緋天 颯護

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緋天 颯護 - (2011/04/17 (日) 17:48:39) の編集履歴(バックアップ)




魔術の鮮やかな光によって開かれた世界。
その光に追われ、闇はより深く、より暗く変化していった。



――黒。漆黒。全身を真っ黒に塗り潰すかのように、全身を黒衣に包む男。
手に嵌める薄い手袋も黒く、肌が露出しているのは顔のみである。その肌もやや褐色であったりする。



彼の持つ能力は『眠り』を司る効果を持っている。
眠り――睡眠は、心身の休息、記憶の再構成など高次脳機能にも深く関わっているとされている。
彼による『眠り』の力の利用方法は、「静寂」「調整」の二つに分かれ、そのどちらも一つの能力として成立している。


一方の「静寂」は、自らが出すあらゆる音を特定の範囲に聞こえなくする程度の効果を持っている。
具体例を挙げれば、足音を完全に掻き消す等の行動が可能になる。この場合、気配等で感知するのは難しくない。
しかし、“元々気配を発さない物”、“見えにくい物”と組み合わせた場合、凶悪な効果を発揮する能力でもある。


他方の「調整」は、相手の状態を変化させる程度の効果を持っている。
こちらも具体例を挙げれば、傷を負った部位を休眠状態に移行させる事で、疑似的な自然回復を超高速で行う事が可能になる。
休眠状態にする事で、使用した部位は暫く力が入り難くなるというデメリットを持っており、戦闘に利用する事は難しい。
また、こちらの効果は能力といった存在にも干渉する事ができ、“眠らせる”事で能力を封印したり、
逆に“覚醒に近い状態にする”事で能力の可能性を引き上げる事も出来る。
ただ、能力の可能性についてはまだ不安定な部分が多く、安易に使う事は出来ない。


「緋天 颯護」は「ひてん そうご」と読む。「颯」という漢字は基本的に「さつ」と読み、颯然、といった使い方をする。
「緋天」は代々優れた光の魔導士を輩出してきた高名な家系であったが、彼は先天的に闇の魔力が強く、光の魔術を使う事が出来なかった。
それ故に彼の存在は“異端”、“出来損ない”、“面汚し”であるとされ、「緋天の子息」は世間に明かされる事は無かった。
そして、絶大な光の魔力を持つ弟が誕生した事をきっかけに、遂に“出来損ない”は“処分”される事が決定した。


闇の世界で生きる中で名前が必要になった時、「緋天 颯護」という名前は“便利な物”であったらしいが、それ以外に名前を使う事は無い。
会った相手に名前は殆ど名乗る事は無く、自分はただの“悪者”であるとしている。
彼が身体を“黒”で包むのはその方が分かり易いからという理由があり、別に趣味ではないらしい。


光の魔術、闇の魔術、基本的に出来る事はあまり変わらないのだが、
彼の使途する闇の魔術は、暗闇の中に暫く居れば暗闇にある物の輪郭が見える様に、見えない物に対して高い効力を発揮する。
しかし、暴走する危険性は闇の方が遥かに高い上に、闇の魔術を教えようとする者は殆ど居ない。
人――そして、教会に仇なす異端の者を滅ぼすことを使命とする、教会内“異端狩り部”は闇の魔術を敵視している為だ。

神の名の下に異端を滅ぼす“異端狩り部”の者に、闇の魔術を専門とする、闇の魔術師を滅ぼすことに良心の呵責など存在しない。
力を持った闇の者、そしてその者達によって構成された結社は、交渉の余地無く滅ぼされる。

Justiceの会合に刹那の代理として出席した際、Justiceという組織自体には強い興味を示した。
しかしながら、教会に所属するエルメアがJusticeに深く関わっている事を確認する。
彼女は彼の正体に気付きはしなかったものの、時間の問題であると考えている。


数々の出会いの中で人との態度を軟化させつつはあるものの、未だ他人との間には一本線を引いて接している。
彼の填める薄い手袋は魔術障壁を突き破って相手を掴むといった目的があるのだが、他人に直接触れない為にも着けている。
物理的接触を行おうとする相手に対しては、この手袋で必ず止める。そうする事によって、自ら線引きをする。
もしかすれば、彼が吐く暴言の“一部”は好意の裏返しなのかもしれない。




                                      「バーカバーカ、後何回バカって言って欲しい?」   

戦闘には必ずと言って言い程、「黒刃」を用いる。
この「黒刃」は彼の魔力をオルキナス式魔術の『固定』を利用してそのまま刃にした物であり、刃でありながら魔力そのものでもある。
直接的な攻撃に用いる際には、術式を追記し爆破。魔術を用いて遠距離攻撃を行う際には、『固定』を解除し魔力に戻す。

闇の魔力の特性上光に分類される魔力体を“喰らう”事が出来るものの、喰らった分魔力は消費され、刃もその分消え去る。
制御にはある程度集中が必要であり、一度に生成出来る量も保持出来る量も疲弊具合によって限度が変化する。
一度形状化すれば彼以外でも利用する事は出来るが、その場合魔力としての運用は出来ない。

闇の魔術
<クリティカルストライク>
――Critical Strike
「黒刃」に多量の魔力を注ぎ、先端から絶大な魔力の奔流を放出する魔術。
刃を蹴り飛ばす事で追撃。一点突破で防壁を破壊する事で、致命的な一撃を与える。
<ブラスティングハザード>
――Blasting Hazard
周囲にあるオブジェクトに闇の魔力を注ぎ込み、“崩壊”を引き起こす魔術。
“崩壊”したオブジェクトは、周囲に飛散すると共に、物質として存在する為の膨大なエネルギーを放出する。
闇の魔力を浸透させる準備動作の間は、その場から動く事は出来ない。
『水禍』 水のある場所で発動した際、この技に変化。
水球を浮かび上がらせた後、濁流を彷彿とさせる真っ黒な水流を猛烈な勢いで放射する。
相手に傷を負わせると言うよりも、吹き飛ばす意味合いが強い。
『烈震』 砂が多い場所で発動した際、この技に変化。
地面を弾き飛ばすかのように周りに散らすと共に、多量の土煙を発生させる。
殺傷力は低いものの、相手の視界を奪う事が出来る。

剣技
『黒走牙』 刃の一部を一直線に相手に向かって射出し、爆破する技。
『天雷牙』 上空から刃を地面を叩き付けるように振るい、刃全体を爆破する技。
『葬獣牙』 刃を手に相手に向かって突進し、すれ違いざまに相手に刃を直接叩き付ける技。

MEMO

  • カノッサ機関、水の国支部の医療に携わっている。
    嘗てはナンバーズに所属していたようだ。
  • 以前より名前を教える事が多くなった。
  • 収入はそれなりにあるが、自分では殆ど使わない。