オブリビオン図書館内検索 / 「栄誉の金色リボン」で検索した結果

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  • 書物/栄誉の金色リボン
    栄誉の金色リボン アンピリアン・ブラン 著  春の早朝、木立に漂う朝霧に青白い陽光が揺らめいていた。テンプラーとストリングプールは開けた草地へと向かっていた。この4年間、2人はお気に入りの森はおろか、ハイ・ロックにさえも帰ってはいなかった。多少は変わったかもしれないが、森はその姿をほとんど変えてはいなかった。ストリングプールは、今は端正なブロンドの口ひげを蓄えており、それを蝋で固めて尖らせていた。テンプラーのほうは、太古の森に冒険を求めてやってきた青年にしてはまったく異質な生き物のようであった。傷付けられてなどいないのに、まるで傷を受けているかのように非常に寡黙であった。  二人はつる草や枝を掻き分け、自分たちの矢と矢筒に細心の注意を払いながら前へと突き進んでいた。 「この道は、お前の家へと続くんじゃないか?」とストリングプールは尋ねた。  テンプラーは周...
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    ...報告 第2巻 書物/栄誉の金色リボン 書物/オルシニウム陥落 書物/狂気の十六の協約 第六巻 書物/狂気の十六の協約 第九巻 書物/狂気の十六の協約 第十二巻 書物/鏡面 書物/虚偽だらけの現実 書物/軽装鎧の修理 書物/言葉と哲学 書物/ザレクの身代金 書物/シシス 書物/重装鎧の修理 書物/ジョルニブレット最後の踊り 書物/盗賊の台頭 書物/ネクロム事件 書物/バレンジア女王伝 第1巻 書物/バレンジア女王伝 第2巻 書物/バレンジア女王伝 第3巻 書物/ファーストホールド反乱 書物/魔法戦の技術 書物/メイスの取り扱い 白1 -白1の書物一覧を見る 書物/生きている森 書物/九大神教団の十戒 書物/ケメル・ゼーの廃墟 書物/子供向けのアヌの伝記 書物/シェザールと神々 書物/呪文の手引き 書物/聖蚕の恩恵 書物/東方地域について 書物/ドラゴンの...
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    ...UESPWiki) 栄誉の金色リボン (The Gold Ribbon of Merit - UESPWiki) エリトラの一生SI (An Elytra's Life - UESPWiki) 大いなる旅 (The Exodus - UESPWiki) 大いなる天空 (The Firmament - UESPWiki) 王者 (King - UESPWiki) 王者のアミュレット (The Amulet of Kings - UESPWiki) 狼の女王 第1巻 (The Wolf Queen, v 1 - UESPWiki) 狼の女王 第2巻 (The Wolf Queen, v 2 - UESPWiki) 狼の女王 第3巻 (The Wolf Queen, v 3 - UESPWiki) 狼の女王 第4巻 (The Wolf Queen, v 4 - UESPWiki)...
  • 書物/雪の王子 地に落ちる
    雪の王子 地に落ちる (白眼のイングヤルダー族長に仕える年代記編者のロックハイムによって書き写されたモーズリング戦記である)  彼が何処から訪れたのか我々は知らなかったが、彼は青白く素晴らしい軍馬に跨り、戦場へと乗り込んだ。エルフ、我々は彼をそう呼んだ、確かに彼はエルフだったが、その日まで我々が目にしてきた彼の同種とは異なっていた。彼の槍と鎧は未知のマジカによる明るく恐ろしい輝きを帯びていて、見事に着飾った正体不明の騎手は戦士よりも大きく見えた。  その時我々を最も悩ませ、否、驚かせたのはエルフの隊列から沸き起こった歓声だった。それは恐怖や驚嘆ではなく、呪われた者が人生のやり直しの機会を与えられたときに感じるような、臆面もなく解き放たれた歓びだった。それはソルスセイムにおける数多くの小競り合いの中でも、最もエルフ達の命運尽き、死に瀕しているときであった。モーズリング...
