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  • 管理人の日記/2008年02月09日/竜を駆る者
    #blognavi  年末からどうにも左足が疲れていて、今日やっと病院で見てもらったんですが、結果はなんともなしでした。立ち上がって一歩踏み出した瞬間とか、どうにも歩き方がぎこちないような気がしないこともないような感じなんですが。こう、血の巡りが悪い気が。でも、そうですか異常なしですか。レントゲンも取ったんですがね・・・。  で、ま、昨年夏からちょこちょこ読んでいた小説が今日の待ち時間でついに読了~。やー時間かかりました。そんなに分厚くないのに。予想通りと言うか、最後、幸せの谷の領主は生き残ると思った。結局、気の合わないまま、お互い警戒したままかと思ったら、あっさり。  ジョアズ、お前。  これでたまりにたまっている別の小説にいけます。Dの最新刊とか最初の10数ページしか読んでない(´∀`) カテゴリ [つれづれ] - trackb...
  • Men of Destiny 42
    砕ける星空  無音の爆発。  目を焼くスパーク。  機体を掠める光線。  戦艦から迸るレーザービームが交差する。  味方の砲撃を避けるように、相手の攻撃は避けてトリコロールの機体が戦場を駆け抜ける。 「こんなの、切りないぜっ!」  ミサイルを温存したまま、シンは機銃を武器に踊る。  最新鋭機体の新兵装を使う余裕もないまま、敵機に取り囲まれていた。  ついに激突した両軍。HUD上で敵味方識別コードが入り混じり、照準など取らなくても撃てば何かに当たる。ヘブンズベースを守る地球軍の防衛軍は一個軍団は下らない。迫るプラント側も負けてはいない。後方からの増援部隊が合流しようとしていた。  引っ切り無しになるアラームと、味方の通信が妨害の最中うるさく鳴る。 『この宙域はオーサー隊が引き受けた。ミネルバ隊は左翼の応援にっ』  若い男の声がシンの機体に下から迫り、短く...
  • ベルが鳴る夜 2
    「で、こんなところでアンタは何してるわけ?」  シンの部屋の窓に腰掛けて茜色の髪の天使が問いかけた。  いち早く卒業試験の答えを提出した学び舎の同期が、できた時間を利用して地上に降りてきていたのだ。こっちは未だ卒業試験に四苦八苦しているのに、肉をまとわずに霊体のまま気ままに地上旅行である。 「あらやだ。ちゃんと許可は取ってあるわよ。卒業旅行なの、りょ・こ・お」 「はいはい」 「こんな所で真実探しねえ。ここって孤児院でしょ、さっきちょっと中の様子を見てきたけど、あまり裕福そうではないし・・・」  そうなのである。  シンを抱え込むことになって少なからず経営が厳しくなっているはずなのである。それなのに、ミーアもアスランも何も言わずに、シンに任せるのは簡単な屋内の仕事ばかり。 「あんたがいないとレイの相手ばかりでつまらないわ」  シンとルナ、レイが...
  • 管理人の日記/2011年01月03日/七転八倒
    #blognavi 起き上がれない。 3Dをやる人は偉大だ。 メタセコイアでモデルを作っています。今年の冬休みはどこにも行かないからね、こーゆーのもいいかもと。webの入門サイトの恐竜を作った後に、早速開始・・・しかし、某ICカードのあれ。メタボ兄の方、単純なイラストだし簡単だろうと思いきや、道は険しすぎた。  自立できそうにないバランスだし、とても動かせそうにない。  メタセコイア、全然使い方わかりません。こう、空間把握能力がないと、これはつらいね。 カテゴリ [つれづれ] - trackback- 2011年01月03日 23 35 53 #blognavi
  • 管理人の日記/2006年03月21日/深紅の飛空挺
    #blognavi  やっちゃいましたよ。  飛空挺だってお嬢さん。  シード大陸の歴史の中で幾度なく起こる動乱の時を経て、周辺諸国を飲み込んだ東の帝国プラントが今やその広大な領地を掌中に収め、版図を確かなものとしていた。  滅ぼされた王国の中に南の交易の拠点として栄えていたオーブがある。オーブがプラントに飲み込まれて5年。未だ、旧王国派レジスタンスの噂が絶えない旧王都に新しい執政官が着任するという知らせが届く。その者の名は有能で名を轟かせ、辣腕で恐れられるイザーク・ジュール・プラント。白銀の髪を持つ彼は、帝国の第2皇子であった。  着任のその日、植民地となったオーブの空から深紅の飛空挺が舞い降りる。その飛空挺は賞金首の間で有名な空賊アレックスが駆るイージス。彼の狙いは王宮に眠ると言われる魔石。  5年前の戦争で家族を亡くしたシンは、旧王都で何でも屋兼...
  • Men of Destiny 40
    両手のシナリオ  円筒形のコロニーはゆっくりと回転していて、底部から伸びる3枚のミラーが光っている。太陽光が差し込む人工の大地には緑が広がり、湖には水鳥が浮かんでいる。ほとりにログハウスがある典型的なカントリー風景。むしろ、地上では消えた記憶の産物。  水鳥が一斉に飛び立った。  丘から1台のセダンが現れ、ログハウスに横付けする。防弾のセダンから降りるのは、今や最も有名なコーディネーターの一人、ギルバート・デュランダル評議会議長。先に降りて周囲を警戒するのが、レイ。その他、SPが周りを固める彼らを出迎える背広の男達、田舎風景に似つかわしくない光景はすぐにログハウスの中に消えた。 「これは・・・議長自ら足をお運びとは恐れ入りますな」 「それだけの覚悟を持って臨んでいるとお考え頂きたい」  あの小さなログハウスでは想像できない設備の部屋の中央に置かれたテーブルに男達が向...
