ディナータ・クレータ


概要

始原十二災群が一。フィクションの擬人化。人を学ぶもの。人間の営みを模倣する者。物語を綴る物語。
種族は魔本(グリモワール)。本の無数の頁が人のかたちを織り成して、貪欲に物語を求める。

引用

「世の中を派手にきんきらに!」「うつくしく」「醜く」「無秩序無秩序!」「そんな感じのフィーリング!」
「怠惰な日々とか」「懶惰な時とか」「凡打止まりの停滞とか」
「「「つまらないったらつまらない!」」」


始原十二災群

値する災厄は迫害。

詳細

白の書物ディナータ・クレータ。
宙に浮く巨大な本。その無数のページが童女の姿を取り、口々に自由気ままに喋り嘲る。
彼女たちは物語を心から愛しており、物語を紡ぐ行為を心から尊ぶ。
半面、物語になり得ない凡庸で退屈な日々や人間に価値を見出すことはない。
美しい物語を生み出すためなら、何が犠牲になろうと厭わない。それこそ70憶の生命であっても。
大衆の敵。ひいては社会の敵。文明の敵。人類の敵。
「生き続けるなら永久の喜劇を?」「息絶え死ぬなら無情の悲劇で?」
「正味どっちでもいーけれど」「何れにしたって派手じゃなくちゃ!」

現象

ふらふらとエヴェンハイム上空を彷徨い、物語の片鱗を見つけると舞い降りる。
感嘆に値する物語を見つけた際、彼女達はそれを自らの頁に閉じ込める。いつでも読み返すことのできるように。
彼女の求める物語に、フィクションとノンフィクションの境はない。
物語の登場人物として巻き込まれた者は、閉じた本の中で永久に同じ物語を演じ続けることとなる。

白の書物の頁

カテゴリーとしては召喚術、結界術に該当する。
彼女達は自らの身を護るために、自らが綴った物語の断編を参照することで、魔力を伴った断編の世界観を構築する──
つまり、物語の世界を現実のものとして召喚できる。

  • 【黒灼の魔杖の逸話】
黒灼の魔杖、グロズィック・テルニュゼーを参照する。黒い炎を放つ杖が辺りを焼き尽くす。

  • 【虹瞳の巨狼の伝説】
十二定礎神群の一つとして知られる《虹瞳》。その伝説を参照する。
想像の産物たる《虹瞳》を召喚し、相手へブレス攻撃を行う。

  • 【海渡り鳥の冒険録】
広大な海と、その上空をどこまでも飛び続ける鳥の風景を参照する。
鳥を「困難へ挑む者」「到達への導き手」と捉え、達成困難な事象の成功率を引き上げる。

  • 【マッチ少女の悲劇】
駄作。既存の物語のパクリ。
幻想を一つ叶える。

  • 【銀河を奔る英雄譚】
船出と航海。勇猛果敢な銀河劇場(スペースオペラ)
一行を襲う困難と、立ちはだかる難敵を討ち滅ぼし続く挑戦と希望の旅路。
自身とそれに組する者を主人公に見立て、バフ効果を与える。

  • 【血と革命の残酷詩】
義憤と暴走。正義と悪。使命感と抵抗。迸るは際限なき血の激情。そして滅びゆく体制。
相手に偽悪的な体制側の役割を押し付け、デバフ効果を与える。

  • 【不可思議の遊戯盤】
悲喜こもごもなイベントの詰まったボードゲーム。
ランダム効果で何もかもを引っ掻き回す博打技。

  • 【書を綴る書の物語】
自分自身を参照する。自己定義の魔術。
初期化、再定義、自分探し。原初の目的。白の書物
己の権能を高めることで、現実空間の展開を物語としてある程度操作可能となる。

継承

厳密には彼女達は始原十二災群として産まれ出でた存在ではない。
しかし、災群の一つである謳う首のュランヴェールを物語として取り込んだことで、災群の座を継承した。
平常時は前述の行動規則に沿うが、ディー・ダー・オーの目覚めの時はその呼び声に支配され、無差別に人を殺す。

交戦記録

物語にした。


物語を綴る物語の前日譚

初め、その書には何も記されていなかった。
頁番号を振られ、装丁され、表紙が作られてなお、その書は空白のみで出来ていた。
何故ならその書は、物語を綴る物語──書き手の役割を与えられていたのだから。
故にその書は、白の書物と呼ばれていた。

白の書物は、己に物語を紡いでいく。
そして、ひとつの物語が完成すれば、ひとつの本として装丁してとじる。
すると、白の書物は再び新たな白紙として存在するのだった。
そうしたら、また新たな本をひとつ作り出していって。
重なりゆく本の山は、やがて一つの神秘を産み出すに至った。
気付けば、その物語は、作家としての人格を有していたのだ。

いつしか白の書物は願い始める。
己自身の物語を、己が頁にしたためんと。
それは人が抱く好奇心と同じ、意志を持った願いであった。
詩歌を詠み、浪漫を描き、映画に恋をした書物は、己の物語を求める。
幻想を抱き続けながら、書はうつろう世の中をさまよい続け──
やがて独りの魔術師の元へたどり着いた。

「お前は、単なる紙束の分際で冒険の悦びを欲するのか。
 ならばその陳腐な望み、僕が叶えてやらぬこともない。
 僕に願えばたちまちお前に人の血肉をくれてやろうぞ。
 さあ、我がしもべとなって残りの書生を尽くすがよい」

魔術師は語り、白の書物へ手を差し伸べた。
白の書物は即座にその願いを飲み込み、人の血肉を手に入れた。
みめ麗しい人の姿をした書物は、今でも物語を紡ぎ続け、
そして、その魔術師に仕えているという。

──この話がどこまで本当かは分からない。
きっとこれも白の書物が綴った物語の一つ。
ほんとうのほんとうは、だれにもないしょ。


出張先

騒乱イバラシティにて、アンジニティ側として参戦。
「欠けた蜜蝋」の一員として、だいぶおんぶにだっこで戦っていた。
人間体の時は、降留花ツムギを名乗っている。

参照先

クロニカ - pixiv
アリス・イン・カレイドスピアの登場人物、ロシュ。
最終更新:2025年03月08日 02:13
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