歯周治療学

2009年12月の後期試験 歯周 30期作製資料


(A) はH20年をベースに、覚え書きを足して作りました。
(B) 以降は変わってなかったのでそのまま。

(A)
正しければ○、誤っている所は下線を引いて正しい語を書け
1. 新付着術後の治癒形態は新付着である→× 新付着とあるが実際は治癒形態は上皮性付着。あんまり使われなくなった。新付着とは結合組織性付着。
2. 歯肉切除は外斜切開を用いる→○
3. 歯肉切除術の切開には替刃メスを用いる→○
4. 歯肉のメラニン色素沈着の除去には歯肉整形術を行う→× 歯肉整形術は歯肉の形態異常を改善する。メラニン沈着の除去はレーザーかフェノールなど薬品使用の2パターン。
5. フラップ手術後の治癒形態は新付着である。→× 治癒形態は歯肉退縮and/or 上皮性付着。
6. 歯周病で破壊された歯周組織の再生は現時点では不可能である→× 可能である。
7. GTR法では歯肉線維芽細胞による再生を期待する→× GTRは歯肉由来の細胞が歯根表面に侵入するのを防ぐ。歯根膜由来細胞によりコラーゲン線維の再生を期待する
8. GTR法では遮断膜の設置と歯肉弁縫合の後、歯周パックで創面を保護する→× 歯周パックは使わない。そのため創面を保護できないので術後落ち着くまでブラッシングは行わず、PMTCや洗口剤でプラークコントロールする。
9. GTR法では上皮の深行増殖と新生セメント質形成がみとめられる→○
10. エムドゲインはウシの歯から精製したエナメル基質タンパクである→× 豚!
11. 頬小帯は小帯切除術の適応にならない→× 適応になる。
12. 歯肉弁根尖側移動術の目的は付着歯肉幅の増加である→○ あと歯周ポケットの除去も目的の1つ。
13. 歯肉弁歯冠側移動術の目的は付着歯肉幅の増加である→× 目的は歯根面の被覆である。歯肉弁歯冠側移動術は粘膜を歯冠側にもってくるので、付着歯肉が増加しない。
14. 根尖側に付着歯肉幅が少ない症例は、歯肉弁歯冠側移動術の適応症である→○ 十分な角化歯肉幅が必要なので、付着歯肉が無くても角化歯肉があれば大丈夫。
15. 歯肉弁側方移動術の目的は付着歯肉幅の増加である→× 目的は根面被覆。
16. 両側乳頭歯肉弁移動術の目的は付着歯肉幅の増加である→× 目的は根面被覆。
17. 口腔前庭拡張術の目的は、露出根面の被覆である→× 目的は付着歯肉の増大を含めた口腔前庭拡張。
18. 遊離歯肉弁移植術の目的は露出根面の被覆である→○ 付着歯肉の増大も目的。
19. 遊離歯肉弁移植術における移植片の採取には、上皮を含める→○
20. 歯肉結合組織移植術の目的は、露出根面の被覆である→○ 付着歯肉の増大も目的。
21. 歯肉結合組織移植術における移植片の採取は、口蓋側歯肉から行う→○
22. PMTCでは歯肉縁上のプラーク除去を行う→○
23. エナメル突起は上顎第一小臼歯に認められる。根分岐部病変の原因となる→× 上下顎大臼歯に認められる。下顎大臼歯に多い。
24. Glickman3級の根分岐部病変では、歯間ブラシによる清掃は困難である→○ 歯肉に覆われているから。
25. ヘミセクションとルートセパレーションの選択は、根分岐部の骨吸収程度によって決定する→× 根分岐部ではなく、近心根と遠心根の周りの骨吸収を見る。
26. ルートリセクションとトライセクションの違いは抜去する歯根の歯冠部分を保存するかどうかである。→○
27. ルートセパレーションを適用する場合、必要であればフラップ手術を行う→○
28. メインテナンスは、患者自身による口腔管理と歯科医師によるリコールからなる→× 歯科医師によるプロフェッショナルケアからなる。リコールは、患者さんに来院を促すことである。
29. メインテナンス時にBOP(+)、歯周ポケットが3mm以内の部位は良好と判断する→× BOPは-にしなきゃダメ!歯周ポケットは3mmで正しい。

(B)
以下の語句を説明せよ
1. グラインディング
歯ぎしりのこと。ブラキシズムのうち、上下顎の歯を強く接触させながらこすり合わせる状態。著しい咬耗が生じる。

2. クレンチング
くいしばりのこと。ブラキシズムのうち、上下顎の歯を接触させて強くかみしめる状態。著しい咬耗が生じない。

3. タッピング
ブラキシズムのうち、上下顎の歯をかちかちと何度も連続的に咬み合わせる状態。

4. BULLの法則
側方運動での咬合調整の時に、作業側を削合するときに使う法則。機能咬頭を維持するために、上顎upper臼歯では頬側buccal咬頭内斜面を、下顎lower臼歯では舌側lingual咬頭内斜面を削合する。

5. ファルカプラスティー=ファーケションプラスティー
根分岐部病変に対する治療法の1つ。歯や歯槽骨を削って根面と骨面を移行的にし、根分岐部の清掃性を向上させる。1度~2度の病変に適応される。

四枚目(B続き)
6. ルートセパレーション
根分岐部病変に対する治療法の1つ。歯根周囲の骨状態は良好で根分岐部にのみ病変がある場合に歯根を分割して清掃性を向上させる。2度~3度に適応される。生活歯なら抜髄後に行う。術後は、分割した歯を連結するかそのまま単冠で補綴処置をする。

