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シヴァリング・アイルズ動物総覧

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シヴァリング・アイルズ動物総覧
ナムリル・エスプリンク

我が親友にして同僚であり、全世界の生物を守ったヴェンリストウィーに捧ぐ。

若い頃に私は動物相のあらゆる形態についての広範囲の研究に関する教育を受けたのだが、大遠征でシヴァリング・アイルズを調査した際の発見に対する驚きは、完全に想像を絶する物だった。私は生まれてからずっとここで暮らしてきたが、アイルズの生物がどれほど素晴らしく独特なものであり得るか、今になってようやく気がつき始めたのである。

大遠征は、6年間に及ぶ大規模な調査を行い、アイルズをくまなく調べて固有の動物相を分類し、その情報を後世および科学界のために記録しようという試みだった。各生物を詳細に描写すべく、私は最善を尽くした。この情報は多くの命を犠牲にして得られた物であり、他に類を見ないほど総合的で信頼できる参考文献だということを、特筆しておくべきだろう。

バリウォグ

バリウォグは並外れて醜い水生生物で、シヴァリング・アイルズの湖、川、沼を主な生息地にしている。バリウォグ、あるいは地元民の一部がそう呼ぶところの「ウォグ」は、四足歩行を行い、決して愚鈍あるいは従順とは言えない性質を有する。十分に成長した成体のバリウォグはそのかぎ爪で強烈な一撃を与えることができ、また、非常に鋭い歯で噛みついて相手の命を奪う可能性すら持っている。この獣がもたらす致死性は実際のダメージによる物ではなく、それが引き起こすと思われる恐ろしい病気による物である。さらに注目すべき点として、水に浸かるだけで回復できるという神秘的な能力が挙げられる。観察した結論として言えるのは、この野獣はとにかく避けるほうが懸命だということである。彼らの中には、完ぺきな真珠を身体の中に持つ者がいると言われているが、一体なぜ真珠を呑み込むのか、そこにどんな効用があるのかについては、まだ分かっていない。

エリトラ

エリトラは大きな昆虫のような生物で、アイルズの広い範囲に棲む固有種である。北方種(マニア)と南方種(ディメンシャ)とでは著しい色の違いがあるものの、行動パターンと肉体的構造は極めて似ている。エリトラは戦闘時に役立つ2つの興味深い仕組みを持っており、不用意な旅行者にとっては重大な脅威となっている。1つ目の能力は、武器による攻撃を防ぐ不思議な能力である。たとえば剣や矢といった、自分に向かってくる攻撃を察知するための早期警戒システムとして、彼らが触覚を用いているのではないかと、観察を通じて私は推測するようになった。触覚から脳に信号が送られ、彼らは本能的に腕をあげて攻撃を防ぐのである。2つ目の能力は、彼らの針に含まれている自然な毒である。毒は非常に微量であり、それゆえに欺かれやすいが、実はその持続性が致命的な性質をもたらすのである。放っておいた場合、この毒で平均的な男性は数時間のうちに死にいたるのである。最も恐ろしいのはエリトラ・マトロンの毒で、より小さな種類が出す毒よりもずっと長い持続性を持っている。

肉の精霊

アイルズで最も風変わりな生物の一種である肉の精霊は、皮と筋肉とを縫い合わせたような塊が不可思議な象徴で飾られ、鉄の襟を身にまとった姿で現れる。この生物を創造したのがシェオゴラスなのか、あるいは他のデイドラの王子なのかは定かではないが、これらを守護者として用いることが創造の意図であったことは間違いない。肉の精霊は通常、地下の廃墟で見受けられ、守るように指定された地域を、身が滅びるまで守り続ける。この生物が持つ独特な視覚的特徴として挙げられるのが、身体にあるエネルギースポットである。その部分には色がついており、内部からの光で輝きながら、精霊が持つ力を示しているように見える。身体の大きさが増すにつれて、光の色が黄、紫、赤と変わるようである。そのスポットの機能については未だ謎であるが、観察を通じて、魔法を弱める腺のような物ではないかと私は推測している。期待にたがわず、肉の精霊は病気や毒には全く影響されず、炎と霜に対しても高い抵抗力を持っている。逆に雷撃の魔法はどうやら彼らに影響を及ぼすようで、最大の弱点のように思われる。紫と赤の種類の物は、治癒や火炎球などの魔法能力も生来持っているようである。

ナール

おそらく最も奇妙な生物と言えるのが、時に「歩く木」と呼ばれることもあるナールである。この活動的な植物は、エリトラと同じように、アイルズのほぼどこでもうろつき回っている姿を見ることができる。シェオゴラスが創造した中でも最高に独特な生物の一つであるナールは、自分に向けられた魔法を利用して自らの防御力を強化することができるという、実に変わった特性を持っている。炎、霜、電撃のいずれかに打たれるとナールは物理的に大きくなり、攻撃に用いられた元素に対して、短い間、耐性を持つようになる。おもしろいことに、ナールの脆弱性が現れるのはその時なのである。攻撃された元素に対して耐性を発揮している間、他のすべての元素に対して脆くなってしまうからだ。我々の遠征のガイドは、まず炎の矢をナールに放ち、続いて霜の矢を放ち、また炎の矢を放つといった形で、その性質を実際に見せてくれた。

