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街を燃料に燃え上がる炎
その炎が黒煙を生み出し
太陽の光さえも遮り
街に暗黒の幕を掛ける

そんな街や村を何度も見る事になる人物

それは選ばれし者であり、罪を背負う者

―――――――――――――――――――――――――――――

戦場に作られた宿舎
そこには負傷した兵士もいれば
今後の戦闘にそなえる兵士も居る。

兵士たちが恐れや恐怖、そして尊敬の入り混じった目を向ける方向
兵士の宿舎から少し離れた箇所に休所を構えていた、兵士とは明ら
かに違う黒い制服を身に纏い、戦闘経験の有る者ならば解るであろ
う異質なオーラを発していた。

「だから…西から攻めれば…」
「でも、それで裏をかかれたら反撃方法が少なすぎる!!」
「一般兵士なら…の話しだろう、私達はまだ術がある」
「しかし、同行する兵士の事も考えて!!」
「無駄に時間をかける必要は無い、一気に攻め込む…」

兵士の隊長らしき人物と、異質な集団の統率者であろう人物。
その2名が言い争うかの様な、会議と言えない会議をしている。
言い争う2名の裏の休所の中には黒い制服を着た人物が3名。
統率者の命を待っているのか、何をする訳でもなく全員が黙り
まるで自分以外が居ないかの様に俯いている。

「うわぁ…やべぇ、遅れたぁーー?」

やたら明るい口調が、休所の入口からその暗い空間を打ち破る
休所にいた3名が入口に目を向け、2名が立ちあがる

「オノリオ…遅いぞ。」
「いくら自力の転移が出来るからって、遊びすぎだ」

立ち上がった2名が入口の男に話かける

「わりぃわりぃ、隊長には内緒にしてくれよー」

オノリオと呼ばれた入口の男が悪びれも無く2名に答える
オノリオに話しかけた2名は何を答えるでもなく、先ほど
座っていた箇所にまた腰を下ろす。

「………」

オノリオに声を掛けなかった1名が立ちあがり、オノリオの横を
何も言わずに横切って休所から表へと歩き去る。

「…なぁ、今のって新しい奴?」

オノリオが残った2名に質問をする。

「ん…?あぁ、数日前にいきなり配属されたんだよ」
「研究所上がりって話だ、詳しくはしらねぇ」

オノリオに返された答えは、あまりにも完結で冷たかった

「ふーん…でも、まだ子供じゃねぇの?ちっちゃかったぞ?」
「知らねえよ、何も話さない奴だからな。」
「……へぇ…ちょっと絡んでみっか」
「やめとけよオノリオ、どうせ訳ありな……」

仲間の制止を聞いてか聞かずか、オノリオは休所を駈け出して行く。

―――――――――――――――――――――――――――――

休所から少し離れた所で膝を抱えて座り込む青年が一人
先ほど、オノリオの横を無言で通り過ぎた青年
彼は何をするでも無く、ただ地面の一点を見つめていた。

一人で居る青年の頭に、いきなり重みがかかる
青年は驚いて頭の上の重みの原因を両手に取って確かめると
彼の手の中には炎の尾を持つ1匹の子犬がいた

「……イフリート…?」

イフリートと呼ばれた子犬は尻尾を振り、青年へキラキラした瞳を向ける

「何でこんな所に…迷子……じゃないよね…?」

少し困惑した青年はイフリートに優しく話しかける
その青年の背後に気配を消して立つオノリオ

「よぉ、新しく配属されたのってお前?」

背後に立たれていたのに気がつかなかったのか、青年は驚いて振り返る

「俺のイフ、可愛いだろ?」
「……。」
「あれ?子供には動物が鉄板だと思ったんだけどな、嫌いだった?」
「………20歳だ…子供じゃない…。」
「あっ、解った!お前ねこ派か?」
「…確か……オノリオ…」
「おっ、名前覚えてくれた?嬉しいねー」
「2人がまた遅刻だってぼやいてたから…」
「うわ、そういう印象?」
「……別に…何とも思ってない」

人懐こそうなオノリオと、人を避けたがっていそうな青年
まるで正反対の2人の、噛みあわない会話が続く…

―――――――――――――――――――――――――――――

明るくて軽い性格のオノリオ 人を避けた青年

この2人は、後に何度も任務を供にする事になるとは
誰も思っていなかった…



そしてこの時…、2人の運命の歯車が噛み合ってしまった事も…





[fin]

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最終更新:2009年05月09日 01:53