- 75. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 02:54:07.10 ID:2YIOxpQo
- >>67
茨の道は覚悟の上……
だけど、流石に心が痛むね……
【シズクは動かない】
【マリアを瞳に納め続ける】
悪いけど、もう、闘いは終わったのさ……
マリアさん……そこで休むといいよ
【幾度となくマリアに破られた『水』が再び結集し、シズクとマリアの上方に現われる】
【そして、水は地を這うマリアの両腕と両足に覆い被さりながら凍結を始める】
【最早動くことすら難しい状態のマリアに避けられるはずもないが】
【氷でマリアと地面を繋ぎ、その場に拘束してしまおうというわけだ】
【言うなれば、『氷の手錠と足枷』……】
【この冷たい呪縛に情けなど無い】
【魔翌力を存分に使い、溶けず、割れず、誰かの手助け無しには動けない状態にするつもりである】
- 78. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:01:19.42 ID:.m8Ys8oo
- >>72
・・・良い男に、俺ぁ成れたんだろうかね。
【クッ、と笑って】
・・・分かってる。
アイツは、俺の中で憤怒してるぜ。
今頃、アイツなら、そこら中むちゃくちゃにしてでもうやむやにしただろうな。
【それを、見つめる】
・・・そんときゃ、俺が相手になってやる。
士道じゃなく、『俺』がな。
【顔は向けずその背に語り】
・・・いづれな、ペリグリー。
獣なんて、目指すもんじゃねぇぞ。
【別れの言葉を紡ぐ】
/お疲れ様でしたー。ありがとうございました。
>>74
すまん、アイツなら中に押し込んだ。
今は俺が体を動かしている。
そうだ、アレはマリアだ。
マリア・ブラッドレイだ。
だからこそ、その望みが駄目なんだろう。
まるで、自己を否定しているようで、己自身が、認めて、くれないんだろうよ。
・・・・・・綾菊、てめぇもそこそこにな。
【腕を組んで、試合を眺める彼は、もう「士道」ではない】
【士道の顔をした、全く違う人物が、それを見ていた】
- 81. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:07:22.23 ID:VHYUUSMo
- >>75
【今のマリアに、それを避ける力が残っていようはずも無い】
【ボロ雑巾のような四肢はアスファルトに繋がれ、しばしの沈黙が訪れた】
【小さい】
【改めて、そんな当たり前の感想が溢れ出る】
【マリア・ブラッドレイとは、こんなにも小さな体をした女だったか】
【ネコ科動物の如く縦に裂けていた瞳孔が、人のそれに戻る】
【ぼんやりとした、何が起こっているのか理解出来ないような表情】
【しばらく残った右目をきょろきょろと動かし、マリアは納得したように溜息を吐く】
【終わってしまった】
【試合だとか、そんな事は関係無い】
【己の全てを出し尽くして、そして敗れた】
【ただ、それだけの事】
……そうか
これが、敗北……
【マリアは磔られた状態で、首を起こして空を見る】
月が、綺麗……
冬の空の匂いがする
知らなかった……私、地面ばかり見ていたから……
【そして今度は、シズクを見る】
【自分を打ち倒した、自分の夢を、存在理由を砕いた少女を】
ありがとう
【そう言って、子供のように無邪気な笑みを浮かべ】
【マリアは、意識を失った】
- 83. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:08:46.14 ID:jiU85qwo
- >>78
・・・鋼雅、とやらか?それとも別人か?
生憎、私はそのような器用な芸当は出来ん・・・
腹に溜めた感情は、散らすか飲むかしか出来んのだ
自分自身が分かっている、自分は人では無いと
だからこそ、人に成りたいと考える自分を認められん
・・・人、獣、化け物、そのような分類、何の意味が有る
【両手の太刀を鞘に納め、座席では無く会場の床に座り込む】
【座席の背もたれが視界を奪い、そこからは戦いの様子は見えない】
・・・ああ、もう、終わりだろう
私は大丈夫だ・・・おそらくは
・・・医務室とやらは何処だったか
【面を拾い上げて被り直す。その動作の前に、一瞬だが左手で目元を拭う】
- 85. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:09:14.42 ID:hH3DWMko
- >>74>>78
【大会会場・野外】
……………!
