『とある森林』
[神父]
「・・・・・この先か」
【今回、私はとある村を目指していた。無論、依頼が有ってのものだ】
「戦・・・・のぅ」
【依頼者は1人の男性、とある組織の人間らしい、
なんでも自身が産まれた村が攻撃される、
全員を、せめてできる限りの人を助けて欲しいとの事だ】
「・・・・もっと早くに言ってくれれば良いモノをッ・・・・」
【そう、攻撃開始予定時間は既に過ぎている。
まだ時間は経って居ないと言えど・・・・】
「急がねば・・・なるまい!」
【神父服の上に羽織ったコートを揺らしつつ、私は急いだ】
『名も無き村の外れ』
[少年]
「・・・・・・」
【僕はその日、村の外れの木陰で本を読んでいた。
誰も知らない、村が一望できる僕だけの取って置きの場所】
「今日は・・・ここまでかな。」
【読む内容も一段落し、家の手伝いが残っている僕はその場を後にしようとした】
「あれ?なんだろう・・・・・・人?」
【村の上空を眼を凝らして見ると・・・・人が空に立っている!?】
「・・・・なんだろ?光って・・・・ッ!!」
【その人(?)の両手が煌めき光線が村に届いた瞬間、村の一部は崩れ落ちた・・・】
「なッ!?・・・え!?」
【突然の出来事に驚き、僕は呆然としていた
少しして村に有る家に居るであろう両親と産まれたばかりの妹の事を思い出し・・・】
「父さんや母さん達は・・・!」
【言う前に僕は村へと走り出していた】
『同時刻、村の付近』
[神父]
「ッ!」
【爆音、恐らく攻撃が開始されたのだろう。
私は急ぎ、村へと向かった・・・其処では・・・・・】
「・・・遅かったか」
【村では一方的な虐殺が行われている、現段階では空からの攻撃だけで地上部隊は居ないようだ
人を救うとしたら今が良い、私は生き残っている者を探し始めた】
[少年]
「ハァッ・・・ハァッ・・・・・・」
【僕は走った、村へ、自身の家へ】
「父さん・・・・母さん・・・・・・・」
【息は切れ、今すぐにでも止まりたい。
だけどそれ以上に父さんや母さんが無事かを確かめたかった】
「もう少し・・・あの角を曲がれば・・・・・」
【家までもう少し、あのパン屋の角を曲がって数十メートルのところで・・・・】
「あッ!」
【突然上から降ってきたモノが当たり、僕の意識は途切れてしまった】
[神父]
「・・・・・・・Amen」
【ここまで・・・生存者は未だ無し、今見つけた者も既に息絶えていた・・・
私が彼らに出来るのは安らぎを祈る事だけだ
・・・・この時、私は諦めていた。既にこの村に生存者は居ないのだろうと】
「・・・拙いな」
【上空からの攻撃が止み、既に数分経っている。
上空からの魔術攻撃、今回のこの騒ぎは私の知っている組織が加担しているモノなら既に地上部隊もこの村へ・・・
そうなれば私自身が危険に晒される・・・そんな事を考えていると・・・・・】
「!・・・・」
【瓦礫が崩れる音、私は敵かと思い、身構えた・・・しかし、一向に敵の姿は見えない。
それに・・・微かに呻く声がする】
「まさかッ!?」
【私は急いで瓦礫を掘り起こした・・・そこには・・・・・
まだ生きている、少年が居た・・・・】
[少年]
「・・・・」
【僕は・・・・
僕は誰かに抱きあげられたのだろう・・・・・
ただ、優しく誰かに撫でられていた。断言できる
今でもあの大きな、温かい手で撫でられた事を鮮明に思い出せる】
「だ・・・れ・・・・?」
【激しい頭痛、ハッキリとしない意識の中で呟く様に問いかけた・・・
でも、答えを聞く前に僕の意識は途絶えてしまった・・・・・】
[神父]
「・・・・・今はゆっくりとお休み・・・」
【この村で見つけた初めての生存者・・・・この子を見つけて私は安堵した・・・・
そこに・・・油断が生まれた・・・・・】
「ぐッ・・・・やはり・・速いな」
【自身の背には1本の剣が突き刺さっている。
視線を向けた先には複数人の機関員・・・】
「予想通り・・・・・か。」
【やはりこの虐殺にはカノッサが加担していた様だ。
事前に調べた内容ではこの村には特別な「何か」があるらしい。
大方それを狙ったのだろう】
「・・・財宝ついでに素材集め・・・・・か」
【そう、機関は変わらない。私の居たあの時から。何一つとして・・・】
「小僧共、そんな玩具で・・・・この儂をどうにかできると
思っているのか?」
【私は敵と向き合い・・・拳を振るった】
[少年]
「・・・・・・」
【僕が眼を覚ました時、全ては終わっていた。
