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……暑い。
どうなってんだ、これ。

寝苦しさで目が覚めるという、最悪の朝だ。
エアコンの温度を確認すれば、何も表示されて無い。
恐らく、エアコンが逝っちまったんだろう。
畜生、よりによってこんな真夏日にかよ。

自室のドアを開けて、涼しいだろうと思ってリビングへ移動する。
さらに蒸し暑い空気が充満していて、一瞬動きが止まる。
こりゃ、俺の部屋のエアコンだけじゃないのか?
テレビをつけようとするが、電源が点かない。
冷蔵庫からの駆動音もしない。
……言葉も出ねぇよ。
幸いだったのは、食材を殆ど昨日の晩に使い切ってるから、中身が腐る心配はない点だ。
冷たいお茶でも飲もうと思ったらこれだ、ふざけやがって。

「おはようございます、レオ。今朝は遅いですね」
冷蔵庫の前で途方に暮れてたら、後ろから声をかけられた。
振り向いて、またすぐに冷蔵庫の方に向き直った。
だって、振り向いたら…全裸の姉だぞ?凝視できるか?

「服着ろ!でなきゃ隠せ!!」
「嫌です。暑いので」
俺だって暑いよ。
でも、なんていうかそうじゃないだろう。
誰か、この女をどうにかしてください。切に。
「だったらせめて、水着とか……」
「水着なんて、家の中でそんな…恥ずかしいじゃないですか」
ほんのり顔赤らめて言うな。
俺か?マイノリティは俺なのか?
それとも、暑いせいでネジが飛んでるのか?

「で、この暑さは何で?電気が止まってるのか?」
観念して、姉のほうに向いて問いかける。
もちろん、目線はできるだけシズ姉の顔に集中して、そこから下は見ない。
「ええ……夕方には復旧すると通達がありましたが」
「通達?電気止まってんのにか?」
「ですから、先ほど訪れた伝令から直接聞きました。どういう訳か、ずっと目を逸らしていましたが」
「おい、まさか」
誰か、どうにかしてくれ。
オヤジよ、俺は貴方を尊敬するが、この点だけはいただけない。
恥じらいというのを教育してくれなかったのか。
溜め息をついた時、ふと、何かの臭いに気付く。
この臭いは……?

「………マリクは?」
「昨日の晩から任務です。帰還は明日となっています」
「……ちょっと待て、この臭いって……」

嫌な予感がしながらも、マリクの部屋のドアを開け放つ。
瞬間、腐臭がリビングを包む。
「くっせぇ!あのガキ、ちゃんと後片付けしろっつっただろ!!」
こらえ切れず、叫ぶ。
剥製がズラっと並んでるのはスルーするが、その「残り」を処理しないで出て行きやがった!
血の海になってる床はいいが、ゴミ箱に無造作に臓○を突っ込んでるのは無いだろ。
とにかく、その腐臭の発生源になってるゴミ箱を持ち上げる。
重てぇ。もしハエがいたら、絶対にたかってるはずだ。
それをゴミ袋に入れて、キッチリと閉じる。
「シズ姉、消臭頼む」
「…もう準備しています」
既にシズ姉は噴射タイプの消臭剤(ファ○リーズ)に、設置型の消臭剤を開封している。
流石というべきか、どうなのか。


ゴミ袋を集積所に持っていった後、帰ってくると腐臭はいくらかマシになっていた。
あのガキ、帰ってきたらゲンコツでも見舞ってやる。



余談だが、結局シズ姉は電力が復旧するまで裸だった。








おわり

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最終更新:2009年08月04日 11:01