教授

けれども今の私は〝教育者〟ではない〝探求者〟だ
高い資質を、類まれなる素質を持っていようと、我が探求の邪魔をするのであれば
導くのではなく屠るのが、私の仕事だ


GIFT Lab〟所属の研究員、高い思考能力と頭脳、そしてそれに劣らない戦闘能力を持ち
研究員達から畏敬を込めて〝教授〟<Professor>と呼ばれている
本名は無く、その呼び名は〝GIFT Lab〟に来る以前の所属〝GIFT ACADEMIA〟から使われていたらしい

落ち着いた雰囲気を漂わせる知識人、常に冷静沈着であり殆どの場合に於いて表情を見せない
だが決して冷血漢というわけではなく、先のフルーソ侵攻の際はホプス・ブライトねこむらを相手取り
彼らの高い資質に対し興味を示し、GIFTへスカウトするような様子さえ見せた

戦闘の中でも伺えるように彼自身の目的は、高い素質や資質を持った子どもたちに高い敎育を加えるというところにある
それはGIFTに敵対する相手であったとしても、スカウトという形で発揮されよう
けれども、今の彼は〝教育者〟ではなく〝探求者〟であるが故、その辺りを苦しく思っているようだ

言葉ぶりから伺えるのは〝GIFT ACADEMIA〟に属し、かつてはGIFTの子どもたちを敎育していたということ
けれども何らかの事件があって、今は〝GIFT Lab〟に所属し兵器開発に勤しんでいるようだ

GIFTに忠誠を誓っているというよりはGIFTを通じてより高い素質を持った子どもたちを育てるのが目的のようで

世界を救うのはこれからの人間だ
キミ達のような〝若者〟が世界を救うことになるだろう
私のような大人ができることは、キミ達の無限の可能性を削ることしかない

……けれども可能性を削るということは必ずしも悪ではない
不必要な選択肢を剪定した先に、辿るべき道筋は見えてこよう
そうなれば私は用済みだ、消え行く定めに従おう

分かるかね〝GIFT〟という組織はそのための組織だ
キミ達もまた素晴らしい才能に満ち溢れている
そんなキミ達を教え、育てる

それが私達大人のできる最良の贈り物と、私は認識しているがね

もう一度聞こう、私達と一緒に来る気はないか?
身勝手な今や無価値な明日を生きるのではなく
美しい未来を生きる人へとキミ達を導かせよう

そして願わくば私の……いや〝GIFT〟の名を
キミ達の肩書の側に寄せて、それだけで良い……

との一連の言葉はGIFTに忠誠を誓う者としての言葉ではなく
GIFTに籍を置く〝教育者〟としての言葉として受け取れるだろう

〝教授〟の名はきっと、そのためにあるのだろう


<理論武装>〝Audioslave〟


〝教授〟の操る能力……というより武装〝GIFT Lab〟で制作され
その試作品として彼が現在は所有している
見た目はGIFTのシンボルたる巨大な十字架であり、自動で動き彼の後ろを追尾する

その正体は彼の能力である<無限物質>〝Superunknown〟によって作られた武装兵器
<理論武装>の名の通り、彼の提唱する理論に沿って様々な姿へと形を変える
否、姿だけではなく性質すらも変えてしまい理論上ありとあらゆる物を創りだすことが可能

炎が苦手な相手には炎となり氷が苦手な相手には氷となる
相手の弱みを突き自身を擁護する<理論武装>の名に相応しい強力な兵器であろう
だがホプス・ブライトねこむらと対戦した際二人の判断力によりいくつかの弱点が露呈した

その一つが通常時は十字架に姿を変え、その姿で安定しているために
別の形状へと姿形を変えた際一端十字架に形を戻さねば次の変改ができないということ
その隙を突き攻撃すれば彼へ攻撃できるという点

もう一つは<理論武装>と呼ばれるが故、必ず攻撃の際は<理論>を提唱せねばならない点
それは具体的な攻撃の手段であり、いくら早い攻撃であろうといくら効果的な攻撃であろうと
発動する前にその正体を大まかに伝えているということである

故に対処する際にわずかではあるが猶予が生まれることとなる
戦う際にはいくつか覚えておかない知識はあるが、それを補って余るほどに強力な力と言えよう

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最終更新:2013年09月06日 16:11