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【一冊の焼け焦げた古い日記・・・・読める所だけ読んでみようと思う】

19XX年の初冬
私の子・・・榊家十三代目の当主となる子を産んだ
本名は剛譚
真名は  と名付ける

剛譚4歳の
夫は剛譚を良く可愛がってくれている
剛譚が眠る前に本を読んでくれている様だ
私も体が不自由で無いなら読んであげれるのに・・・

剛譚5歳の
最近、夫はよく剛譚と外で遊んでいる様だ
剛譚はよく怪我をして帰ってくる
元気な男の子とはこんなに怪我をするものなのか

剛譚7歳の
この日、私は初めて夫を恨んだ
夫は、いやあの男は今まで剛譚を可愛がってきたのではなく
榊家の当主とすべく教育してきたのだと言う
絵本ではなく銃の扱いを読み聞かせ
遊びではなく他人の殺し方を教えていた
何故      何故気付けなかったんだろう
気付くための機会は多く有った
絵本と思っていたモノを読み聞かせる際に座っていた事
遊んでできたと思っていた傷が異常に多かった事
どうして――――――

剛譚8歳の夏
何もできなかった
剛譚を無理矢理軍へと押しやろうとする夫を止めることも
嫌がる剛譚を庇う事も
泣きながら連れて行かれる剛譚の手を掴むことも
1人部屋の隅で涙を流す夫を責める事も

【ページらしいモノはここまでしか無い、後は1枚の小さな紙切れ】
【震えた字で書かれている事は1つ】

ごうたんに会いたい



「・・・・・・はぁ・・・」
【船の甲板でその日記を読み終えた男性が立ち上がる】

「・・・くそ・・・・・」
【日記を置いたまま背を向けて歩き出す】

【日記は風に扇がれ、そのページは1枚1枚空へと舞い上がり―――】

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最終更新:2009年03月12日 14:24