ここでは古典的なテンソル解析を扱う。「古典」とは変数変換が直交変換(回転)に限ることを指している。 微分形式はテンソル解析の一分野とみなすこともできるが,微分形式では変数変換によって変数の数が変わっても良いので,より一般化された理論になっている。
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基底ベクトルはVの元であるのに対し,成分を並べたベクトルはK^nの元であることに注意! 成分を並べた列ベクトルを,xの基底Uによる表示とか,xのU-座標とか言い,
と書く。
は同型である。
慣例によって,Vの座標は上付き添え字,Vの基底は下付き添え字で書く。 これは多様体論において,ベクトル場の基底ベクトルがで中心線より下, 微分形式の基底ベクトル(双対基底)が
で中心線より上に添字がくるのと一致させるためである。
基底と同じ変換を受けるものを下付き添え字で書き,共変ベクトル(Bra Vector)と呼ぶ。 座標と同じ変換を受けるものを上付き添え字で書き,反変ベクトル(Ket Vector)と呼ぶ。
従って,双対空間V*では座標を下付き,基底を上付きで書く。
上付き添え字は列ベクトルとして書き,下付き添え字は行ベクトルとして書くことが多いが,全く逆の対応にしてもよい。 共変・反変の本質は基底変換と同じように変換するか,あるいはその転置行列で変換するかということなので,どっちが行でどっちが列か,ということは本質ではない(本質は両者の双対対合が内積,つまりスカラーになることである)。 共変なら基底と同じ型,反変なら座標と同じ型にすればよい。
内積を保つ線形基底変換のこと。即ち,以下のように変換し,以下が成り立っていなければならない。
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基底を行ベクトルの形に並べると,変換行列Tは次で与えられる。
これを用いて,変換則は次のように書ける。
以下では,基底を行ベクトルの形に並べた場合の変換行列を用いて議論する。
次の内積を計算する。これが内積を保つという仮定より,次と等しくなる。
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即ち,古典テンソル解析で考える変換は幾何学的には回転に限るということである。
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ここで下付き同士で縮約を取っているのが気になりますが。
座標変換によってVの元x自体は変化しないから,以下が成り立つ。Cor.の結果から,左辺は基底変換を用いて次のように計算できる。
これと第一式の右辺とを比較することで,次の変換則を得る。
座標を列ベクトルの形に並べると,
変換則は次のように書ける。
以下では,座標を列ベクトルの形に並べたものを用いて議論する。
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即ち,ヤコビアンで変換するものは反変であり,その転置(逆行列)で変換するものが共変である。
がスカラーであるとは,以下の2つが成り立つことをいう。
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が反変ベクトルであるとは,以下が成り立つことをいう。
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ただし,
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が共変ベクトルであるとは,以下が成り立つことをいう。
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ただし,
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