  • 書物/ペリナルの歌 第7巻
    ペリナルの歌 第7巻:ウマリルとの戦い、そして切断 [編者注:この断章はカヌラス湖のアレッシア会の修道院遺跡から発見されたもので、正義戦争(第一紀2321年)以前に書かれたものであると思われる。さらに、文体を分析するとこの断章はペリナルの歌の初期、6世紀中ごろの形式を伝えていることがわかる。] [そして]ウマリルの軍勢[との数々の戦いの末]オーロランの死体が玉座を取り巻くろうそくのように横たわり、ペリナルはアイレイド最後の妖術師の王たちと、重厚なヴェーリアンスで武装した彼らの魔族たちに取り囲まれていた。ペリナルが彼のメイスで床を突くと、その音に敵はひるんだ。彼は「俺を呼び出したウマリルをつれてこい!」と言った…… [しかし]一方、力強さをたたえた顔つきの、邪悪で不死身の金色のウマリルは、接近戦よりも遠いところからの狙い撃ちが好きだったので、白金の塔の陰に長くとどまっ...
  • シリーズ作品/ペリナルの歌
    ペリナルの歌 第1巻:その名について [編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝都図書館所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける。]  彼の名前「ペリナル」はまことに驚くべきであり、奇妙である。多くの異名は後についたものにすぎない。それはエルフの名であるが、ペリナルはエルフに災いをもたらすものであり、その名はエルフにとって皮肉というよりも残酷であった。若い時分から、ペリナルは白髪をたなびかせ暴れまわった。敵であるエルフたちが彼らの言葉で彼をペリナル...
  • 書物/狩りへの出立
    [本書内の記述はどうやら手早く転記されたもののようで、元は口述によるものか、より長大な著作からの引用かと思われる。] 狩りへの出立  何びとにも、狩りが宣言されず、儀式が宣言されず、太古の務めがまっとうされていないなどと証言されることなかれ。  野生の狩りとしても知られる無垢な獲物の儀式は、この世を取り巻く強大なマジカの流れから魔力を引き出すための古代の儀式である。儀式が由来する時代やその考案者は遥か昔に忘れ去られてしまっているが、所定通りに行なうことで狩人に強大な力と名声を与えうるものである。  儀式においては万能なる狩人たちとその大犬、子犬たちが、人間たちの狩りにちなんで伝統的に「兎」とも呼ばれる、哀れなる呪われた無垢なる獲物と対決することになる。狩人は無力な獲物に対する自らの圧倒的な優位性と支配に極上の興奮と栄誉を味わうと同時に、無垢なる獲物の悲劇的な...
  • 書物/火中に舞う 第7章
    火中に舞う 第7章 ウォーヒン・ジャース 著 場所:シルヴェナール(ヴァレンウッド) 日付:第三紀397年 11月13日  シルヴェナール宮殿で開かれた祝宴には、ヴァレンウッド再建の仕事を持っていかれたことに嫉妬する官僚や商人達も、全員顔を見せていた。隠そうともしない憎悪の眼差しの中心に居るのは、スコッティ、ジュラス、バスの3人である。スコッティには居心地が悪いだけだったが、ジュラスには、それが快感であるようだ。召使達がロースト肉の乗った大皿を引っ切り無しに持って来るのを見ながら、ジュラスとスコッティはジャッガで乾杯を交わした。 「今だから言えるがな」とジュラスは言った。「正直、お前をこの商談に巻き込んだのはすごい失敗だと思ってたんだよ。だが、な。俺がコンタクトを取ったどの建設会社の連中も、確かに外見は積極的だったがね、お前みたいにシルヴェナールとサシで話付けた...
