【荒野を1人歩いている】
【あいつが来ると言う自信。いや確信が有る】
【その時、影が太陽を覆った】
【来た。アイツだ。我が好敵手は・・・】
【空より来たる】
【空中に留まる奴を見上げる】
【人が纏うにしては硬く、巨大すぎる鋼の鎧】
【嗚呼。笑いが止まらんよ】
来たか!Mizgitari(鷲の鬼神)!いや、Zaren(「復讐する」鬼神)よ!
「工藤・・・・」
【スピーカー越しに聞こえる声。ああ、やはりアイツだ。】
俺のMascarvin(死の鬼神)・・・榊 剛縁よ!!!!
「くどおおぉぉぉぉ!!!!」
【爆音。吼える機人。上司を演じている時では味わえないこの感覚】
ククク・・・・そうだ。怒れ!お前の中の獣を俺に見せろ!かつて俺と戦場を駆け抜けた時の様に!
「てめぇが口を開いて良いのは―――」
【俺を追っていた銃口が俺を捉える】
「血反吐を吐く時だけだろうがぁ!」
【横っ跳び。今の今まで俺の居た場所の地面が破裂した】
【ああ・・・やはりこいつを敵にして。アイツを殺して正解だった】
【荒野を駆ける】
ククク・・・・・
【駆けながら髪を掻き揚げ、足で線を引く】
【追う事に徹しているアイツは俺を追い越さない】
……………キィィプ―――
【奴の機体が線の上を通る・・・今!】
アウトォ!
【空間を隔てる壁を生成した】
「なっ・・・」
【榊の間抜けな声が聞こえ、巨大な鎧が地面を滑る】
【その鎧に足は膝から下が壁に阻まれブッツリと切断されている】
ククク・・・どうした?
【当然。これしきの事で終わる奴じゃ無いとも分かっている】
【いつも通り俺を恨んで、足掻いてくれるはずだ】
悲しきかな・・・・これが人と能力者の――――
「ビルド・・・・」
ガゴンッ
【キャノピーが開く、出てくる気か?・・・これは!?】
「ファルケン!」
【赤い鎧を纏って出てきた・・・そうか。そうか!】
魔力を得たか!榊ッ!!!
【ソレを知った瞬間。俺はどんな言葉でも表わせない喜びを知った】
「手前だけは」
【そうだ。武器を取れ。】
「ぜってぇ殺す」
ククク・・・・キープアウト!
【空気が振動し目の前を爆煙が覆う】
【この間に紙を出し】
………smoke
【衝動を抑えて思いっきり逃げる事にした】
hole
【近くの廃ビルで決着をつけよう】
ククク・・ククククク
【暗いビルの中、俺は得物を手にしている】
コレを手にするのはいつぶりか
【手には二本の刃で螺旋を描いた様な奇怪な剣を持っている】
【DNAの立体構造を想像して貰えば近いだろう】
【この感触、重さも何もかもが懐かしい。アイツの剣だ】
クッ・・・・クカッ。ククククク
【笑いを堪える。まだ終わった訳では無い】
【愛しき獲物を第三の眼で捉えよう】
「・・・・此処。みてぇだな」
【外からビルの中の俺を見据える】
【ククク、嬉しいぞ榊。より強くなった貴様を見るのは】
「今行く。」
【呟いて俺を目指してビルを上る】
【クク。待つ間に準備を終えよう】
【ああ、楽しみだ。本当に・・・・・】
カッ―――
【足音が止まる】
【奴が来た】
……………ようこそ。とでも言えば良いか?
【笑みを堪える必要も無い。満面の笑みで俺は俺の宿敵を迎える】
「ああ・・殺しに来た。・・・いや、仇を討ちに来たって方が正しいか」
「死んで貰うぞ!工藤!」
ああ、お前は俺を殺す権利が有る!
【死を穿つ。当たれば肉どころか命を殺ぎ落とす螺旋の剣を・・・】
ギィンッ
【硬すぎる装甲が防いだ】
「てめぇなんかが永久の宝剣を扱えると思ってんのかぁ!」
【怒号が響く。クク。分かっているさ己の力など】
【だがまだ退かぬ】
ククク。貴様には権利が有る!この剣の・・・お前の主だった者達を殺した俺に復讐する権利が!
「くどおおぉぉぉぉ!!!!」
【咆哮。続いて視界に入ったのは閃光】
【閃光はこの場では防げず、避けれず、直撃は死と理解する】
【嗚呼。やれやれだ】
甘いぞ・・・榊
【本当にやれやれだ。俺の教えた事を忘れたなこの阿呆め】
hole!
【発動。閃光が俺の「居た」場所を通過する】
【廃ビルとは言え分厚い壁を閃光は貫く威力】
【当の俺は脱出させて貰ったがね】
B,o,m,b,
【離れた位置から廃ビルに予め引いていた線を爆破する】
心は熱く。頭は冷静に、そして
最後まで手は綺麗に・・・だ
【俺が弟子に送る言葉を呟いてビルが完全に崩れたのを見届ける】
【クク、奴の装甲もよく知っている。死ぬ事は無いだろう】
さらばだ榊・・・残念だが俺もまだ死ぬつもりは無い
【永久の宝剣。螺子を担ぐ】
俺のお前等に対する贖罪はまだ終わっていないんでな
【そう。俺が俺の復讐を終える時までまだ死ねないのだ・・・ククク】
おまけ
Ψ知らなくて良い過去Ψ
「辞令?」
【朝、歯を磨いて居る時の事・・・突然の事だ】
【とある戦争が勃発している地域、いや世界に派遣されていた俺に下されたソレ】
【ソレを聞いた時の第一声は】
「・・・どういう事だ?」
【相手が俺に、部隊幹部に命令を下せる立場という事すら忘れて怒気を露わにした】
「言った通りだ。君が適任なのだよ」
「もし、断れば?」
「そりゃあ残念だが他の人に頼むしか無いだろう。・・・・目撃者、関係者は悉く排除してね」
【成程。あいつ等に近い俺なら怪しまれないってか】
「外道が」
「有難う。最高の褒め言葉だ」
「・・・教えて欲しい事が1つ」
「必要な事か?ソレは」
【冷たい声だ。だが怯めない】
「ああ。何故あいつを殺す必要が有る」
「・・・工藤。元上官として教えてやる。負の感情が募れば其処に能力者は産まれる。
戦場は良い能力者の生産工場となるんだ・・・それを止められたら困るだろぅ・・・・」
【拳を握る。コイツが喜ぶ顔が目に浮かぶ】
【不愉快だ不愉快だ不愉快だ】
【だが逆らえば】
「ッ・・・・」
【天秤に掛ける。両方失うか、1人だけ残して恨まれるか】
「良いだろう。従ってやる。お前等の犬に成り果ててやる・・・クックククク」
【こうして俺は狂い始めた】
【選んだ道?ククク・・・お前等には関係無かろう】
最終更新:2009年07月30日 09:23