歯科矯正学

30期会作製資料:)
写真(実習書と授業プリントの写真)の装置の名称と特徴(装置の構造・使用目的・適応症・治療効果などを書けばいいと思います)について知るところをかけ。
(7~8行程度)



① マルチブラケット装置




多数の歯面に付けたブラケットにアーチワイヤーを固定することでワイヤーの弾性力を使って三次元的に理想の位置に歯を配列させる装置である。混合歯列期の限局矯正から永久歯列の本格矯正まで適応できる。装置は、歯に矯正力を伝達するブラケット、矯正力を発現するアーチワイヤー、ブラケットとアーチワイヤーを固定する結紮線、補助的アタッチメントとしてエラスティックスレッド、エラスティック、コイルスプリングがある。現在は、ブラケットを歯面に直接つけるダイレクトボンディングシステムが主流となっている。マルチブラケットを使う方法はAngleが発表したエッジワイズ法がメインで、他の方法にBegg法などがある。




② 舌側弧線装置=リンガルアーチ




固定源として臼歯部に維持バンドをつけ、バンド間を主線により連結し加強固定し、補助弾線により持続的な弱い矯正力を作用させる装置である。補助弾線には、前歯の唇側移動に使う単式弾線、犬歯・小臼歯の移動や2前歯の唇・頬側移動に用いられ最も良く使われる複式弾線、歯の近遠心移動に使う指様弾線、小臼歯の頬側移動や前歯の捻転の改善に使う連続弾線がある。診療時に主線や補助弾線の調整が容易にできるようにS.T.ロックなどの維持装置がバンドにろう着されている。この装置は応用範囲が広く、歯を傾斜移動させるだけでなく、乳歯から永久歯への交換期の保隙、矯正治療の動的治療終了後の保定、顎間固定装置、マルチブラケット装置を用いた際の加強固定装置などとしても使用可能である。Mershonムシャーンという人が考案した。




③急速拡大装置=ラピッドエクスパンション


拡大ネジによる断続的な整形力を上顎骨に加え、上顎正中口蓋縫合を離開して上顎歯列を側方拡大させる。適応は上顎の狭窄歯列弓や側方歯反対咬合を伴う思春期までで、正中口蓋縫合が完全に癒合した成人には基本的に使えない。装置は拡大ネジ(拡大スクリュー)によるkg単位の矯正力がかかるので、強固に固定するため維持バンドを4歯(上顎4番と6番)につけ、そのバンド同士を維持バンド連結用ワイヤーでつなげる。1日に0.2mmのスピードで側方拡大され、患者さんもしくは保護者自身がネジを回す。



④バイオネーター


機能的矯正装置の一つである。AngleⅠ級・Ⅱ級1類に使用する標準型は唇側線・舌側線・コフィンワイヤー・拡大ネジ(スクリュー)・床で構成される。適応はAngleⅠ級、Ⅱ級1類、Ⅲ級そして開咬や過蓋咬合など広く適応できる。それぞれの不正咬合にあった構成咬合採得をおこなって、治療を進める。アクチバトールに比べて床が小さいため長時間使用できる。


⑤構成咬合器


機能的矯正装置を作る際に患者さんの口腔内で採得した構成咬合位を模型に付与するために使う咬合器である。構成咬合とは、下顎運動に関与する筋肉や口輪筋や舌筋などの口腔周囲筋の力を矯正力として利用するための人為的な下顎位である。


⑥トランスパラタルアーチ



バンド、維持装置、パラタルバーからなる。マルチブラケット装置を用いた前歯後退時の臼歯部の近心移動を防止したり、嚥下時に加わる圧下方向の力によって6番の挺出防止や垂直的な加強固定に使用される。また、装置を側方に活性化することで左右6番間の幅径を拡大できる。適応症は混合歯列期における上顎大臼歯の捻転と近遠心的位置および頬舌的傾斜の改善ならびに挺出の抑制に用いる。永久歯列期には加強固定として使用する。


