一面に広がる荒れ果てた大地
それを埋め尽くさん限りに存在する多様な生物や機械達
それらの中心に降り立つのは人間と人形の間に在りし者
――個体識別コード『CR-Y001S』、現段階より行動開始、任務内容を確認する――
――『―――に感染した生物及び自立型機械の瞬滅、並びに世界消滅の確認』――
その呟きは世界へと融けていく
そしてそれらは、その者の存在に気付き、その者へと集い出す
しかし、その者へと触れる存在は無い
全ては不可視の壁に阻まれる
――『晶羽乱舞』
その言葉、その者の守護の為に舞い上がる大量の羽根を創り出す
その水晶で創られし羽根、淡い輝きを放ちながら世界へと広がりゆく
その時に紡がれる唄、世界へと染み入るようで
その者の足元から大地を伝い伸びゆく細き光の道は、
別れ、繋がり、曲折し、世界へと描かれる
――Crystal Garden――
世界は光に包まれ、無限の水晶が天を貫く
やがて光は消え、世界は闇へと沈む
淡い光が、一つの星を失った世界に残る
その光は人の…その者の形をしていた
小さな粒子が、集う光から離れ出す
そして光は消滅する
水晶のペンダントだけが残り、漂う
やがて、それも消えてゆく
その後、世界という存在は失われた
最初に創り出された『世界』にある人形
その首に水晶のペンダントが『世界』を創り出した者の手により掛けられる
そして人形…個体識別コード『CR-Y002S』の瞳に彩が宿る
総ての彩を混合させて出来る薄灰色に……
――『消滅』と『創造』、二つの力を持つ者が創り出した人形が
けして交わる事の無かった、『世界』と世界の壁を越え
その心を成長させる時が来るのは
今はまだ、長い時間の果てである
だが、悠久を生きる人形にとっては
とても些細な時間だった
そして始まる、幾多の心が絡み合う物語の配役に選ばれたのは
既定事項だったのかも知れない――
~~ The story will begin before long. ~~
最終更新:2010年07月03日 23:39