-ho-senka 「おいおい、川中島くん。半ドンですかぁ?」 面倒な奴に捕まった。御手洗はクラス委員長、ヤンキー崩れのような風貌のくせに規律にはクソ厳しい。 「ああ、実は親戚の友達の妹の旦那さんが酷い引き篭もりらしくてな。急遽俺が彼の心のケアに駆り出されたというワケさ。全く、元引き篭ラーだからって、あんまりアテにして欲しくは無いのだがな」 「あァ!?」 「川中島君…もうちょい、取り繕う気概を見せた方がええんとちゃうかなぁ」 御手洗の側に付きそうのは流清水、京都弁のお淑やかな女性だが、御手洗の側で副委員長なんてやってるせいで『便所コンビ』などという哀れな俗称で一括りにされている。 ちなみにこの子の前でその単語を口走ると、殺される。 「じゃあ仕方ねぇな、その親戚の友達の妹の旦那さんに夜露死苦伝えてくれや」 「えー…御手洗くん、優しすぎやわぁ…」 サムズアップしながら去っていく御手洗、あえて突っ込まない流。 アイツらは今後出番があるのだろうか… そんなことを考えながら帰宅する。 「なんだよ、これ…」 家には巨大な… -ooi 家には巨大な非常用脱出ロケットが備えて「あった」のだが 綺麗さっぱり無くなっているではないか。 これは事件の匂いがするぞ -issen その考えに行き着いたのはまだもう一つ理由があった。 "御手洗大志"が玄関で死んでいた。 さきほどスクールで挨拶を交わしたばかりの友人が、自宅の玄関で死んでいたのだ。 「な、なぜ・・・」 疑問ばかりが頭に浮かんだが、口から出た言葉はありきたりな台詞に過ぎなかった。 ガタッ! 放心状態の川中島郁人であったが、大きな物音で我に返り、後ろに振り向くとそこには意外な人物が。 -ENISI 「10年振りだね、川中島君…。」 この数刻で何人の人と会っただろう。正直もう脳が処理しきれてない。 俺の脳みそは灰色でもピンク色でもないのだ。新規キャラはもう増やさないでほしい。最高48人までだ。 「えっと、どちら様でしょうか?」 「まだ、知らなくていいよ。ただ、君の世界を壊しに来たんだ。この- 檻 -の中から逃げ出すためにね。」 「じゃあ、それでいいです。そんなことより、知り合いが倒れてるんで手伝ってくれませんか?」 ・・・・・・・・・ 「誰か倒れてるって?」 「誰がって、ほらそこに…。あれっ?」 振り返ると、血溜まりスケッチ状態の御手洗がいない。 「…どういうことなの?」