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『――臨時ニュースをお伝えします。昨夜未明に河原で発見された遺体は…』

高層ビル街のモニターからはひっきりなしに殺人事件の報道がされている。
一見、只の猟奇殺人に見えるその事件には予想も出来ない“裏”が潜んでいた。

「チッ、これでもう13件目か……。」

ハァ……と溜め息をつきながら男は道端のベンチで煙草をくゆらす。彼は気怠そうな態度でモニターを見やる。

「一時期は収まったと思われた“能力者狩り”の復活。そして、現場付近で目撃されるミイラのようなバケモノ……。
――ったく、今度の犯人はエジプト出身の能力者か?」

煙を吐き出して、吸い殻を携帯灰皿にゴシゴシと強く押し付ける。そして、青色のケースからまた一本取り出しては着火させた。

「政府の連中もよく能力者の存在を隠し通せるな……。これだけ立て続けに死んでるんだぞ。」

小言で文句を吐いていると、彼のケータイに着信が入る

『タカミ、何をしてるの?!アナタもさっさと現場に…』

「あー悪いな、今から向かうところだ。そっちに何か新しい情報は?」

『恐らく、今回も同じ手口だわ。現地にいる鑑識官が遺体から包帯の切れ端みたいなのを発見したそうよ』

「そうか…これでビンゴってワケか。それじゃあ、急ぎますか」

『ま、待ってまだ話しが――』

男は電話を切ると、ゆっくりと立ち上がる。そう彼こそは、世界警察で能力者事件を主に担当する“能力者”の刑事・鷹見圭一である。

「何かあったら頼むぜ、俺のマドンナ……」

彼は腰に携えているリボルバー式拳銃に手を当て、呼吸を整えた後に走りだした。
――鷹見の座っていたベンチの後方に、走り去る彼を見つめる人影があった。

『――審判の時は来た。今こそ力ある者達に死刑を』

スーツ姿でサングラスをかけている男は不気味に笑いながら、姿を消した。


              ―了―
最終更新:2009年09月20日 00:12