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廃墟のような街に、ある一人の少年が居た。
物心つく前から握っていた愛銃を片手に、生きる為なら何でも利用した。
その街には親切心という物はどこにも無く、死体という名の残骸が転がっているのみである。
年端も行かぬ少年には生き難い世界である。

ある時に、一人の男が街に来た。
少年がいつも通りに、金を盗もうとした瞬間、少年の頭は男の足の下にあった。
刹那の出来事、予期しえぬ結果。
目を見開きつつ、その場でもがく少年。
『Scorpius――』

男は抑えつけるかのように右手を振り下ろす。

少年の記憶は一旦途切れる。


――暖かい部屋、柔らかい布団。
今まで感じた事の無い感覚が彼を襲う。
もしもこれが現実ならば――

そう思い、少年は安心して瞳を閉じた。
男は彼の右腕にある呪印に目を凝らしていた。
複雑に組まれた『竜化』のルーン。
男は大いなる力をもって解除を試みるが、微かに発動を延ばす事が限界だった。

男は小さく呟く。

『彼が15となりし時、そのルーンは呼び出され、彼の体を徐々に蝕むだろう』


ここまでが賢者と少年が出会うまでの奇なる顛末である。

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最終更新:2009年03月11日 05:23