悲劇を紡ぐ魔手が舞い、永劫の愚者は酔い痴れる。
札が躍り、騎士は黒き山羊を駆り、黒き甲冑に身を包んで猟へと赴く。
三人の赤子がいた。
一人は力を持たぬゆえに剣を取り、剣とともに生きる事を選んだ。
一人は烈火とともに生まれ、名前に獅子を冠し、蟲の王に育まれた。
一人は生まれながらに命の意味を知らず、愛を凶刃と血で表現した。
生まれし時も場所も違えど、彼らは正銘の家族となった。
飼われし少女は束の間の遊びの刻、数多の出会いを得る。
ある者は一瞬を切り取る事に生涯を費やし、その一瞬を紙へと焼き写す。
血戦の最中、私は見た。
虹を描く少女と、全てを砕く少女と、白き肉塊を産み出す少女を。
人倫を意に介さず、哀れな者を貪り尽くす三人の少女を。
彼は確かに血戦の最中、果てた。
しかし、私は再び彼を見た。
術法の海を通って黄泉返った凶気が、私を殺しにやってきた。
最終更新:2009年06月22日 01:14