/0 序章
――俺は一体……
【ふと目蓋を開くと、彼――久我山秀輝は古びた教会の真ん中にいた。】
“気がついたか――”
【彼の耳に誰かが発した声が届いた。】
【目覚めたばかりの彼は、視界がぼやけていたために、その声の主をはっきりと見ることは出来なかった。】
“――ホルスよ、使命を果たせ”
【教壇の上にいる黒い影のようなものが彼に言い放つ】
ま、待ってくれ!その『ホルス』とは俺のことなのか?
俺はホルスなんて名前じゃ――
“否、貴様は既に選ばれし戦士なのだ。ホルスよ、戦士としての務めを全うしろ”
【影が何か銀色に光るモノを投げつける。】
【慌てて彼はキャッチすると、それはブレスレットであった。】
“後はその『ウジャトの眼』が導くだろう。それは戦士の証――誇りだ”
【恐らく、『ウジャトの眼』とはブレスレットに埋め込まれた宝石のことだろう。其れは血のように赤黒い色をしていた】
【彼は影に言われるがままに左腕に着用した】
それで、具体的に俺は何をすればいいんだ?
“闘え――の日が来るまでに戦士として――を倒すのだ”
【突如として影の言葉に雑音混じり、はっきりと聞き取れなかった】
【――瞬間、彼は両足で立つことが困難になり、膝を地につかせる。頭痛も激しく、視野もブレが増してゆく】
ううっ…ま、まだ…俺は…聞きたいことが…
“さぁ往け――幾多の世界を巡りで己が真実を掴め”
【そう言い残すと影は消滅する。】
【彼も頭痛に耐えきれずに倒れてしまった。再び目を覚ましたとき、彼の瞳は何を映し出すのであろうか――】
――序章・了
最終更新:2009年09月01日 19:59