  • 管理人の日記/2009年03月28日/竜と火の鳥
    #blognavi  買い物に行ったショッピングモールに入っていた旅行屋さんに手塚治虫の「火の鳥」がずらーと並んでいまして、火の鳥もいいな~と。それまでは竜を出す予定でいたのだけど。火の鳥・・・フェニックス、ファイアーバード。  喫茶店の名前にどうですかね。  実は手塚治虫の火の鳥はテレビのしか見たことないけど、宇宙空間を火の粉を散らして悠然と飛び去っていく様はなんともいえないかも。SFだけど、ファンタジーってことで。魔法も出したいし。  宇宙を満たすマハ(地上における空気みたいな感じで) マハ>星>星上無機物>星上生命体 の流れで人はマハを摂取することで生きている。食べなければならないのは自力でマハを取り込めない星に生まれたモノの宿命。  人が宇宙に進出できたのは、マハを直接エネルギーに変換できることができるようになったから。それが宇宙船(ミナビス)の動力源。昔、...
  • D&D 嘱望
     Level 23  国の行事には必ず出席し、国民や王都の姿をその目に納めていた第1107エターナル王の最後は、あっけないものだった。 「おとーさまあぁぁ――――――っ!!」  逝去の瞬間、王女が泣き叫んで崩れ落ちた。  ズラリと取り囲んだ議会高官や神官達も一様に頭を垂れ、そして非情にも王女カガリへと向き直って告げる。貴方が次の王だと。  そうして、自動的に第一子にして唯一の子供であるカガリへと王位が移った。  だが、正式にエターナル王として即位する為には数々の儀式を踏まなければならず、その中の最たるものが、君主の杖の継承だった。  君主の杖を携えてドラゴンズピークへ出向き、ゴールドドラゴンに騎乗して戻ってくるのだ。王としてその力を広く遍く知らしめる為に。  ドラゴンズピークには数十体とゴールドドラゴン達が住み着いていて、頂上にいる長の下に統...
  • D&D 終焉
     Level 30  女王の一撃を余裕で受け止めるキラがシンの前に回りこむ。  腰からクナイを投げるがそれさえ撃ち落されるのを見て、いや、それこそがおとりで。  かかったなっ!  執政に向かって振り上げる透き通った刃。  動けない執政にシンは取ったと確信した。  杖を持つ右手に届くその時、黒い風が視界を覆った。剣は軌道を逸らして鉄仮面を掠める。ちょうど、留め金の部分だったのか、議会塔の吹きさらしの床に落ち、ごろんと転がって、塔の端に消えた。  ザア―――と流れる長い、ピンク色の、髪。  鉄仮面の下に隠されていたのは、まだ若い女の顔だった。  真っ先に声を上げたのは、女王カガリ。 「あなたはっ!?」 「ラクスっ」 「大丈夫ですわ。掠めただけです」   腕から血を流す長い髪の女を庇うように、キラがシンに向かって剣を向ける。...
  • ファンタジード
    本編 01:出会い02:逃走、地下水路03:要塞の攻防04:すれ違い05:空中都市ターミナル06:王女と王子と種石07:墓の番人08:暁の幻09:形見とメモワール10:シードブレイク11:働かざる者食うべからず 12:終末の序曲13:残された希望14:激白する決意15:絆16:マイルストーン17:山河あり18:虹の切れ端19:夜明け前20:西へ21:カサブランカ22:美しき祖国 23:真実が紡ぐ歴史24:蝶、あるいは夢25:拍手を!芝居は終わりだ26:リースの行方27:空を分かつ閃光28:宣戦布告29:蒼天の白き神々の座30:先に生まれたる者31:最後の戦い32:プラント建国以来(最終回) * FF12クリア記念で性懲りもなく始めてみました。のりでロゴとか作ってみたりして、アホですね置き場所がありませんぜ旦那。
  • Men of Destiny 44
    全てを捨てる時  ミネルバに戻ったシンをヨウランとヴィーノが出迎える。ヴィーノが抱きついてきて、シンは困ったようにヨウランを見た。その後にルナがいてレイもいた。 「よかったよお前、ミネルバは移動始めるって言うし。メイリンからロストしたって聞いてさ!」 「心配かけてごめん」  ヴィーノ達格納庫のメカニック達が早速、シンの機体の検分に入る。入れ替わるように格納庫に現れたステラが走ってくる。 「シン!」  まずは着替えようと歩きだそうとしたのだが、そうは問屋が卸さない。腕組みしてシン達の前に立ちはだかる男がいた。  パイロットスーツを来た銀髪の男、イザークである。 「貴様に聞きたい事がある」  シンは来たなと思う。 「一緒にいた奴のことだ」  ああ、やっぱり。  黙っていても相手はどいてくれるわけでも諦めてくれるわけでもなく、シンはじっとイザークの顔を見たまま立ち止ま...
  • 管理人の日記/2010年12月05日/迷う~
    #blognavi  パナソニックのGF1を駆け込みで買うか、新型GF2を買うか。迷っているうちにGF1がなくなってしまう・・・。写真は点で素人なんだけど、最近、ガーデニングの寄せ植えを作ったので写真を撮りたくてね。ボーナスまで待てるのか?あ、いや、そーゆー問題じゃなくて、GF2の動画性能がセンサー出力60でGF1と同じレンズだったら言う事ないのに。  最も、値段も型落ちと新型じゃ、倍以上開きがあるけども。  GT5?全然遊んでいません。はは。 カテゴリ [つれづれ] - trackback- 2010年12月05日 19 28 56 #blognavi
  • D&D 混沌
     Level 36 「激しいですわね」 「うん・・・そうだね」  王国から守護のゴールドドラゴンが飛び去った夜、新しい時代が始まるのを予感させる嵐が吹き荒れていた。ドラゴンズピークの神殿で、風雨に震える建物を見上げてラクスとキラが零す。部屋を照らす明かりも絶えず揺れ、紅の稲妻が走る。 「キラも行ってらっしゃいませ。きっと、これが最後のチャンスになりますわ」 「・・・ラクス」 「ですから、必ず約束してくださいね」 「分かった」  雷鳴轟く夜空を古のゴールドドラゴンが飛び立った。  翼が起こす風が更に嵐を加速し、その夜はエターナル中が震えた。  地響きが机を揺らす。ランタンの明かりも。  ルナマリアが心配そうに、小屋の窓から空を見上げると、地上から空に昇る稲妻を見た。  今のって稲妻? 「今、すっごく光らなかったか?」   シンが後...
