math>

== R加群 ==
 '''Def. 加群'''
 '''Ex. イデアル'''
 '''Ex. ベクトル空間'''
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