Rem. 環 加法に関してアーベル群(可換・単位・逆・結合) 乗法が定義されていて, 分配律が成立する。
Def. 1変数多項式 係数環R上定義された変数xの多項式f(x)とは,あるn>0があって,と書けることをいう。 nを多項式f(x)の次数といい,deg(f)とかく。ただし,deg(0):=-∞と定義する。 各kに対し,akxkを項と呼び,akをk次の係数,xkをk次の単項式という。 特に k=n のとき,それぞれ主項(先頭項)LT(f),主係数(先頭係数)LC(f),先頭単項式LM(f)と呼び習わす。 主係数が1である多項式をモニックという。
Def. 1変数多項式環 係数環R上の多項式の全体R[x]は,通常の和と積によって環をなす。
prop. Rが可換環ならばR[x]も可換環 積の定義より明らか。
Def. 多変数多項式環 一変数多項式環R[x]を係数環として,さらに多項式環(R[x])[y]を考えることができる。 これを単に R[x,y] とかき,二変数多項式環という。 この手続きを繰り返して,多変数多項式環を構成することができる。 こうして得られる環を単に R[X] とも書く。
Rem. 多変数への拡張に際して,変数どうしの積は可換にすることが多い。 i.e. 二変数多項式の場合は,xy=yx とする。
Rem. 体 (環において)零元を除いて積にも逆元が存在する(しかも可換)。 i.e. 和・積がアーベル群
Def. 有理関数体 多項式環K[X]が係数体K上で定義されているとき,これは整域になるので, さらに商体として有理関数体K(X)を構成することができる。 即ち,次のような有理関数の集合を考えて,約分による同値関係で割った後,自然な和と積を入れて得られると,これは体(商体)をなす。 即ち,任意の f(X)∈K(X) に対して,乗法の逆元 1/f(X) を考えることができる。 これを有理関数体という。
Def. 有理関数の表現 有理関数体K(X)の元Fは,ある多項式環K[X]の元f,gを用いて,以下のような表現をもつ。約分の同値性から1つの有理関数には無数の表現が存在するが, 以下の条件を満たすものがただ1つとれる。 1. 分母・分子の多項式が互いに素(最大公約因子が1)。 2. 分母多項式がモニック(先頭係数が1)。
Rem. イデアル i.e. 和とスカラー倍に対して閉じている。
Def. 根基イデアル Th. Hilbertの零点定理