  • 管理人の日記/2006年11月03日/油揚げ
    #blognavi  我が家でねずみが捕まりました。ここ数日、お風呂の天井裏を駆け回っていたのですが、見事、昨日仕掛けたネズミ捕りに本日夕刻引っかかりやがりましたよ、油揚げにつられて。金網から鼻を出して必死に逃げようとする様が・・・。  なんだか、ねずみも凸の愛称だったりすると、こう、イザークとねずみ凸のコメディなんか読みたくなったりして。豪邸で繰り広げられる、イザークとねずみアスランの激闘。魔女ののろいに掛かってねずみされてしまったアスランは、イザークの豪邸に住み着くことになり、留学から帰ってきたイザークとの生存をかけた戦いが始まる。アホだ。 カテゴリ [つれづれ] - trackback- 2006年11月03日 21 01 10 #blognavi
  • 管理人の日記/2006年10月10日/4 Seasons
    #blognavi  もしかしたら、既に書いたかもしれないけど、フォーシーズンズ。その名前のままの、春夏秋冬の話。  穏やかな光と花に溢れる春はラクス、水も光も満遍なく降り注ぐ夏はカガリ、恵みをもたらす豊穣の秋はキラ、そして全てが眠りに付き雪と氷に閉ざされる冬はアスラン担当です。  季節たちが目覚めると、四季が巡る。春は夏を起こして眠りにつく。そうやって大地は悠久の時を過ごしてきた。生きとし生けるもの全てがそのサイクルの中で、生命を育み、苦しみも喜びを分かち合って来たのに。  少しずつ・・・少しずつ・・・運命の輪が回る。  定められた時を生きる季節たちを襲う異変。  季節を駆け抜けた少年が見た世界の姿とは?  なんて、イメージだけ。  ハロウィン合わせで書けたらいいなあ。  忘れないうちにメモっておこう。 カテゴリ ...
  • 管理人の日記/2008年10月24日/どれだけ
    #blognavi  どちらにせよ、死者は何もできませんよ。  泣いたり笑ったり・・・それは生きている者の特権です。 カテゴリ [ネタの種] - trackback- 2008年10月24日 22 25 58 #blognavi
  • 管理人の日記/2006年10月01日/サムハイン(続)お試し
    #blognavi では、早速。気分を盛り上げる為に。  緩やかに描かれた弧に赤い光点がともる。瞬きをする間に蒼く透き通った輪郭が浮かび上がり、その星の由来の青い海と大地を円が球体となって姿を現す。  しかし壮言といって朝を何べんも繰り返して歴史は紡がれるのだ。この国の王都でも北の大地でも、それだけは代わらない。  パトリックはいつもと同じように、少しずつ冷えていく朝にローブの襟を手繰り寄せて部屋のドアを開けた。廊下にともる人工の明かり、足元を暖める絨毯、例年よりも早く露や霜が降り、1ヶ月も早く降った初雪からディセンベル領ではすっかり冬支度が始まっている。 「旦那様」 代替わりしたとは言え、城にいる者達にとってパトリックが主である事には変わりがない。 「今日はまた一段と冷え込んだな」 「左様でございます。王都でも初雪が降ったそうで」 パトリックが歩みを緩...
  • ジーナス・ノクティウム
    刻を渡り、夜を生きる吸血鬼の物語 Genus Noctium 20XX NewYork 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ニューヨークで出会うアスランとキラ。地下鉄で起こった爆弾テロが二人を引き合わせ、吸血鬼と狩る者の定めが幕を開ける。 なんちゃって。 自分でログを探せなくなってきたので、独立ページを作ってしまった。構想だけは大きい、でも、きっと書かないそんなページ。タイトル通り、このお話、メインは夜の眷属ですから、眷属以外はぞんざいな扱い。
  • Men of Destiny 50
    滅びのメロディー  パイロットスーツ越しに伝わる冷気。  一段と暗くなった通路に浮かび上がるライトセーバーの光は青と赤。 「俺、フリーダムに乗っている奴に、アンタを止めろを言われました」  声がギリギリ届く間合いで向かい合う。  髪の色を除けばシンの記憶中にあるそのままだった。困ったように苦笑して、小さくため息をつく。 「相変わらずだな、あいつ。俺のやろうとすることは、何でかんでも止めろと言う」  シンを見る眼差しも変わらない。  いや、今までどこか、見守る色が強かったその緑色は今は違う。 「お前も・・・だから追って来たのか?」  正面向き合う視線はシンを見ていて、シンの答えを待っている。 「はい」  シンが言ったそばから、アスランの瞳が瞬きで一度隠れる。 「俺もアンタを止めたい」  空気がピシッと張り付いて、僅かな揺れを伝え来たのが合図。右手のライトセー...
  • D&D 明聖
     Level 28 「女王っ!」 「分かっている」  議会塔を陥落させるわけにはいかない。  彼らの要求は飲めないが、王と議会が対立したままでは国民に示しがつかない。王都での内乱は今すぐにでも終息させなければならない。 「騎乗するっ」  勇ましい戦装束の女王が、特別に用意されたゴールドドラゴンに乗る。君主の杖を篩って、議会塔へと向かえば、取り囲むように十数匹のゴールドドラゴンが後に続く。  君主の杖が指し示すままに議会塔目指して王都に林立する塔の間をすり抜け、ドラゴンの口から炎のブレスが漏れる。 「執政っ!!」  シンがようやく最上階に辿り着いた、その時。  女王の大音声が議会派陣中に轟き渡った。  ゴールドドラゴンに取り囲まれて、メイジ達が恐れをなして逃げ散る。この場にそぐわないシンに構わず塔を降り、ある者はテレポートで逃げ、ある者...