  • 書物/物乞い王子
     帝都の物乞いのなんとみすぼらしいことか。哀れで貧しい人生の落伍者たちはどの街でも目にすることができる。ほとんどは貧苦にあえぎ、着るものもままならず、捨てられた残飯を糧としている。人々はゴールドを1枚投げ与えることで、彼らの苦境をできるだけ考えないようにしているのだ。  それ故、物乞い王子の話には少なからず驚かされた。そもそも、物乞いの王子とはいかなるものか想像がつかなかった。ここでその話を紹介しよう。ときは第一紀。神が人のように歩き、デイドラが何のおとがめもなく荒野をさまよっていた時代のことだ。オブリビオンに縛られていた以前の物語である。  かつてウィードルという男がいた。あるいは、女であったかもしれない。性別をあえて曖昧にしている節がこの物語にはあるのだ。ウィードルはヴァレンウッドの王の第13子であったため、王位継承権が望めないのはもちろん、相続が許された土地や財産も皆...
  • 書物/ニベンの娘
    ブラヴィル:ニベンの娘 サシィーア・ロングリート 著  ブラヴィルはシロディールの中でももっとも魅力溢れる町で、質素ではあるが、美しさと過去の栄華で彩られている。帝都南部を訪れる人は必ず、ブラヴィルの賑やかな河港沿いを散策し、地元の子供たちとのおしゃべりを楽しむ。もちろん村の伝統である、有名な“幸運の老女”の像に祈りの言葉もささやく。  アトモラの民がやってくるよりもはるか何千年も前のこと、地元アイレイドの人々が今日のブラヴィルの近くで長く暮らしていた。今のニベンにあたるこの場所では、食料が供給され、輸送機関もあり、今よりずっと人口が多かった。彼らは孤立していたところで住んでいたため、自分たちの住む土地をなんと呼んでいたのかは定かではないが、彼らの使う言葉で“家”と意味する言葉で呼んでいた。アイレイドは塹壕を掘って侵入に備えていたので、ブラヴィルはアレッシア軍が第一紀の二...
  • 書物/鏡面
    鏡面 ベルディアー・レアンス 著  広々とした草原の上を風がなびき、数本の木を前後に揺すり、苛立たせている。明るい緑のターバンを巻いた若い男が軍に近寄り、彼の族長の和解条件を指揮官に渡した。そして彼は拒否され、戦が始まる。アイン・コルーの戦いである。  よって、族長インベズはむき出しの挑戦を宣言し、彼の騎兵たちはまたしても戦争となった。一族は幾度となく彼らが占有すべき以外の領土に侵入し、そして幾度となく外交的手段は失敗し、ようやく戦になった。ミンドゥスラックスにはそのほうが好都合なのである。彼の同胞たちは勝つかもしれないし、負けるかもしれないが、彼は必ず生き残る。時折戦の敗北側にいたこともあったが、この34年間、彼は1度も近距離戦に負けたことがない。  二つの軍は、ほこりの中を泡立つ小川のように殺到しあい、激突すると喚声が沸きあがり、丘にこだました。血、ここ数ヶ月...
  • 書物/王者
    「王者」 レヴェン 著  読者諸君、この連続物語の3巻、「物乞い」「盗賊」「戦士」を読み、記憶に留めていない場合は、結末へとたどり着くこの最終巻に書かれている内容を理解することは難しいだろう。お近くの本屋でのお求めをお勧めする。  前回の物語は、いつもの如くエスラフ・エロルが命をかけて逃走しているところで幕を閉じた。彼は多量の金と非常に大きな宝石を、ジャレンハイムのスオイバッドという名の富豪から盗んだ。その盗賊は北へと逃げ、盗賊らしくありとあらゆる非道徳的な快楽のために、金を湯水の如く使った。この本を読んでいる淑女や紳士を動揺させてしまうような内容なので、詳しくは述べないことにする。  手放さなかったのはあの宝石だけである。  愛着があって手放さなかったわけではなく、彼から買い取れるほどの金持ちを知らなかったからである。何百万もの価値がある宝石を手にしなが...
