<暗い部屋、電気も点けずベッドで毛布を頭から羽織った少女が1人>
【時計の針の音が耳につく・・・】
【耳障りだ・・・私は可愛い置き時計を壊そうと手を伸ばす】
あ・・・・
【それがいけなかった・・・手を伸ばした事が・・・・】
【自分の手が目に入る】
【彼女に届かなかった自身の手】
【切り落とされた彼女の手】
【それを鮮明に思い出してしまった】
【毛布に包まり唇を噛む】
【鉄の味が口の中に広がる】
【何度目だろう・・・思い出したのは・・・・・】
【そもそも部屋から出なくなってどれ程の時間が経っただろう・・・】
【ふとそんな事を考えていると・・・・】
―――――コンコンッ―――
【部屋の扉がノックされた】
あ・・・・
【来ないで・・・今は誰と会ってもまともに向き合えない】
「邪魔すんぞ」
【来ないで・・・願いは通じず彼は歩み寄ってくる】
――ギシッ
【ベッドが揺れる・・・彼が私の横に座ったからだ】
「また・・・・泣いてたのか?」
【彼の問いかけ、私はただ頷く事で肯定する】
「・・・仕方の無い事だおま――――」
分かった様な事言わないで!
【彼の言葉を遮る】
【聞き飽きた・・・仕方無い、お前のせいじゃ無い】
【そんな言葉はもういらない】
【私は気付かぬ内に泣いていた】
結局・・・剛譚さんも・・・ただの人殺しじゃない・・・・・
【俯き、涙を流す】
「・・・そうか・・・・・」
【彼が立ち上がり、ベッドが揺れた】
「その通りだ・・・・」
【私は俯いて泣いていた】
【だから彼の表情は見えないままだった】
【彼は静かに部屋を出て行った】
―――少女編―――閉
<立派な和室に正座し、目を閉じている1人の男性>
『結局・・・剛譚さんも・・・ただの人殺しじゃない・・・・・』
【心の中で反芻するこの言葉】
【忘れていた・・・楽しくて】
その通りだ・・・
【忘れていた・・・人を知って】
俺は・・・・人殺しだ
【そう、この事実は変わらない】
【数多の戦場で】
【数多の方法で】
【より多くの人を・・・・殺した】
そのために・・・・生まれた
【これは俺が選んだ生き方】
【榊の家に生まれた時から決めていた・・・】
【俺の生き方だ】
1人でも多くの・・・
【そう・・・】
全ての
【何年も前に倒すべき本当の敵は・・・】
能力者を
【知らされていた】
殺す為に
【だから大して驚かなかった】
そのために騎兵に乗るのが俺の・・・
【躊躇わない、全ての能力者が悲しみを生むならば】
生き方だ
【躊躇うつもりはない、年端も往かぬガキを泣かすなら】
【汚れるのは俺だけで良い】
【ゆっくりと眼を開く】
【部屋の電灯の光が目に沁みた】
【誰に言うでもなく】
【ただ口から洩れた言葉】
【この時・・・誰を想ってたんだろうな・・・・俺は・・・・】
―――男性編―――閉
最終更新:2009年03月12日 14:29