  • 管理人の日記/2006年09月27日/ゲイボルグ
    #blognavi  今週を乗り切ればなんとなりそうな気がする。いろいろ、問題はありますが。それにしても、段々涼しくなって、今日の午後はなんだか春のような日差しと風でした。考えてみれば春分と秋分は昼と夜が同じなのですから、大気の違いだけなんですよね。  涼しくなって、途端に夜が長くなったと感じます。妄想にはもってこいですな。  ちょっと、サムハインの続きを書きたい気分です。  夜の帳が消える前の黎明。  透き通った蒼い闇。  王都の石畳を音もなく失踪する6頭立ての馬車があった。初雪の白い道を進む黒い影の跡は降り積もる雪で覆われてその形跡を残さない。インバネス姿の御者が鞭を一振るいして通りの彼方へと消えると、どこかで重い鉄門が閉まる音がした。早過ぎる冬の訪れと共に、帰り来る者。  王国の歴史を締めくくる未曾有の出来事の幕開けを誰も知らなかっ...
  • Men of Destiny 25
    血の滲む腕  それでも、このプラント全体を覆う揺れは砲撃が原因ではなかった。風穴が開いたことでバランスが崩れたのは確かだろうが、何かが違うとシンは思う。 「急げ!」  ハイネが叫び、警備兵を蹴散らして進む。アレックスはと言うと、ひたすら攻撃を避けていた。それはそれで驚愕モノの動きだが、シンはなぜか腹が立った。  この人は、力があるのに。  俺たちは指示されたポイントまで仲間を守っていかなきゃならないのに。 「アンタは何をやってんです! 仕留めなきゃまた」 「足を止めるな、シン! 的になるぞ」  ハイネに怒鳴られてしまった。そう、おしゃべりする余裕もない程、俺たちはピンチなのだ。いよいよ足元がやばくなり、プラント内部のあちこちに亀裂が走り出す。あの懐かしかった搬出セクションも穴倉も大きく縦に裂けていく。目の前の通路が盛大な音を立てて亀裂に陥没していく。 「飛べっ!」 ...
  • 管理人の日記/2006年03月12日/ナルニア物語 ライオンと魔女
    #blognavi  見に行ってきましたよ。ナルニア物語。吹き替えを見に行ってきたけれど、ここはSW好きとしてはやっぱり、師匠の声を聞くべきだったか。  4人の兄弟でエンドロールトップはルーシーだったわけですが、次はエドマンドでした。  原作を読んだことがないので、話が飛び飛びで、結構急だな~と感じる所も多々あったわけですが、最後はハッピーエンドで、謎を残しつつ終わったかなと。ライオン軍と魔女軍の対戦が物語りのクライマックスに添えられているから、ストーリーは一本道で分かりやすかったと言えるかも。  逆にそれがあるから、途中にある山あり谷ありがほとんど不安にならないと言う・・・。  では、肝心の一大スペクタル、大群同士のぶつかり合いは?と言うと、う~ん、数だけで言うならロードオブリングにちょっと及ばないかな。大草原での会戦なんだけど、迫力が今一だったかもしれない。 ...
  • 管理人の日記/2006年01月29日/お金を稼ぐって事は
    #blognavi  大変なことなんだ。  一生ニートしている人には一発の弾丸の重さはそりゃわからんだろうさ。お前の着ている服、今朝食べたご飯、夜を明るくする電気、全て、どこから来ていると思っている。大切な人を失った人もいる。唯一人、寒さと空腹に震え命を落とした子供だって大勢いる。  何もせず、一番つらいのは自分だと言われて、違うと言えず、甘んじて享受する。あまつさえ、辛そうな顔をして自分は撃ちたくない、撃たせないでと、人のせいにする。笑わせるな、選んだのはお前だ。引き金を引いているのはお前だ。  その、狡猾さに虫唾が走る。  どこまでも責任から逃げようとする。  お前の口にしている水も食べ物もお前が作ったものだじゃないだろう。そのお金がどこから出ているのか考えたことはあるのか?  世の中にはそれを手に入れるために、汗水たらして働き、ない知恵を絞って...
  • 管理人の日記/2007年11月02日/絶望の淵
    #blognavi  もう、殆どのサイトで、本命キャラの当て馬で、笑い者で、弄られキャラで誰もそのことに罪悪感すら抱かない、他の登場人物を引き立てるだけの、ポツンと置いてかれても誰も気にしない、絶対に選ばれない、ただからかって面白がるだけのそんなキャラになってますが。それなら、管理人が幸せにしたるわ!と思って、あれっ?て気がつきました。  キース、幸せにならないと駄目ですか?  安息の日々をあげなきゃ駄目?  心を許せる人ができないと駄目?  キースは絶望の淵から還って来ないほうがいいと思います。きっと誰も彼の絶望を本当の意味で理解できない。ジョミーは主人公ですが、彼を絶望の淵から連れ戻すことはできなかった。宇宙を、地球を、同胞を、人類を救ったかもしれない。でも、キースを救うことはできなかった。キースを救ったのは彼自身だった。誰かに絆されて、主人公を理解してだ...
  • 管理人の日記/2007年09月02日/戦陣に散る
    #blognavi  タイプブルーが3体。  その為に我が方が被った被害は今だ正確な数字が出ていない。  キースは出来上がった戦死者リストに目を通す。前線に布陣した艦隊はほぼ全滅し、なじみのある第7艦隊も落ちた。僅かとは言え命を預けた艦だった、ナスカ攻撃に参加し、あの艦のブリッジからメギト発射を指示した。それも落ちた。虎の子のAPD部隊などはもっとひどい、半数以上が帰らなかった。  戦術シュミレーション試験ならDマイナスもいいところだ。リストが下から上に流れていく透過ディスプレイから目を外して、僅かに見える宇宙へと目を向ける。 「残骸の山だな」  戦域となった宙域をクロールする掃海艇の無機質な航行灯が、先程までの激戦の余韻を残している。 「テラの為に・・・か」  自分が鼓舞した若者も、古参の兵士も、前途洋としたメンバーズも多くが散った。自分の号令で、マザーの命...
