天才科学者たる"WILD"が、現在に至るまで収集・採掘してきた旧聖遺物や宝玉などの
所謂『古代遺物類<アーティファクト>』と呼ばれる装備郡を
素材として用いる事で完成させた、象徴武装(シンボリック・ウェポン)の一つ。
曰く『最も豪勢かつ実用的なガラクタの寄せ集め』。
素材として用いられている遺物類は全てその機能を失っていた物で
本来であれば発見した所で使い物にならない筈の品が殆どだが、絶え間ない努力と研究の末に"WILD"は
その機能の一部を科学的に修繕、再起動する事に成功し、本来の力には及ばぬ物の、
其れに近い効果を発揮できるまでに遺物類を『修復』する事に成功。
長い年月を経て確立させたそれらの『修復技術』を用い、蘇った遺物の効果を受けたガントレットが本武装である。
失われた古代の神秘と、現代の最新技術の融合が織りなす奇跡的な武具、
それがこの"剛毅の掌<パーム・オブ・ストレングス>"なのだ。
"WILD"の手によって開発、実用化された後、協力関係にある
セリーナ・ザ・"キッド"に対して、一種の『強化兵装』として授けられた。
【通常形態―――ガントレットモード】
ガントレット型装備である本武装は、通常形態ではセリーナの腕に"装着"する形で運用される。
敵の攻撃を防御する籠手や、殴打の際に威力を発揮するナックルガードとして利用可能。
これは能力を持たない上、防御力においてはほぼ一般人と同等であるセリーナにとって
鎧を召喚するまでの一瞬の隙を攻撃された際に非常に有利に働くであろう事が期待される。
しかし、本質的には後述する"変形機構"の方がメインである為
格闘武装として本格的に用いる事はなるべくであれば避けるべきだ、とセリーナは考えている。
【特殊形態―――アーマードモード】
本武装最大の特徴である、"変形・合体機構"を起動した特殊形態。通称"アーマード・モード"。
そもそも、ガンマンであり銃撃を用いた戦闘を得意とするセリーナに、科学者たる"WILD"が
何故、ガントレットなどと言う近接戦用の装備を渡したのか。
それはこの武装が単なる手甲だけに留まらず、この特殊な形態を持っている事が関係している。
腕に装着された本武装は、セリーナの愛用銃である
"弾"末魔、そしてセリーナ自身の意思に反応し
ガントレットの形状から複雑に変形、握り締めた
"弾"末魔に纏わり着く様な形で、
"合体"。
"弾"末魔自体を強化する言わばパワーアップ・
アイテムとして機能する事が出来るのだ。
合体後の"弾"末魔は"弾"末魔 FT(フルスロットル)と呼ばれ
"弾"末魔自身が持つ力を最大限に発揮する事が可能となり、以前よりも強力に進化した
召喚武装を呼び出せるようになる。
パーム・オブ・ストレングスの装甲は、
"弾"末魔における『銃身』・『グリップ』を覆う形で装着され、
それぞれの部位を長銃身の『ロング・バレル』、大型木製装備の『ストック』へと変容させる他
更に上部には、専用のスコープと化した装甲も展開される為、その外見は宛ら
"弾"末魔をベースに強化パーツを装備した古式な『リボルビング・ライフル』の様に見える。
見た目にも大型銃器となった"弾"末魔は通常の魔弾の威力が上昇した他、
強化前には存在しなかった魔力のチャージ、及びチャージショットによる強烈な一撃を放てる様に変化。
純粋に強化された魔弾による射撃と、以下に記する改良型召喚武装の双方を用いて
セリーナに多彩な戦法を与える、戦"力"の名に相応しい武装がこのパーム・オブ・ストレングスである。
【"弾"末魔 FTが召喚できる改良型武装一覧】
騎士怪醒―――ティターン・アーマーRV
正式名称はティターンアーマー"レボリューション"、革命的な進化を遂げた事に由来する。
通常アーマーの上から全身に増設された追加装甲は強固な防御力を発揮し、
破損時にはそれ自身が炸裂する事で自壊、衝撃を吸収。
ダメージの効率的な遮断を実現する一種の"リアクティブ・アーマー"<複合装甲>である。
更には追加装備として、両腕部に腕と一体化した状態で装備される新型の装備、
『EA・GUN』(エレクトロニック・アーム・ガン)が増設。
弾丸では無く、特殊なティザー・ダートを発射するこの非殺傷性の電撃銃は
小型の発電機を備えたダートによって着弾点から電流を放出、命中した相手を『気絶』させる事が可能。
放出する電力レベルは調整が可能で、最大出力では殺傷力を持たせた電流を放つ事も出来るが、殺傷目的であれば
通常の銃器を用いた方が遥かに効率的である為、殺傷用として用いる事は無い。
また、機械類をショートさせる為に使用する事も可能。
そして、肩には可変式バレルを装備したセミオート・ライフル、
通称『MB2』(マルチバレット・バスター)が可動式アームと共に接続されており
大口径マグナム弾から小口径のライフル弾まで幅広い弾丸での戦闘を可能にする。
バレル<銃身>は選択した弾丸の口径に応じて伸縮する事が出来、
最大時(50口径のライフル用魔弾マグナム弾を使用する場合)は
通常状態において折り畳まれている『副銃身』を合体させ、1mもの長さを誇るロングバレルの重火器と化す。
銃身を支えるメカ・アームはセリーナの視線を魔導機械が認識、追従する形で稼働する為に精密性が非常に高い。
しかし、セミオート専用ライフルである為連射性には乏しく、
また弾丸の交換もセリーナがアーマーのHUD(頭部の画面)内で指示し
その後に可動アームが処理する形で行われる為に挙動は遅く、その動きには隙も大きい。
また射撃精度を上げる為に銃身はかなり大型である為、攻撃の的になり易い、という欠点も見られる。
鎧と機械が混ざり合った様な外見である通常のティターン・アーマーに比べると
増設された装甲や背中から装備された"ガンマン"を想わせるマント等、よりマッシブな外見へと変化している。
番犬吠々―――ケルベロス・マグナムKO
正式名称はケルベロスマグナム"ノックアウト"、従来比でも強烈な破壊力を得た事に由来する。
20mmスマート・グレネードに匹敵し得る大口径弾丸を放つ従来のケルベロスマグナムと比較して
更なる大口径化を果たした30mmのカート式マグナム弾を三発装填可能になった強化型銃火器。
強烈な破壊力を誇る三連装のマグナム弾はもはや拳銃で扱うサイズの弾丸としては規格外の物であり
砲撃に近しい程の破壊力を発揮、それに加えて全ての弾丸に属性効果が付与されている。
通常では着弾時に火薬の炸裂と共にそれぞれ火炎、冷気、暴風の三つの属性が発揮されていたが
KOではその属性効果も威力を底上げされている。加えて三連バレルに覆われた中央部にも銃身が増設されており
最後の一撃として属性効果を伴わない"魔力"を伴ったマグナム弾を放つKNOCK OUT BLASTを使用可能。
爆発的な破壊力を発揮するが銃身が破壊される為にその後使用不可能な状態に陥る事を含めても、
まさに最後の一撃、"ノック・アウト"狙いの切り札としての使用が望ましいと言えよう。
最終更新:2014年09月10日 17:02