【地面に全力で右の拳を叩きつける】
【地面はひび割れ、拳に血が滲む】
【それを見て、静かに、深く深呼吸をする】
………はぁ………
獣に成り下がれば私もああなるか…
「憧れたんだろう?あれになりたいんだろう?」
【呪いが語りかけてくる】
冗談。あくまでペレグリー・ハームハーツとして狂ってやる
獣に成り下がるつもりは無い
「くふふふ…ああ、そうだとも。お前が目指す所は獣じゃあない狂気に満ちたお前だ」
【そしてペレグリーは左手に持つ居合刀を握り締める】
戦いを理解しているものだからこそ、夜叉や士道の感情も分かる
だが、私は臆病だ。あの姿を見続けるのを躊躇った…だからこそ、私は………
【そして彼女は街中へと姿を消す】
- 89. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:16:08.51 ID:.m8Ys8oo
- >>83
・・・今はそう名乗っておくことにする。
アイツがつけた名前だから、ちょいと不服だけどな。
・・・不器用だな、お前も、アイツも。
【ク、と笑い】
必要だろうよ。
それぞれが違うからこそ、それぞれが映えるんだ。
・・・逆に捉えれば、それぞれが霞む、ってことでもあるけどな。
廊下を出て、左へ曲がったところにあったはずだ。
(・・・まるで、今ここで友を失くしたような涙を流すな)
(・・・・・・士道、お前も、泣いたのか)
【目を細め、綾菊を眺める】
- 90. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:16:16.04 ID:ULUIRESO
- >>75>>81
…………落着、か
【静まり返った会場を見回し、安堵したように脱力――その場に跪き】
ああ。もう、良いんだ――せめて今は、安らかに
【誰にともなく、そう呟いた】
- 94. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:22:41.71 ID:jiU85qwo
- >>89
なら、自分で名前を付ければ良い
名前などは飾りだが、その飾りには随分大きな意味が有る
・・・器用なら、そもそもこのような生き方をしない
戦いに生きる者など、多かれ少なかれ不器用な者だろう
そして・・・不器用のその果てが、あれだ
【笑いを返す事は出来ない。胡座では無く、膝を抱えるような座り方をする】
下らぬ分類をするから・・・こうなる
私は「島津 綾菊」、私の悪友は「平野 士道」
・・・あのバカ娘は「吟雪」、これで何が悪いのだ?
あそこにいるのは「マリア・ブラッドレイ」、これで何が不足なのだ?
【面で顔を隠しているが、その声から容易に表情が推測できるだろう】
【泣きじゃくる子供のような、喉に詰まる声で】
【単純な、本当に単純な、己の見方を述べる】
・・・・・・・・・目を覚ますころに、向かおう
【面ごと顔を膝に埋め、小さな声で答える】
- 95. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:25:26.46 ID:2YIOxpQo
- >>81
……お疲れ様……
【マリアが気絶したのを確認すると、ふっと顔を上げ、絞り出すように呟いた】
危なかったよ……
生きた心地がしなかった
でも、マリアさんのために、そして世界のために、負けられない闘いだったんだ
【世界は哀しみに満ちている】
【今回、シズクは一つの大きな『哀しみ』と対峙した】
【そして哀しみを消すために、大きな力をふるった】
【容赦の無く荒れ狂った水は、果たして真に哀しみを流し去ったのだろうか】
ごめんね
【シズクもまた、限界だった】
『"The world is mine." ――世界は我が手に――』
【肉体・精神・魔力を使い切ったシズクは、静かにその場へ倒れた】
- 97. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:31:53.24 ID:VVMt8oEo
- >>75、>>81
――終わった
【どちらが勝ったとか、負けたとか】
【そんな思考は、どこかに飛んでいってしまっていた】
【終わってくれた、それが青年の感想だった】
【今更のように、頬を濡らす涙を、セーターの袖で拭い、】
【夢から覚めたように、しばし呆然としていた】
>>95
お疲れ様、シズクさん……
【倒れたシズクを見て、ため息とともに呟いた】
……次の試合もがんばってください
【そして、よろめくように立ち上がり、会場を後にする】
【会場から出た時、ふと見た夜空が、煌々と輝く星を満たしていて、】
【なぜかまた、青年の目から涙が零れた】
- 98. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:32:11.70 ID:.m8Ys8oo
- >>94
・・・だろうな、んで。
だから、綺麗に見えるんだろうな。
【椅子から立ち上がり、淡々と、歩み寄る】
お前は、何も間違っちゃ居ない。
間違っちゃ居ないよ。
でも、それじゃ、あいつらは不足なんだろう。
でもそれが何か、分からない。乾くんだろうな、喉の奥が、胸が、体が。
だから、行動に起こす。自分が何者なのか、本当にそれで良いのか、確かめるために。
あいつらにとっては、「存在理由」を賭けてるんじゃねぇかな。
【ある程度近づいたところで、しゃがみこみ】
・・・寝ろ、寝ちまえ。
今日はもう、考えるな。
【ゆっくりと、肩を抱こうと】
- 101. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/20(日) 03:39:48.06 ID:VHYUUSMo
- >>95
【マリアは速やかに医務室へと運ばれ、集中治療室に寝かされる事となる】
【後日、目を覚ましたマリアに、主治医は驚くべき診断を下した】
【記憶喪失】
【一般教養などの知識を残して、何も覚えていなかったそうだ】
【自分の名前も、自分が今までしてきた事も、そして、この日の敗北も】
【彼女は、願いを叶えたのかもしれない】
【平穏に暮らしたいという、誰もが持っている当たり前の幸せを】
【全てを忘れ、これまでの自分を否定する事で、彼女は漸く願いを叶えた】
【魂と引き換えにしてでも、叶えたい願い】
【そうした願いは、希望からは決して生まれない】
【願いを生むのは、いつだって絶望だ】
最終更新:2009年12月21日 11:33