  • 管理人の日記/2007年12月27日/この世の終わり
    #blognavi  生まれ来たことに感謝する。生み出したことに感謝する日だと言うのならば。当の本人がその日を祝えない、誰もその誕生に感謝しない、いやむしろ災厄の始まりであるのだろうとしたら、この日ほど、全く正反対の意味を持つ日はあるまい。  12月27日。  あのキース・アニアンの誕生日。彼はこの日に生まれ、成長し数々の偉業と悪行を重ね、ついに、世界を未曾有の混乱に陥れた。自分で考えろと捨て台詞を残し、代表主席に着任したその足でマザーに叛旗を翻して責任も取らずにさっさと死んだ。ミュウにとってはナスカを焼き、ソルジャーを二人も道連れにした憎き敵。彼のおかげで一体どれだけのミュウが犠牲になったのか。人類からの弾圧の象徴だった。  一体、誰が彼の誕生を喜ぼうか。  彼を語る時は怨嗟と冒涜が色をなし、血の通わない機械人形とは誰もが口にする。  しかし、テラへの思慕...
  • 管理人の日記/2011年02月01日/飛べない鳥
    #blognavi  なんだかいやな兆候と言うか、憤りからスタートですよ。 「山陽、お前、博多にCTCを構えるか? 九州と直通するならその方やりやすいだろう」  こいつ何を言っているんだ?  東京のCTCは手狭だし、COSMOSのような変更件数の上限はないとはいえ、コムトラックとて、九州直通で山陽新幹線の修正は大規模なものになるだろう。そろそろ分離してもいい頃かもしれない。  言葉を挟む間もなく東海道の口から淀みなく言葉が出てくる。言葉の一つ一つを繋げて文章として理解できない。分かっているのは背中を駆け上がる悪寒と胸が重くて手が震えていると言う事。  何が話を付けておいただって?  西日本の上官は東海道直通より九州直通を重視しているようだ、なんとかならないかと相談したら、なんて答えたって? 「後任を手配するそうだ。だから、お前、無理に東京...
  • Men of Destiny 48
    駆け抜けていく奇跡 「こんな波動感情をぶつけてくるなんてっ!」  白い機体の中で叫ばれた声がシンに聞こえるわけもない。攻撃をかわしまくる深紅の機体とすれ違えば引き込まれそうになる。  レクイエムに横付けされたモニタールームでアラート音が鳴り響く。 「カオス、シグナルロスト!?」 「何!? いや、何だこれは」  一番右端のモニタとその隣のモニタが真っ赤に染まっている。白衣を来た技術スタッフが一斉に駆け寄って覗き込む。 「γ波フラット? 心拍、脈拍共に規定値をオーバー、血中酸素濃度、脳内圧力、危険域だっ!」 「ステラもかっ、一体どうしたんだと言うんだ2人とも!?」 「リセットしろ、早く! 潰されるぞっ」  この2人に共通する点に気が付いた彼らが背後の埋め込まれたモニタを見た。 「馬鹿なっ・・・ブラックアウト」  真っ暗なモニタには本来、受信した数々の身体デー...
  • 管理人の日記/2005年10月05日/世迷言
    #blognavi  なんというか、大人気なく、ちょっと思う所を書きます。私は分かり切った嘘がキライです。到底ありえないこととかね、許容できないくらい心の狭い人間なんです。だから、あらかじめ「あっ、これは不愉快になるな」と分かっていることにはなるべく関わらないようにしています。  しかし、どうにも避けきれない地雷がある。  うっかり踏んでしまうと、それはもうひどい気分になる。例えば、これのように、むかつく気持ちを抑えきれずに吐き出してしまいそういなる。  だって、ありえないから!  妄想? 言論の自由? そうとも、だから歯がゆいんだ、自分も同じ事をしているから。  ああ、気分が悪い。  ここまで直撃を受けたのって、なんとも、久しぶりです。まあ、分からないでもないんですよ、至上主義者ってのは「一人だけ特別」が大好きでやたら完璧が大好きです。被対象者が、やさしく、きれいで...
  • 管理人の日記/2007年09月30日/なんちゃって最終回 ゼウス特攻
    #blognavi  あそこでウッディ大佐を思い浮かべた人も多いはず。ウッディ大佐が?な人は今すぐZガンダムを見るべし。あそこは屈指の名シーンだ(と管理人は思っているのさ)奇しくもニワトリも大佐だし! これはもう、妄想するしかないでしょ、と。 なんちゃって妄想ネタ  どこまで我々はマザーに頼りきっていたのだと。グレイブはたった一人のブリッジで操艦に手を上げそうになった。機械を使って、ようやく動かしていた最新鋭の旗艦ゼウス。  目の前で繰り広げられる戦いに、何もできないのか。何のための旗艦だとコンソールを叩いた時、背後のドアが開く音がした。軍靴の響きがブリッジに響き渡る。 「大佐だけを一人で逝かせはしません!」  雪崩れ込んできた部下の最後に、ブリッジに戻ってきたのはいつも自分の後ろに控えていた副官のミシェルだった。 「お前達...
  • ×チョコゲーム 6
     コンビニの中は色々な匂いがある。  真冬の今は入ってすぐにおでんの匂いがして、ホットプレートの香ばしい匂いが漂う。誰かがお弁当を温めているならその匂いも。そして、入り口近くの本棚には競馬新聞と雑誌のインクの匂いが。 「だから悪かったって言ってるだろ?」  週間雑誌を立ち読みしながら、シンとヨウランが件のコンビニでヴィーノを待っていた。 「来週は遅れるなよ? 大体、携帯くらい変えろよ」 「妹に先越された」  シンの携帯はバッテリーが経立っていて、メールの最中に頻繁に落ちるようになっていたのだ。 「お前、本当に妹に頭上がらないな」 「関係ないだろ」 「シスコンの次は、アレだし」  そう言ってヨウランが見たのは日配品を棚に並べているアルバイト店員。  赤いエプロンの下は黒のセーターにグレーのジーンズで、シンより若干年上の青年。彼がシフト...