  • 書物/炎と闇:死の同志たち
    炎と闇:死の同志たち イニル・ゴーミング 著  「同志よ、憎悪の試練にも屈しなかった血のきずなで結ばれたおまえを、今でも同志と呼ぶ。今では必然とも思える俺の死だが、たとえ殺されようとも、これだけは覚えておけ、同志よ。我々は無垢ではない。故にお互いに向けられた敵意は悲劇ではなく、恐怖である。毒殺や寝首を掻き、突然矢が放たれ、巧みにダガーを使う、静かな、闇の中の戦いの終わりは、俺には見えてこない。和解の可能性はない。部屋の中では影が動いているが、ロウソクの炎は微動だにしない。これが俺の……」  この覚え書きは第二紀358年にノルドの村、ジャレンハイムにある廃屋の床下から発見された。物静かな靴職人が住んでいたといわれているが、34年前にタムリエル全土で禁止された暗殺者のギルド、あの恐ろしいモラグ・トングの一員であったと一部の人たちからはささやかれている。靴職人が突然消えてしまっ...
  • 書物/ペラギウスの乱心
    ペラギウスの乱心 サシーンズ 著  第三期119年、叔父に当たるアンティオカス一世による華々しい統治の末期に、タムリエル全土の皇帝となるべく、ウェイレスト王族の王子、ソアリズ・ペラギウス・セプティムは誕生した。王者マグナスはアンティオカス帝お気に入りの弟であったため、ペラギウスが誕生する以前からウェイレスト王族は優遇されていた。  ペラギウスが生まれてからの10年間は国自体が混乱の渦に巻き込まれていたため、彼の乱心がいつ頃表面化したかは定かではない。ペラギウスが1歳を越えた頃、アンティオカス帝が崩御したため、万人が歓呼するなか、娘のキンタイラが玉座を継承した。キンタイラ二世はペラギウスの従姉妹に当たり、熟達した神秘者であるとともに魔法使いでもあった。もしこの時、彼女に未来を覗き見る手段があったとしたら、確実に王宮を後にしたであろう。  レッド・ダイヤモンド戦...
  • 書物/ジョルニブレット最後の踊り
    ジョルニブレット最後の踊り 女たちの歌 Ⅰ:  毎年 冬が来て  戦争が1つ2つ始まりそうな理由が  特になければ  (争いごとは本当に厄介なもの)  女王リメンとその旦那  家来を集めて陽気な騒ぎ  舞踏会があると聞けば  いの一番に駆けつけるのは  ゲイルのオギン・ジョニブレット卿  あらゆる美しき乙女にとっての災い 女たちのリフレイン  ああ可愛い女たち  気をつけて ひときわ可愛い女性は特にご用心  ジョルニブレットは美男子だけど  あのきれいな手を思い切って握ってしまったら  ひどい魔法をかけられて  初めてのダンスがそのまま最後のダンスになってしまう 男たちの歌 Ⅰ:  あの社交行事に  出かけた者たちは皆  お辞儀もできれば姿勢も良くて  どんなダンスのステップも知っていた  女王リメンとその旦那  命じて吹かせ...
  • 書物/火中に舞う 第5章
    火中に舞う 第5章 ウォーヒン・ジャース 著 「せっけんだ! この森は愛を食べて生きている。まっすぐ進め! このマヌケでアホな牛め!」  スコッティがジャングルへ降り立つと、すぐにその声が響いてきた。彼は、薄暗い林の空き地をじっと目を凝らしてみたが、そこから聞こえてくるのは、動物や虫の鳴き声、風のざわめきだけだった。先ほどの声は、非常に奇妙で風変わりなアクセントがついており、性別もはっきりせず、震えるような抑揚だが、人間のものであることは間違いないようだ。あるいは、ひょっとしたらエルフの声かもしれない。おそらく、1人でいるボズマーが、たどたどしくシロディール語を喋っているのだろう。何時間もの間ジャングルをさまよった後では、どんな声でも少しは親しみが持て、すばらしく聞こえた。 「こんにちは!」とスコッティは叫んだ。 「カブトムシの名前は? 確かに昨日だった、...
