核汚染で人間はおろか、他の生物さえも見当たらない寂しい世界に辿り着いた。化学の力を暴走させた者達の末路とは虚しいものだ。人間とは、愚かな生き物だなー…

まあ、そんなことはどうでも良い。私は紙と水さえあれば生きていけるからな。
しかし最近はその紙ともだいぶご無沙汰だな。奴の姿を久しく見ていない。再生紙でも良いからとっとと支給してもらいたいぜ。
おっと、だが待て。いくら紙でも、チラシと新聞紙だけは勘弁してくれよ? あいつらの殆どはインクに染められて紙の本分を忘れちまった甲斐性なしさ。自分の使命を忘れちまうような奴を口にするなんて御免だね。
俺にだって山羊としてのプライドはある。ただ紙を食わせとけば良いなんて思うなよ。山羊は廃品回収のトラックじゃねぇんだからな…
特に最近のガキは躾がなってねぇ。俺たち山羊を見ると、寄ってたかって紙を食わせようとしやがる。この前なんか、中学生ぐらいの憎たらしいガキが、俺の目の前に分厚い英語辞書を差し出しやがった。バカ野郎が、その表紙はビニール製だ。紙を持って来い、紙を。
だいたいな、お前らは山羊を……

【これより先は喰いちぎられていて続きが読めそうにない…】

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最終更新:2009年07月05日 01:19