  • エンジェルスレイヤー 12
    『まじですか!?』 「うるさい。大体なんで貴様、起きていられる!?」 『あれのおかげってやつ・・・?』  衝撃がビルの谷間を駆け抜けるたびに、ガラスの破片が降り注ぐ。上体を屈めて、エンジン全開の風圧を軽減する。網の目に張り巡らされた大動脈が完全に機能を停止していた。煙を上げるエアカーで埋まったエアウェイを飛び越して、高層を目指す。赤い空を飛び交う天使達が我が物顔で翼を広げている。 「まあいい。今は何が起こっているのか確かめるのが先決だっ」  空が赤いなど。レセプション会場の夜空にあった外輪は赤くはなかったはずだ。影響を受けるのも悪魔に限定されていた。それがどうだ、都市の機能は麻痺し、一般市民にまで影響が出ている。辛うじて動いている人々も少しいるが、猥雑なまでの都会の熱気が全く無い。 「天使どもが。今度はなんだ」  アスランめ。  貴様が姿を見せる時は決まって、大事件が起こる...
  • ファンタジード 1
    出会い  お腹がすいているから、なんでもかんでもおいしそうに見えた。故郷を出て数週間、ようやくたどり着いた旧アプリリウス王都はそれはそれは活気のある街だった。 「とても帝国に負けた国とは思えないよなー」  ついぽろっと口に出してしまったら、バザールのおばちゃんにジロリとにらまれてしまった。砂で汚れた少年が愛想笑いをしながら、品物の果物に手を伸ばす。 「こ、これいくら?」 「30エンだよ!」  背負ったリュックから財布を取り出してエン通貨を探すが見つからない。少年は慌てて、服のポケットや別の袋を探すが。・・・・・・バザーで流通しているのが、旧アプリル通貨だということを知らなかったから持ち合わせなどあるわけがなかった。  その上、一口齧ってしまっていた。 「なんだい、払えないのかい!?」 「あっ、いや、そうじゃなくて・・・」 ...
  • 20XX NewYork
     帰宅ラッシュを狙った爆弾テロで地下鉄は酷い有様だった。  爆発で列車は吹き飛び、爆風でホームにいた人がバタバタと倒れ血溜まりを作っている。ホームは煙と化学物質が燃える臭いに混じって、酷い血臭が立ち込めていた。  黒いコートを来た青年、アスランが軽く額を押さえながら、泣き叫び、喚く人混みから少し離れた所で佇んでいる。  一年は何も食べなくてもいいくらいだ。  構内の空気が勝手に集まってきて、指先にまでエナジーが行き渡る。どうやっても冷たい身体を本当に暖かくしそうで、軽い酩酊状態になってしまった。しばらくそうして立ち尽くしたまま体調が収まるのを待ったが、意識を浮上させたのは栄養補給が終ったからじゃなかった。  視線?  漠然とした視線を感じ、顔を上げる。  ああ―――  この時代の狩人か。見つかってしまったな。  なぜか唇の端に乗る笑みを...
  • エンジェルスレイヤー 01
     夜の街を映す水溜りが飛沫を上げる。 「おのれ、スレイヤーめが。我らを性懲りもなく付けねらうとはっ」  歓楽街に似つかわしくない若い男達が走り去る。少し送れて男二人が追いかける。代金を踏み倒した客を追いかける店の男と言うには彼らは似つかわしくなかった。大通りに出た所で、先頭を走る男が出会い頭に路を行く人とぶつかった。  逃走スピードが落ちる3人組。それを見逃す追跡者ではなかった。銃を抜くとすばやい動作で狙いを定めた。サイレンサー付きのため銃声は聞こえない。 「よくもうちのひヨッ子達をっ!」  二人がガクンと膝をうって道路に転がる。まだ少年の顔をしていた。しかし一度振り返っただけで足は止まらない。追いかける二人のうち、野球帽を後ろ向きに被ったこれまたあどけないと言った少年が路面の塊に近づいて膝をつく。倒れた体がぼんやりと発光して、まるで魂が離れるがごとく淡い光の塊が背中から出てくる...
  • ファンタジード 23
    真実が紡ぐ歴史  帝都とは違う湿気を含んだ大気に思わず頬を撫でた。  そして、目の前の苔むした建物を見た。蔦で覆われ、注意深く見なければ人工物だとは思えない石造りの建物。 「では、行こうか」  一瞬のうちに場所を移動する魔法などあっただろうか。  イザークは知識を探るが思い当たらず、コーディネーターとやらの能力に顔を顰めた。  ドクター・クルーゼの後をついて、蔦を手で払いのけて建物の中に入っていく。ひんやりとした壁に手を這わせ細い通路を抜けた先、イザークの目に入ったもの。  なんだ、ここは? 「君には知っておいて貰った方がいいと思ってね」 「ここは・・・!?」  伽藍とした空間では岩肌がむき出しになり、建物の一部が大きく抉られていた。  壁は壊され、天井から床から根こそぎごっそりなくなっている。 「種石があっ...
  • D&D 追憶
     Level 21 「あの・・・シンの様子は?」 「眠っているよ。こういう時、回復魔法や治癒魔法が使えるといい と 思う」 「あたしも、治癒の一つくらいできれば・・・」  痛みは感覚を麻痺させることで凌げるが、根本的な解決にはならない。  基本的に回復や治癒は明聖なる力・ローフルを源にしている。逆に、攻撃や物理的な防御はカオティック、つまり暗闇なる力に属する。強大で魅力的なカオティックの力に人は溺れ易く、敵を制するにはまず敵を知れとばかりに魔導院では主にカオティックマジックを習う。  上級になれば、ローフルだろうがカオティックだろうが関係なく発動できるが、まだ見習のルナマリアには無理な話である。 「シンの体力に賭けるしかない」  シンを引っ張り込んだのは、アイテム屋のアスランだった。  なぜ? という質問はルナマリアにはできなかったから、シンが...