  • 書物/シェオゴラス神話
    シェオゴラス神話 ミモフォナス 著 シェオゴラスは音楽を発明する 最古の時代、世界がまだ未開だった時代に、シェオゴラスは人間に混じって歩くことを決めた。彼は杖を持った紳士に変装して、気付かれずにあちこち移動した。11昼夜の後、シェオゴラスは人間の生活が彼の超俗的な生活よりはるかに退屈であると確信した。 彼らの生活をもっと面白くするために何ができるだろうか? と彼はつぶやいた。同時に、近くにいた若い女が物憂げにつぶやいた、「鳥の奏でる音はとても美しい」 シェオゴラスは黙って彼女にうなづいた。人間は美しく、心を動かされるような鳥の鳴き声を作ることができなかった。その声は哀れで、平凡なものだった。彼は人間の本質を変えることができなかった、それは他のデイドラの王子の権限だったためである。しかし、彼は人間に美しい音を奏でる道具を与えることができた。 シェオ...
  • 書物/2920 南中の月(7巻)
    2920 南中の月(7巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 南中の月4日 帝都 (シロディール)  皇帝レマン三世と支配者ヴェルシデュ・シャイエは、2人並んで宮殿の庭園をぶらついていた。彫像や噴水で飾られた、北の方の庭園が皇帝の今の気分に合っていた。何より夏の暑さを避けるのに好都合であった。よく手入れされた、青灰色と緑色に染まった花壇が、歩いて行く彼らの周りに階段状に広がっていた。 「ヴィヴェックは王子の和平の申し出を受け入れたようだな」と皇帝は言った。「息子は2週間もすれば帰ってくるそうだ」 「素晴らしい知らせですね」ヴェルシデュ・シャイエは注意深く答えた。「ダンマーが約束を守ってくれればいいのですが。ブラックゲート要塞の件もありますし、それに関しては、私達も強く出るべきでしょう。しかし、王子は妥当な方法を採られたと思...
  • 書物/ペリナルの歌 第3巻
    ペリナルの歌 第3巻:その敵 [編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝都図書館所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける。]  ペリナル・ホワイトストレークは当時のシロドに住む全てのエルフの敵であった。しかし、彼はアイレイドの妖術師の王たちを、戦争ではなく、主に彼自身が決闘をして倒していた。反乱はパラヴォニアの軍隊と彼が甥と呼んだ雄牛モーリアウスに任せていた。ペリナルは銅と茶のハロミアをトールでの決闘に呼び出し、彼の頚動脈を噛み切ってレマンを称える...
  • 書物/本物のバレンジア 第1巻
    本物のバレンジア 第1巻 著者不明  500年前のことだ。宝珠の街、モーンホールドに盲目の未亡人と、かさばる体つきの独り息子が暮らしていた。亡き父がそうであったように、彼もまた鉱員であった。マジカの才能に乏しいため、モーンホールドの王の所有する鉱山でありふれた肉体労働についていた。立派な仕事ではあったが、賃金は安かった。母親は手作りのコーンベリーのケーキを市場で売って、苦しい家計の足しにしていた。なんとか暮らしていけるものね、と母は言った。食事に困ることもないし、衣服は一着もあれば事足りるし、雨が降らなければ雨漏りもしないから、と。が、シムマチャスはそれ以上のものを望んだ。とてつもない鉱脈を掘り当てて、高額の賞与を手にすることを夢見ていた。仕事が終わればジョッキを片手に酒場で友人と盛りあがり、賭けトランプに興じていた。かわいいエルフの娘たちに色目を使い、ため息をつかせてもいたが、...
  • 書物/狂気の十六の協約 第十二巻
    狂気の十六の協約 第十二巻 マラキャスの物語 オルシニウムの発見が為される前の時代、疎外されていたオークの民は、我々の時代における彼らの子孫が慣れているそれよりずっと厳しくおびただしい追放と迫害の対象となっていた。そのため多くのオーシマーのチャンピオンが、同胞の増殖のために境界を強化しながら旅をした。たくさんのチャンピオンたちが今でも語りぐさとなっており、その呪いの軍団には、無毛のグロンマと、気高いエンメグ・グロ=カイラも含まれている。後者の聖戦士は、あるデイドラの王子たちに目をつけられることがなければ、タムリエル中に知られる伝説的存在へと間違いなくのし上がっていたはずである。 エンメグ・グロ=カイラはある若い女性の庶子として生まれたが、母親は彼の出産と共に亡くなっていた。そのため、現在はノルマル高地と呼ばれている山に住む彼の部族、グリリカマウグの、シャーマンに育てられることに...
