順序は有向グラフで考えると良い! == 順序関係 == '''Def. 順序''' A:set, ≦:二項関係 1. 反射律 <math>{}^\forall a \in A \quad a \leq a</math> 2. 反対称律 <math>a \leq b, b \leq a \Rightarrow a=b</math> (等号との関係) 3. 推移律 <math>a \leq b, b \leq c \Rightarrow a \leq c</math> (じゃんけんは順序でない) さらに,次を満たすとき'''全順序'''という。 4. 完全律 <math>^{}\forall a,b \in A \quad a \leq b \mbox{ or } b \leq a</math> '''Ex. ベキ集合内の包含関係''' 全順序でない順序集合の例 '''Ex. 倍数関係''' a|b(aはbを割り切る)をa≦bとすれば,これは一般に全順序でない順序関係 '''Ex. 辞書式順序''' 全順序集合の直積には自然に全順序を入れることができる。 '''Ex. 閉回路は順序集合でない''' 例えば,ガロア体GF(3)に通常の順序は入らない。 0 ≦ 1 ≦ 2 ≦ 0 ≦ 1 ≦ … ⇒ 0 ≦ 1 かつ 1 ≦ 0 ∴ 0 = 1 == 極大・極小とか == X:順序集合,A⊂X:部分集合 '''Def. 上界 upper bound''' b∈X が A の上界であるとは,次が成り立つことをいう。 <math>{}^\forall a \in A \quad a \leq b</math> Aに上界が存在するとき,Aは上に有界という。 '''Def. 極大元 maximal element''' s∈A が A の極大元であるとは,次が成り立つことをいう。 <math>{}^\forall a \in A \quad s \leq a \Rightarrow s=a</math> '''Prop. 極大元は複数あるかもしれない。''' グラフが二又に分かれるとき考えればよい。 '''Def. 最大元 maximum element''' m∈A が A の最大限であるとは,次が成り立つことをいう。 <math>{}^\forall a \in A \quad a \leq m</math> つまり,mは少なくとも全員と比較可能でなければならない。 '''Prop. 最大元はあれば唯一''' 反対称律より示される。 '''Prop. 最大元は極大元''' '''Def. 上限 supremum''' 最小の上界を上限という。 A が最大元Mを持てば,Mは上限である。 == 整列集合 == '''Def. 整列集合''' 任意の空でない部分集合に対して,最小元が存在するような順序集合 '''Prop. 整列集合は全順序集合''' '''Th. Zermeloの整列可能定理''' 任意の集合は整列集合となるように順序を定めることができる。 '''Rem. ''' 整列可能定理は,選択公理と同値。Zornの補題とも同値。 == 順序位相 == '''Th. 全順序集合には自然な位相を定めることができる。''' '''Prop. 実数の標準位相は,実数の順序位相と同等'''