⑦ヘッドギア



頭頚部を固定源として上顎歯列に牽引力を加える装置。構造はフェイスボウ(口内弧線、口外弧線、Jフック)、ネックバンド(サービカルタイプの時)、ヘッドキャップとエラスティック(オクシピタルタイプとハイプルタイプの時)、維持バンドからなる。適応は、ハイプルなら臼歯の圧下、サービカルプルなら臼歯が挺出し咬合挙上、J hookなら上顎3番の遠心移動、上下顎前歯の圧下抑制、または上顎成長抑制や加強固定にも使われる。


⑧チンキャップ装置



下顎の成長発育抑制と下顎の後方移動もしくは後下方への回転を目的とし、上下顎骨の前後的位置関係を改善する可撤式装置。頭部固定用のヘッドキャップ、オトガイを覆うカップ、牽引用のエラスティクで構成される。下顎の過成長を伴う成長期の骨格性Ⅲ級に適応される。下顎前歯部を舌側傾斜させたり、オトガイ部の突出の改善にも使用できる。また、反対咬合治療後の保定や上顎を前方に牽引する際の固定源にもなる。夜間就寝時を中心に10~12時間使用させる。


⑨上顎前方牽引装置



Jarksonがチンキャップから派生させて考案した顎外固定装置。口腔内装置と口腔外装置から構成され、口腔内装置としては可撤式のオーバーレイタイプ、固定式のマルチブラケット装置タイプ・リンガルアーチタイプ・急速拡大装置タイプなどを症例によって選択する。いずれのタイプも前方牽引用のフックがついている。口腔外装置には、前額部を固定源としたフェイシャルマスクタイプあるいはボウタイプ、オトガイ部を固定源としたチンキャップタイプがある。上顎劣成長を伴う骨格性Ⅲ級に適応され、上顎の前方への成長発育促進、下顎の成長方向の変化、上顎6番の近心移動、上顎6番の挺出によるオーバーバイトの減少をはかることができる。夜間就寝時を含め1日12時間以上使用する。


⑩拡大床装置(緩徐拡大装置)



狭窄歯列の側方拡大に使用する可撤式装置。レジン床、スクリュー、クラスプ、スクリュー(拡大ネジ)で構成される。適応症は、おもに乳歯列期から混合歯列期の狭窄歯列に適用される。歯列および歯槽突起部が拡大され正中口蓋縫合の拡大は少ない。スクリューの調節を患者自身または保護者が行うので患者側の協力が必要。










⑪ホーレーの保定装置


上下顎いずれにおいても唇側線は犬歯の遠心部より咬合面を越え、後方臼歯のクラスプで床の維持を行うタイプの可撤式保定装置を言う。



⑫トゥースポジショナー


硬質な天然ゴムなどを使用して製作され、動的治療の終期から細かい咬合関係の仕上げを目的とした保定装置として使用される。




⑬リップバンパー


口唇圧を利用して大臼歯の整直(アップライト)や遠心移動を行う機能的矯正装置。前歯部の口唇圧排除により前歯部を唇側傾斜させることもできる。バンパー付きの唇側線とチューブ付き維持バンドで構成せれる。適応症は、口唇の過度な機能圧により叢生や前歯部の舌側傾斜を生じている場合、大臼歯の近心転位がある場合、固定源の加強を目的とする場合、吸唇癖や咬唇癖など口腔習癖を取り除く場合などがある。







⑭タングクリブ(タングガード)



異常嚥下運動や指しゃぶりを物理的に不可能とし、さらに正しい舌の位置と正常嚥下運動を学習させることを目的として使用する。固定性と可撤性があり、リンガルアーチタイプや床タイプなどがある。指しゃぶりや舌癖を伴う混合歯列期の歯槽性開咬が適応症となる。






⑮バンドリムービングプライヤー


バンドの撤去に用いる。バンド撤去の際、歯を傷つけないようにアルミニウムやプラスチックのチップが固定部についている。





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最終更新:2011年01月07日 00:13
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