  • 書物/境界の橋
    境界の橋:ムンダスとオブリビオン間の移動に関する応用の論文 アリノールのカミロンウィ 著  超体斜媒体の持続的作用が欠落する加速された物体、または実体の越閾通過は不可能であり、また可能であったとしても、瞬間的な移動対象の逆行を招く。閾の越境周囲貫通のみによって、無限小期間を超える通過を果たすことができる。  理論上、他超体斜媒体の存在はあり得るが、唯一既知の持続的越橋周囲貫通を可能とする越閾秘宝は印石である。印石はデイドラ印の神秘的な碑文によって多次元の秘宝に変形した擬似水晶モルフォリスである。魂石のような一般的なモルフォリスは自然界にて発見できるかもしれないが、印石の作製に用いられる外来のモルフォリスはオブリビオンの空間の狭間でしか発生せず、デイドラの支援なくしてはその探査も確保も行なえない。  従って、超体斜媒体に必要なモルフォリス、およびデイドラ印の入手はデ...
  • 書物/アルゴニアン報告 第1巻
    アルゴニアン報告 第1巻 ウォーヒン・ジャース 著  帝都の小さいが立派な広場の一角に置かれている、または、ぐったりとしているのがヴァネック卿の建設会社である。その想像力に欠けた質素な建物は、芸術性や建設設計に関してはあまり有名ではなく、むしろその並外れた長さによって知られている。もし批判的なものが、なぜヴァネック卿はあのような飾り気のない、伸びきった突起物を好むのかを疑問に思ったとしても、彼らはそれを口にしなかった。  第三紀398年、デクマス・スコッティは建設会社の先任書記であった。  内気な中年の男がヴァネック卿の下へ、五年戦争によって破壊されたヴァレンウッドの街道を修復する独占権をこの建設会社に与えるという、今までの契約の中でも最高の利益を得られる契約をもたらしてから数ヶ月が経過していた。これによって彼は、管理職や書記に間で人気者になり、彼の冒険を物語る日...
  • 書物/狼の女王 第1巻
    狼の女王 第1巻 ウォーヒン・ジャース 著 筆:第三紀1世紀の賢者モントカイ 第三紀63年  この年の秋、皇太子ペラギウスはカムローンの都市国家ハイ・ロックへ出向いた。皇帝タイバー・セプティムの姪が女皇キンタイラであり、その息子が皇太子ユリエルで、ペラギウスはそのユリエルの子である。彼は、ハイ・ロックの王ヴァルステッドの娘に求婚に来たのだった。この王女の名はクインティラといい、タムリエルで一番と言われる美貌の持ち主であった。彼女は女性らしい作法を完ぺきに身に付けており、また優れた妖術師でもあった。  ペラギウスは11年前に前の妻を亡くしており、アンティオカスという名の男の子がいた。ペラギウスがハイ・ロックに来たとき、この都市国家には巨大な狼の姿をした悪魔が住みつき、人々から恐れられていた。ペラギウスは、クインティラに求婚する前に彼女とともにこの怪物を倒し王国を救...
  • シリーズ作品/レヴェン四部作
    「物乞い」 レヴェン 著  エスラフ・エロルは豊かなノルドの王国、エロルガードの女王ラフィルコパと王者イッルアフのあいだに生まれた5人の子供たちの最後の子であった。妊娠中、女王は身長の2倍もの幅があり、分娩には開始から3ヶ月と6日間かかった。エスラフを押し出した後、彼女は顔をしかめ、「ああ、清々した」と言って亡くなったのは、なんとなく理解できる。  多くのノルド同様、イッルアフは妻のことはあまり気にかけてはいなかったし、子供たちはそれ以下であった。よって、彼がアトモラの古の伝統に従い、愛する配偶者の後を追うと宣言した時、家臣たちは戸惑った。彼らはこの2人がとりわけ愛し合っていたとも思っていなかったし、まずそのような伝統が存在していたことを知らなかった。それでも、北スカイリムの辺境、特に冬期は、退屈が一般的な問題であり、庶民たちはこの退屈を和らげてくれた、王家のちょっとした...