僕は村の外れ・・・僕の取って置きの場所で1人、寝転がっていた】
「僕・・・は・・・・・・!!!」
【意識がハッキリとする、同時に家族の事を思い出す】
「村は!!?」
【大急ぎで村の方を向く・・・・そこには・・・・・・
何も、何も無かった。ただただ焼け焦げた大地が広がっている】
「・・・・そ・・・・んな・・・・」
【愕然としていると、後ろの茂みから音がした】
「!!?だ・・・誰!?」
【慌てて振り返り、全身を強張らせる・・・
そこには見知らぬ老人が1人、立っていた】
[神父]
「・・・・起きたかね?」
【助け出せたのはたった1人の少年だけだった。
私は少年の手当をし、村の死者達を弔った後、再度少年の様子を見に戻るとその少年は眼を覚ましていた】
「儂は堅正・・・君の名前は?」
【出来る限り優しく聞いた、しかし返答が返ってくることは無い
・・・・場所が悪かったか・・・・】
[少年]
「・・・・・・」
【違う、僕が聞きたいのはこの人の事じゃない
・・・もっと、もっと大事な事を・・・・・】
「と、父さんや・・・母さん・・・・・村の人は?」
【自分でも聞き取れるか分からない様なか細い声・・・
出来る事なら・・・・皆元気で在って欲しい・・・
本当は・・・自分でも分かっていた。ただ・・・信じたく無かった】
[神父]
「・・・・・・」
【私は躊躇った・・・この少年に現実を伝える事を・・・・・
・・・だが、ここで騙してもこの少年は幸せになれないだろう
私は重い口をゆっくりと開いた】
「・・・君以外の生存者は見当たらない。」
【言うのは辛いだろう、ただ・・・・この少年はしっかりと受け止めてくれるだろうか。
受け止めたとしても、この現実に押し潰されないだろうか・・・それが不安だった】
[少年]
「・・・・・そう、ですか」
【そう、分かっていたんだ。皆・・・もう居ないって。
もうこの場所で見下ろせて、家族が、友達が居た・・・あの村はもう無いと・・・・
分かっていた、分かっていたのに涙が止まらない】
「有難う御座います・・・助けてくれたの・・・・・貴方ですよね?」
【声を絞り出してお礼を言う・・・すると、あの人は優しく僕を抱いてくれた】
[神父]
「・・・・・・有難う」
【私は自身でも気づかぬうちに少年に抱きついていた
この子は強かった、悲しみをしっかりと受け止めて、その上に立った・・・】
「少年、行く当てが無いなら・・・・うちに来ないか?食うのは困らんはずだ・・・・・」
【この子は強くなれる、そんな確信が有った。だから私はこの子を強くしてやりたい・・・
そう思っての言葉だった】
[少年]
「・・・・え?」
【最初、何でお礼を言われたか分からなかった】
「・・・え?」
【更にうちに来いなどと言われても訳が分からなかった・・・
・・・・今思えばここで失敗したかも知れない
この後・・・僕はつい・・・】
「えっと・・・・はい。」
【つい、頷いてしまった】
[神父]
「・・・・・・・・フッ」
【言わせればこっちのもの・・・もう悲しむ必要も真面目で在る必要も無くなった・・・・・
じゃ、うち流の歓迎をするとしよう・・・・】
「じゃ・・・案内させて貰おう、我が家へ。」
【私は自身もろとも少年と影へ落ち、我が家へ向かった・・・
落下速度はそこそこ速めでな】
「そういや、少年!名前をまだ教えて貰って無いぞ!?」
【落下しながら最初の質問をもう1度する】
[少年]
「んなッ!!?」
【突然、足場が無くなる感覚・・・何があったか分かる暇も無く落ちて行く
しかも・・・速い、なんか速い!!?
落下しながら横であの人・・・・堅正さんが名を聞いてくる】
「りゅ・・・龍玄です!僕の名前はぁぁぁぁぁ!!」
【必死に堅正さんにしがみ付く・・・こんな人だったのかと後悔もしている・・・
でも、多分この人となら・・・・・うん、多分悪い様にはならないはず・・・・・多分】
『そして・・・今』
[龍玄]
「こういった風に出会ったのですが・・・・今となっては後悔の連続ですよ。面倒事も押しつけられますしね」
[堅正]
「そう言うな、少し凹む・・・」
[ミスティア]
「そんな出会いがあったんですねー・・・」
[ゲイル]
「面白かったぜー」
[ベコ]
「うん、面白かったー・・・最後の師匠は酷いけど。」
[龍玄]
「ハハ・・・さて、ゲイル・・・・次は貴方の番ですよ?」
【気分次第で続く】
最終更新:2009年03月11日 03:47