『―――お前はまだ死ぬべき存在ではない・・・』
なんだろう・・・?
『特別に二回目の生命を与える』
誰かが俺に話し掛けている・・・?
『だがただとは言わん、代わりに仕事をしてもらう』
・・・?何の事だろ・・・?
・・・でも
『蘇生せよ―――行き場を失った魂の器として』
俺はまだ・・・終われない・・・!!
蘇生
――resurrection――
side dolme
気が付けばそこにいた
見慣れた風景、見慣れた道、見慣れた世界
確かに俺は死んだはずだった、なのに何故?
ちゃんと体もある、幽霊ではない
とにかくそんなことは今はどうでもいい
俺の家族や友達、知り合いはどうなったのだろう
もしかしてもう葬式でもした後だろうか
「・・・姉さん、レミィ・・・」
俺は走り出した、大切な家族が待つ、我が家へと
side crauzer
俺は遂に自分の頭がおかしくなったかと思った
何故かって?そりゃ死んだと思われていた友人がいきなり目の前に現れたらだれだってそうなるさ
数日前、家に尋ねた時レイルの姐さんに「どっくん今行方不明なの、どこかで見なかった?」とか言われたばかりっつーのに
知らないと言ったら「言いにくいけど・・・もしかしたらもう・・・」とか続けた姐さんの寂しそうな顔なんかもう…
そんな事を考えてると無性に腹が立った
腹が立ったのでこっちみて息切らしてる行方不明だった友人を殴った、そりゃもう思い切り
殴った後俺は自分の頬を指差してこう言った
「俺を殴れ、俺はお前にぐぶぁふっ!!?」
言ってる途中で殴られた、そりゃもう思い切り
折角キメようとしたのにそりゃねーわ
お前に腹を立てた罪悪感なんて吹っ飛ぶパンチだった
「ウザ君を殴るのはこれが最初で最後かもね」
うるせーわちくしょう痛いんだよお前のパンチ
まあとりあえずそこは適当に流して早く家に向かわせたよ
なんか目から汗が出そうだったけど家に帰ってから出す事にした
な、泣いてなんかいないんだからねっ!!
ride reil
今日も家は静か
あの世界から帰って来て数日、まだどっくんは帰って来ていない
あの場所で戦ってたとして、血の量から人一人は死んでるだろう
行方不明としてるがそれは私が弟の死を受け入れたくないからかもしれない
家の呼び鈴が鳴った
腰掛けてた椅子から立ち上がり、玄関に向かい、扉を開ける
そこにいた人物を見て私の思考は凍り付いた
「えっと…た、ただいま…帰りました…」
弟がいた、いなくなった弟が
数日行方不明で、心の奥底で死んだと思っていた弟がそこにいた
気が付いたら私は弟を抱きしめていた
「…何があったかは後で聞こうか」
思い切り抱きしめた、もうどこにもやりたくなくて、もう手放したくなくて
いつの間にか涙を流していた
泣くのなんて何時ぶりだろう、涙なんてとっくに涸れたと思っていた
嬉しさからか悲しみからか怒りからかとにかく泣きながら抱きしめていた
ride remy
呼び鈴がなってからやけに静かだと思い階段を降りた
兄がいた、そこに抱き着いて泣いてる姉もいた
姉から兄が死んだかもしれないと聞いた時は目の前が真っ白になった
兄の為に、兄を護る為に力を求めたのに
すべてが無駄になった気がした
でも兄は生きていた
姉が縋り付いて泣いてるということは幽霊ではない、本物だ
「えと…あ、レミィ…ただいま…」
私に気が付くと兄は私に微笑みを返した
それを見て、私も涙が込み上げてきて
姉のように抱き着いて泣いた
訳が解らなくなるくらい泣いた、顔が目茶苦茶になるくらい泣いた
もう絶対に兄と離れたくない
お兄ちゃんは私だけのものなんだから…
side dolme
前略母さん父さん
俺は今姉と妹に抱き着かれて泣かれています
数日はいなくなって死んだと思われていたらしいです
いやまああってるっちゃああってるんだけど…
とにかく、姉が泣いてるのなんて初めて見た
妹もここまで泣いた事はないだろう
服がもうびしょびしょなんですけど…
とにかくあと10分くらいは離してくれないだろう
そろそろ夕飯の時間か…今日は何にしようかな…
とにかく、もう少しだけ二人に付き合う事にしよう
side dolme?
暗かった
暗い心に、暗い牢獄
とにかく闇に包まれていた
魂の片割れ、闇の心
光に見捨てられ、光を取り込み完全な闇となった
だが光は復活し完全となった
それなのに私は消えなかった
それ所か私もまた完全な魂として復活していた
光と闇、一つの身体に二つの魂
普通なら成り立つ筈が無い、だが成り立っている
やはりこの身体の特別な体質のお陰だろう
何故こうして復活させられたか、それは定かではない
だが、今それは問題ではない
問題なのは『あれ』から任せられた仕事だ
『魂を出来るだけ連れてもう一度死んでこい…』
奴はさ迷う魂をその体質で、私は歪な魂を刈って
実に理に叶ったいい役割分担だ
それに…多くは『あれ』の暇潰しと言った所か
「…まあいい」
…これから、この二つ目の命がどう転ぶか…
楽しみで楽しみで、しょうがない
「ククク…ハーッハッハッハッハ…」
最終更新:2009年04月06日 00:19