  • サムハインとの口約 1
     夜の帳が消える前の黎明。  透き通った蒼い闇。  王都の石畳を音もなく失踪する6頭立ての馬車があった。初雪の白い道を進む黒い影の跡は降り積もる雪で覆われてその形跡を残さない。インバネス姿の御者が鞭を一振るいして通りの彼方へと消えると、どこかで重い鉄門が閉まる音がした。早過ぎる冬の訪れと共に、帰り来る者。  王国の歴史を締めくくる未曾有の出来事の幕開けを誰も知らなかった。  緩やかに描かれた弧に赤い光点がともる。瞬きをする間に蒼く透き通った輪郭が浮かび上がり、その星の由来の青い海と大地を円が球体となって姿を現す。 しかし壮言といって朝を何べんも繰り返して歴史は紡がれるのだ。この国の王都でも北の大地でも、それだけは代わらない。  パトリックはいつもと同じように、少しずつ冷えていく朝にローブの襟を手繰り寄せて部屋のドアを開けた。廊下にともる人工の明かり、...
  • Men of Destiny 37
    戦士よ  いやに細かく動く機体。思った以上にいい旋回性能にシンは新しい機体をもてあます。  今までならなんでもない空中戦も、紙一重で交わすのがやっと、慣れた感覚を書き換えるのに敵戦闘機の5機を費やしていた。  そこまでしてようやくスティックが手に馴染み出す。  ぐっと広くなった視界の端で見つけた4機編隊が向かって来る。微妙な姿勢制御を無意識の内にこなし、撃ってきたミサイルを交わす。  この加速ならいけるっ。  スロットルを全開にして、パワーに任せてミサイルを振り切る。あっという間に4機を落として、ジブラルタル宇宙港の上を大きく旋回した。 「あんな所に、地上部隊」 キャノピーから覗き込む地上を動き回る戦車を見て、シンは時期を逸したのを知った。敵と味方が入り乱れてしまっては援護射撃はできないし、地球軍の戦闘機も引いていくだろう。  あの赤い奴はどこだ。  HUD上には影...
  • 名を継ぐ者達 1
     母に教えられ、父に内緒で探険した城の抜け道を走り抜ける。途中、普段ならばどうってことない段差に躓き転びもした。けれど、少しでも早くと急く心には、擦り剥いた掌の痛みも、硬い地面に打ち付けた膝の痛みを感じない。  ここは、忙しなく行きかう人々で騒がしい場所だった。けれど今は、ドォンという地響きの度に、パラパラと埃が舞い落ちるだけ。そんな誰も居ない回廊を、走って、走って、やっと扉に辿りつく。  いつもやさしく微笑んで開けてくれる衛兵はやっぱり居らず、見事な彫刻が施された扉を見上げるも、直ぐに哀しげに目を臥せて、震える小さな手を伸ばした。 『    っ!!』  叫び声は、出なかった。それは決して、半ば予測していた光景だったからではない。  駆け寄って、どうする事も出来ずに、ただ助けを求めて視線を彷徨わせた先で、思わず息を止めた。  人では決してあり得ないピンクローズの...
  • エンジェルスレイヤー 03
     キラが先導するように路地を進む。後ろから投げかけられた声にびっくりして、足を止めるところだった。振り返りながら走るというのは思ったより難しくて、バランスを崩しそうになる。 「・・・こっちっ!」  廃屋と廃屋の間に身を滑り込ませて、二人はうちっぱなしのコンクリートの壁に背を押し付けた。荒い息でさえ居場所を知らせるのではないかとひやひやする。 「君、天使なのか?」 「は?」  何をどうしたら自分が天使となるのだろうか。 「彼らはスレイヤーだろ? それともまさか・・・スレイヤー?」  スレイヤーと事も無げに言う。  ただの人じゃないと思ったけど、慣れてる感じ? 改めて横にいる彼をこっそり見た。 「スレイヤーって、エンジェルスレイヤー? 天使を狩るって言うアレ?!」  微かに首を立てに振って肯定する。  やっぱり。きっと彼はこの街で毎夜繰り広げられている騒動の関係者。助けて...
  • 20XX NewYork 9
     プロジェクトのメンバーは全てこの攻撃を知らせるメールで、先日侵入した奴じゃないかと盛り上がっていた。本来なら次回コンペに出品する試作品のレビューする集まりだったはずなのに、誰も机に置かれた試作品には手をつけようとせずに、攻防戦に熱中している。  お前も災難だな。  出来上がったばかりの試作品を手に取る。  アスランは自分のデスクでコムコンを繋げ、早速現場を覗く。仮想空間に飛び出す丸い防衛ツールが散在するデータに跳ね返っては、ポンポンと進む。 「これは突破されるかも知れない、けど」  この前とは処理速度が段違いである。目で見えるほどに仮想次元を食い荒らしている青い8枚の羽根を持つ攻撃ツール。  今はまだやめて、欲しいんだけどな。  俺、今のプロジェクト気に入っているし。  アスランは侵入者が躍起になって攻撃しているデータキューブを、寄って来た他...
  • ジーンブレイド 6
     いつもより早く目が覚めてしまった。  イザークは、布団の中でゴソゴソと向きを変える。もう、いつまで待っても、隣に父が潜り込んでくることはないし、朝だと起こす必要もない。イザーク一人だけでは、そのベッドは大きすぎて、ちょっと手足を伸ばすとすぐ冷たくなるのが悲しかった。  それを何となく『こんなのは嫌だ』と思う。どうして嫌なのに、そうしなければならないのだろう。家の中の事や勉強だって嫌だと思うことはあっても、やらなきゃいけないって事は分かった。仕事で外に行っている父を一人で待っていることも我慢した。  一緒にいると父さんが捕まってしまう。本当は親子じゃないから、父さんが困る。  だからここにいる。  それが一番嫌だった。  こんな所にいたくない。我慢できないこともあるんだと、イザークはこの時初めて知ったのだ。そう思えば、沸々と湧き上がるものがある。  どうして...
