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とある歌劇場の近くのアパート
ここに、僕のご主人様とハンスいう青年がルームシェアをしていました。

太陽も高く上がりかけ、昼の鐘の音も近い時間
まだベットに横たわるご主人さま

『フラン、起きろーー!!』

ご主人さまのお布団を剥ぎ取る青年
彼がご主人さまのシェアの相手、ハンス君です。

「ハンスーー…勘弁してーーー……」

『昨夜、何時に帰ってきたんだ?』

「解らない…マエストロに聞いてーーー……」

『今回のマエストロ…相当の夜遊び好きって聞いたけど?』

「うんーーー…かなり凄い…前回のセカンドコンダクターが逃げたのが良くわかるー」

『うへぇー、御苦労さん…。でも、そろそろ時間だぞ?』

「うぅーー…起きるーーーー……」

ご主人さまはもそもそと起き上がり
クローゼットからタオルを1枚取り出しました

「シャワー使う…目が覚めないぃー…」

それだけ言って、ご主人さまはシャワールームへ入っていっちゃいました

………

ご主人さまがシャワーから上がると
ハンスは既にブランチを済ませていました

『フラン、ブランチ食べる?』

「んー…コーヒーだけ貰うぅーー……」

そう伝えてご主人さまは一度、自室へと戻っちゃいました
ハンス君がコーヒーの準備を整えた頃、ご主人さまは着替えを済ましてテーブルに

「やばい…今日……練習中に寝そう…」

『おいおい…流石にそれはヤバいだろって』

「…今日の課題曲、モーツァルトだもん…」

『あー、そりゃぁ眠いかもな』

「これが終わったらニューイヤーかぁー…」

『あっ!!!思い出した!!フラン、まだチケット取れる!?』

「んーーー?何枚ーーー??」

『友達とで4枚、安いので良いからさ』

「良いよぉー、今日聞いておくー」

『サンキュー、助かるよ』

「コーヒー、ありがとう。僕はそろそろ行くねぇーー」

ご主人さまがコーヒーカップを流しに沈め、僕を担いで出勤です。

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とあるフィルハーモニーホールにて



『ハッハッハァーーー、フランツ君、昨日は楽しかったですねーーーー♪』

「マエストロ…、おはようございます」

『ノン、ノン、フランツ君と私はお酒仲間、そんな固いのいけません』

「光栄です、マエストロ」

『そういう事で、今夜も一緒に遊びましょーーー!!!!』

「(えぇーーー……、そろそろ僕…死にそうですけどーー……)」

どうやらご主人さまは、今回の演奏会のマエストロに気に入られてしまった様ですね
これは、演奏会が終わるまで付き合わされそうです

「マエストロ、大変申し訳ないのですが今日は少し用事が…」

あれれ?ご主人さま、断っちゃうんですか?

『ノー、私より大切な用事ですか?』

「申し訳ありません、家族との約束が」

『オー、それは大切!!絶対に約束は守らないとね』

そうか、きょうは土曜日でした。
流石はマエストロ、家族を優先してくれました

……

僕はご主人さまのお仕事には直接関係ないので
ご主人さまのお仕事中、僕は控え室で待機です

あっ、楽団員さんたちの足跡が聞こえてきた。
練習が終わったみたいですね

でも、ご主人さまが戻ってくるのはいつも最後の方
この前、楽団員さんたちが話してるのを聞いたけど
ご主人さまはいつも、最後の掃除とかを手伝ってるんだって。

本当はご主人さまがやる仕事じゃないけど
自分から手伝ってくれるって、楽団員さん達が言ってた

土曜日、これはご主人さまにとって大切な曜日
どんな仕事が入っていても、必ず土曜日にはとある公園へ行きます。

夕方6時からのたった1時間
でも、絶対にご主人さまが欠かさない1時間

あっ、ご主人さまが僕をケースから出してくれた…

それじゃぁ…僕はこれから歌うから
これ以上、お話していられないや…

ゴメンネ皆、バイバイ


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とある壁の近くにある公園


一人の青年がチェロを奏でている
青年の奏する曲は「無伴奏チェロ組曲」

通りを歩く人が足を止め、青年の音に聞き入ってると
壁の向こうからヴァイオリンの音が聞こえ
青年のチェロの音と重なる

青年は演奏を止めると、壁の向こうのヴァイオリンの音も止まる


しばしの静寂

その静寂を打ち切る様に、青年がチェロを弾く

そのすぐ後を追いかけるように、壁の向こうからヴァイオリンが響く

壁の向こうとこちらの二重奏

会えずとも繋がる心の様に

壁を越えた、人の繋がり

西と東で奏でられる「G線上のアリア」




壁の撲滅を祈った

毎週土曜日の小さなコンサート







あとがき

えっと、思いっきりありえません!!!
こんな事したら射殺されますwwwwwww

んっと、意味が解らなければヒントを3つ
  • このSSのメイン視点はチェロです
  • ご主人さま はフランツ
  • フランツの出身はドイツです

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最終更新:2009年03月17日 05:46