7. ヘミセクション
根分岐部病変に対する治療法の1つ。下顎大臼歯に対して2根のうち1根が保存不可能な場合に、歯根を分割して状態が悪い歯根を歯冠ごと抜去する。生活歯の場合は抜髄後に行う。術後はブリッジを作製する。

8. トライセクション
根分岐部病変に対する治療法の1つ。上顎大臼歯に対して3根のうち1根が保存不可能な場合に、歯根を分割して状態が悪い歯根を歯冠ごと抜去する。生活歯の場合は抜髄後に行う。2度~3度に適応。術後は補綴処置が必須である。

9. ルートリセクション
根分岐部病変に対する治療法の1つ。上顎大臼歯に対して歯冠は残して歯根のみ抜去する。生活歯の場合は抜髄後に行う。2度~3度に適応。術後に必ずしも補綴処置が必要でない。

10. トンネリング
根分岐部病変に対する治療法の1つ。根分岐部を完全に貫通させて歯間ブラシで清掃できるようにする。下顎大臼歯の2度~3度に適応。根分岐部が歯肉に覆われている場合は、根分岐部が歯肉から露出するようにする。術後は根面う蝕や知覚過敏に気をつける。



(C)
次の歯周外科治療について知るところを書け
 歯肉剥離掻爬術
 フラップ手術のことで、歯肉に切開を加えて歯肉弁を翻転させ歯周ポケットを浅くする。また、術中に切除歯肉片・不良肉芽。病的セメント質の除去、歯槽骨の形態を整えたりする。

 新付着術
 歯周ポケット内壁を切除し、露出した歯根表面をSRPした後、歯肉を縫合し歯根表面に密着させて治癒をはかる。歯周ポケットを浅くすることを目的とした歯肉弁が移動しないフラップ手術である。

 歯周ポケット掻爬術
 ユニバーサルタイプのキュレット型スケーラーを使って歯根表面に付着した細菌・歯石・病的セメント質の除去およびポケット内の上皮・肉芽組織を取り除く。

 歯肉切除術
 ポケットを形成している歯肉を外斜切開により切除する。歯肉増殖症において良く使われる。

 歯周組織再生療法
 再生療法にはGTR法やエムドゲインを使う方法、または自家骨移植がある。GTRやエムドゲインでは、治癒形態がセメント質と歯根膜による結合組織性付着となる。GTRやエムドゲインは適応が限られるので、骨欠損の状態の見極めが大事である。
(D)
次の語句を二つの違いがわかるように説明せよ
1. 骨縁上ポケットと骨縁下ポケット
前者は、ポケット底が歯槽骨頂より高い位置にあり、後者は低い位置にある。

2. 歯槽骨切除と歯槽骨整形
歯槽骨整形は固有歯槽骨を削除することなく歯槽骨の形態を整える。歯槽骨頂の高さは変化しない。一方、歯槽骨切除は固有歯槽骨を除去して歯槽骨の形態を整える。歯槽骨頂の高さは減少する。

3. 全層弁と部分層弁
前者は骨膜を含む歯肉弁で、後者は骨膜を含まない歯肉弁。

4. 自家骨移植と他家骨移植
前者は自分の骨で、他家骨移植は自分以外のヒトやウシの骨である。

5. 内斜切開と外斜切開
前者は歯槽骨に向かう方向にメスを入れることで、後者は歯冠に向かう方向にメスを入れること。



(E)
MGSを5つあげて、それぞれ目的、適応、禁忌、術式を書け。
※MGSとは、歯肉歯槽粘膜形成術=歯周形成手術のこと。
術名 目的 適応 禁忌 術式
小帯切除術 小帯の高位付着による為害性を改善 小帯の付着位置異常
小帯硬直症
コントロール不良な全身疾患を有する患者
プラークコントロールが不良な患者
う蝕感受性の高い患者
コンプライアンスが得られない患者
非現実的な患者
小帯切除
縫合
歯周パック
口腔前庭拡張術 口腔前庭を拡張 口腔前庭が浅く付着歯肉が喪失していて、
プラークコントロールがしにくい症例
コントロール不良な全身疾患を有する患者
プラークコントロールが不良な患者
う蝕感受性の高い患者
コンプライアンスが得られない患者
非現実的な患者
切開
部分層弁の縫合
必要ならば遊離歯肉移植
歯周パック
歯肉弁歯冠側移動術 根面被覆 Millerクラス1~クラス2の歯肉退縮 角化歯肉が不十分な場合
コントロール不良な全身疾患を有する患者
プラークコントロールが不良な患者
う蝕感受性の高い患者
コンプライアンスが得られない患者
非現実的な患者
移植床の形成
有茎移植弁の形成
有茎移植弁の歯冠側移動と縫合
歯周パック
遊離歯肉移植術 歯肉退縮の改善や付着歯肉の増大
口腔前庭の拡張
小帯切除後の付着歯肉
Millerクラス1~クラス2の歯肉退縮
審美性が求められる場合
コントロール不良な全身疾患を有する患者
プラークコントロールが不良な患者
う蝕感受性の高い患者
コンプライアンスが得られない患者
非現実的な患者
移植床の形成
供給川からの遊離歯肉移植片の採取
移植片の適合と移植床への固定
歯周パック
結合組織移植術 根面被覆と付着歯肉の増大 Millerクラス1~クラス2の歯肉退縮 コントロール不良な全身疾患を有する患者
プラークコントロールが不良な患者
う蝕感受性の高い患者
コンプライアンスが得られない患者
非現実的な患者
移植床の形成
供給側からの結合組織移植床の採取と供給側の縫合閉鎖
移植片の適合と移植床への固定
部分層弁の縫合
歯周パッック




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最終更新:2011年01月05日 20:21
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