  • エンジェルスレイヤー 08
     キラが考案した張り込み作戦は半分成功、半分失敗に終わった。アルテミスに現れるはずのギルド幹部を押さえる事ができなかったからだ。だから半分成功と言っても、結果から見れば失敗とも言えた。キラやフラガのチームがバー・ガモフで捕らえた中にはエンジェルスレイヤーはいなかったのだ。勿論、ギルドにつながりのある人物もいなかった。  しかし、キラにとってはもっと重要なものが手に入ったのでこの作戦は大成功だったのだ。キラが手の中のペットロボットを大収穫だと喜ぶ隣で、天使達が不思議そうな顔をする。 「その旧式のペットロボが? 鳥型ってのは珍しいけど・・・」 「マリューさん、例の件、お願いしますね」   このペットロボットはね、アスランの小鳥なんだよ。  一人浮かれているキラを他所に、唯一、彼らの手柄と呼べる人物が今、キラの眼前の部屋で取調べを受けている少年であった。既にセブンスフォース内で...
  • 管理人の日記/2007年01月07日/一年の計は元旦にあり
    #blognavi まだ1/8しか書けてないから・・・七草粥までにはなんとか~と思ったんだけど。  列車の終点からバスに揺られること1時間。午前中は晴れ渡っていた空も雲が広がり冬特有の薄曇へと変わった午後、イザークは肩に担いだ荷物をドサリと道の上に置いた。  小さいながらもそれなりに活気のある町から田畑を揺られ、峠を越え、懐かしい原風景の向こうにあったこじんまりとした村。農協と郵便局しかないような、それこそ大八車が大手を振って舗装されていない道を走っていそうな、田舎も田舎である。 「くそっ。ミゲルの奴、こんな所に飛ばしやがって」  ――宗―――彫照寺  石の柱に彫られた文字を読み取れば、辛うじて寺の名前だけ。  誰もいない境内、葉を落とした箒のような木、石畳の上のじゃりじゃりとした音に唇をかみ締めた。異様に物悲しく聞こえるのは子供達に帰宅を告げる...
  • Men of Destiny 46
    悲しみを燃やし尽くす刻 「シンとステラはっ!?」  ルナマリアとレイからは補給の為に帰還すると通信があった。しかし、シンとステラから連絡がない、マーカーも拾えずミネルバからは完全にロスト。 「宙域が荒れてとても無理ですっ」 「いいから、やってっ! シン達を探して早く。発射地点、割り出せたのっ?」  ミネルバのブリッジで艦長のタリアが叫んでいた。最前列の爆撃に参加せず、僅かに掠めただけで難を逃れたのが、とにかく突然も突然だった。 「友軍の被害状況分かりませんっ!」  生き残った艦同士で必死の通信が飛び交うが、戦場は殆ど恐慌状態に陥っている。ザフト軍の指揮をとっていた旗艦は後方だから無事だったが、戦列を構成していた宇宙戦艦が半分以上はやられてしまった。 「地球軍も殆ど残っていない・・・」  アーサーが及び腰でコンソールにしがみ付いて、誘爆が続く月面基地を見ている。皆が忙...
  • Men of Destiny 08
    誰のための未来  シンは今日のジープの運転手をまじまじと見た。自分より若い少女。どことなく誰かに似ていると思ったら、それはルナマリアの妹だった。 「何、人の妹じろじろ見てんのよ」  ルナマリアに説明を求めれば、ヨウランたちの変わりにメイリンが作戦に参加することになったらしい。どうやら本当に人手不足のようである。  ルナマリアとメイリンは一つ違いの姉妹で実際そう言われればよく似ていた。勿論、瓜二つと言うわけにはいかない。顔立ちも若干お姉さん気質が混じったルナマリアのほうが大人っぽかったし、茜色の髪も髪質も長さも違う。 「ルナは髪伸ばさないのか?」  こうして、作戦に参加するようになって1ヶ月以上。シンはルナマリアをルナと呼び捨てするようになっていた。 「こんなに物資が不足しているのに、髪なんて伸ばせないわよ」 「水だってそんなにないし」 「そりゃ、お湯はヴィーノやヨウラ...
  • D&D 暗闇
     Level 33  議会塔が傾いて王都をゆすり、埃と煙と炎が王都を覆う。  いつのまにかドラゴンはゴールドドラゴン1体きりになっていた。王宮の塔の天辺に留まっていて、まるで針の上にいるように、塔が小さく見えた。  お、落ちるっ!  飛んでいる感覚はすぐに落ちる感覚に変わって、シンは地上までの距離を測ろうとしてあまりの高さに諦めた。それでも、万が一を探して、必死で身体を動かす。  あれは・・・。  見覚えのある色を認めた瞬間、ふいに身体が軽くなって落下が止まった。  そろそろと炎と瓦礫の間に足を下ろす。 「シンっ、無事?」  「ルナマリアっ?!」  駆け寄るルナマリア。メイリンとレイもいて、すぐに3人に囲まれてしまった。 「どうして、ここに・・・お前ら」  丘の迷宮から王都までは馬車で丸3日はかかるだろう。 「それが、驚きな...
  • Men of Destiny 18
    傷ついた痛み  砲弾がまっすぐ伸びてくる。 「げっ、まじかよ!」  辛うじて上空を通り過ぎて直撃は避けたものの、一向にスピードを落とさない飛行船はもろ突撃体制だった。  まさか。 「突っ込んでくるっ!?」  ヨウラン、ヴィーノ救出どころではなかった。既に滑走路を離れている情況では、自分の生命が危ないではないか。炎上していたカーゴのトラックのことも気になるしシンの頭は軽いパニック症状になっていた。  強い揺れと、急激なダウンフォースに床を転がった。すっぽり挟まった柱とボックスの間で、クルー達の叫び声が初めて耳に止まる。 『反コーディネーター組織だってっ!?』 『消火急げ!!』  煙が充満して息苦しい。風が一方方向に流れるからどこか気密が破られたのかもしれなかった。信じられないことに銃声がした。 「むちゃくちゃだな!」  振動は徐々に激しくなり、単発ではあるが小さな...
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