グラマイト

グラマイトはシヴァリング・アイルズで唯一の、生まれつき武器を巧み操れる生物である。水の中で生まれるこの原始的な人型の生物は、部族的な体系で組織化されているが、誰あるいは何を崇拝しているのかは明らかではない。グラマイトの創造主であるシェオゴラスを崇拝しているとも考えられるが、彼らの宗教的なトーテム像は、マッドゴッドとは似ても似つかない物である。ただ分かっているのは彼らが単純な階層制度を保っていることで、その中には、シャーマンや、他の者たちに指令を出していると思われるボス・グラマイトなどが含まれる。またグラマイトは、マグス・グラマイトによって証明されたように、魔法のかけ方も習得している。不思議なことに、グラマイトはバリウォグのそれに似た防御の仕組みを有している。水に浸かれば、グラマイトの傷ついた肉体は回復を始めるのだ。バリウォグとは異なり、この再生の仕組みは雨でも有効であるため、嵐の日の彼らは恐るべき存在となる。水による治癒能力という共通性を理由に、私はバリウォグとグラマイトには何らかのつながりがあると信じるに至ったのだが、広範囲に及ぶ調査をしてもなお、確かな関係性を見つけることはできていない。

ハンガー

シェオゴラスの暗い側面を象徴する生物がいるとすれば、ハンガーである。紛れもないデイドラの生物として生まれた彼らは、従者および番人としてここアイルズに配置されているのである。ハンガーをあなどってはいけない。彼らは優れた素早さと電撃を跳ね返す能力を持ち、犠牲となる者を疲労させる一時能力をも有しているのである。この恐ろしい生物に遭遇した際の最良の方法として私が勧められるのは、とにかく近寄らないようにするか、あるいは即座に殺してしまうことである。呪文を唱えることによりハンガーを召喚し、敵に立ち向かわせることができる魔法が存在しているとも言われているので、用心していただきたい。

スケイロン

スケイロンもまた、シヴァリング・アイルズ固有の水生生物である。直立したバリウォグに驚くほど似ているスケイロンは、大きなヒレのついた腕と、背トゲをその特徴としている。この生物は通常は非常に恐るべき存在で、獲物の後を追ってゆっくると歩き回っている。その遅いスピードが弱点だと勘違いしてはいけない。スケイロンは驚くべき跳躍攻撃ができるため、かなり遠くから獲物に襲いかかることが可能なのだ。バリウォグとのつながりとしてもう一つ挙げられるのは、噛んだりかぎ爪を用いたりすることにより、獲物に病気を移すことができるという事実である。接近戦ではとてつもなく恐ろしい相手となり得るので、最大距離を取った上で呪文やミサイルを用いて攻撃することが望ましい。

シャンブルズ

シャンブルズは、骨を用いて作ったアンデッドな構造物を、針金あるいは布きれを用いてつなぎ合わせたような姿をしている。奇妙なことに、彼らの組み立てに用いられている骨は、相互関係がまるでお構いなしのように見える。いくつか例を挙げるなら、頭蓋骨が膝のお皿になっていたり、脚の骨が腕になっていたりという具合なのである。シャンブルズはアンデッドかもしれないが、犠牲となる者を追いかける時には、まるで獲物を追う肉食動物のようである。骨っぽいアンデッドの仲間と同じように、シャンブルズは、病気、毒、麻痺に対して完全な耐性を持つ。また、すべての霜の魔法に対し、独特な耐性を有している。さらに、死を迎える際にシャンブルズは爆発し、見事な霜のシャワーを降らせる。この興味深い能力はどうやら、土壇場での防御機能として創造主によって付け加えられた物のようだ。私は元々この事実を知らなかったのだが、最も有能なガイドの一人が致命的な一撃をシャンブルズに与えた時に、初めて分かったのである。このアンデッド生物と戦うつもりなら、霜に対する防護物を必ず携帯するか、距離をおいて殺すようにすべきである。

皮を剥がれた猟犬

この忌まわしいアンデッド獣は、通常、アイルズに点在する廃墟の中あるいは周辺で遭遇することが多い。皮を剥がれた猟犬は身のこなしが非常に敏捷で、肉に対する飽くなき欲望を持っている。肉の精霊と同じように、皮と筋肉をぞんざいに縫い合わせたような姿をしているが、召喚された生物なのかあるいはただ単に組み立てられた物なのかについては定かでない。皮を剥がれた猟犬は決して侮れない敵である。まるで幽霊のように全く目にも留まらない突進攻撃ができるし、霜に対する有限の抵抗性を持ち、さらに、病気と毒に対する完全な免疫を持っているからだ。この獣の弱点は炎である。火におびえるほどの知性は持ち合わせていないようだが、彼らを手早く片づける方法として炎が非常に効果的であることは間違いない。

この著作は生物との戦いに関する側面のみに言及しているに過ぎないが、シヴァリング・アイルズの境界内を旅するすべての旅行者にとって、最重要な物だと私は感じている。今後の著作の中では、これらの生物が持つ別の側面、すなわち、再生産、創造、魔法的な起源、そしてさらには旅行中に私が発見したおいしい調理法にまで、触れてみるつもりである。アイルズの道を歩く際の最善の助言として私が言えるのは、常に慎重さを保ち、心の準備を怠らずにいることである。敵を知ることが、おぞましい死と生とを分ける境目になり得るのだ。



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