  • 書物/コロール案内書
    アレッシア・オッタスの コロール案内書  ステンダールを称え、九大神を称え、全ての聖人を称えよ! 私の名はアレッシア・オッタス。皆様に、コロールの全てについてお伝えしましょう。 コロール城  コロールはコロール州の州都であり、女伯爵アリアナ・ヴァルガによって統治されています。彼女は非常に正しい女性で、彼女の娘は美しく貞節な、レヤウィン伯爵夫人のアレッシア・カロです。  アリアナは敬虔なアカトシュの信奉者で、ステンダール聖堂での礼拝を欠かさず、領民の良き模範となっています。彼女の夫、故チャラス・ヴェルガ伯爵もまた信望厚い信仰のディフェンダーでステンダール信者だったので、彼がスカイリムの異教のノルド人との戦いで命を落としたという知らせは領民に大きな悲しみをもたらしました。アレッシア・カロはレヤウィン伯爵の良き妻であり、コロール伯爵の子女としての本分を尽くしています...
  • 書物/盗賊
    「盗賊」 レヴェン 著  もしこのエスラフ・エロールの連続物語の第1巻、「物乞い」を読んでいないのなら、すぐさまこの本を閉じて出直していただきたい。  さて、今この本を閉じなかったお優しい読者の方、あなたにならお話ししよう。私が最後にエスラフを見た時、彼はまだ少年だった。彼は孤児で、物乞いとなり、彼の故郷であるエロルガードから遠く離れたスカイリムの冬の荒野を走り抜けていた。彼は長年、そこここで走っては止まりを繰り返し、大人になった。  食べ物を得る方法でもっともやっかいなのは人から恵んでもらうことだと、エスラフは身をもって体験していた。荒野の中で食べ物を見つける方がはるかに易しく、もしくは誰も見てない市場の棚から盗むほうが簡単だ。唯一やってはいけないことは食料を買うお金を得るために働き口を探すことだ。これは必要以上にやっかいなことになる。  エスラフにとっ...
  • 書物/戦士ギルドの歴史 第1版
    戦士ギルドの歴史 第1版  第二紀の283年、支配者ヴェルシデュ・シャイエは、帝都分裂の危機に直面していた。タムリエル全土の従属する王国の数々は反乱の極みに達し、公然と彼の統治に挑んできた。彼らは税の支払いを拒否し、全土で帝都軍に対して突撃隊を繰り出してきた。ドーンスターの要塞が破壊されたとき、彼は、ドーンスターの南に位置する街で集まったことから、後にバードモント評議と呼ばれることになる街に、帝都評議会を招集した。そこでポテンテイトは、包括的かつ全土共通の戒厳令を敷いた。タムリエルの王子たちは軍を解散するなか、彼の憤怒を目の当たりにすることとなる。  次の35年間はタムリエルの激しい歴史の中でも、おそらく最も血塗られた期間であった。  王族軍を最後の1兵まで鎮圧するために、ヴェルシデュ・シャイエは多くの精鋭部隊を犠牲にしたと同様に、帝都公庫のゴールドをほぼ使い切った...
  • 書物/キマルヴァミディウム
    キマルヴァミディウム ドゥーマー太古の物語 第4部 マロバー・サル 著  いくつもの戦いをへて、戦争の勝利が見えてきた。チャイマーはマジカや剣術においては秀でていたが、ジナッゴの手による洗練された防具を装備したドゥーマーの装甲兵が相手では、勝てる見込みはきわめて薄かった。“ランド”の平和維持を第一に考えた武将スソヴィンは、「野獣」カレンイシル・バリフと休戦協定を結んだ。スソヴィンは「紛争地域」を獲得し、その代償としてバリフに強力なゴーレムを授けた。北方の蛮族の襲撃からチャイマーの土地を守ってくれるだろう、と。  この贈り物にバリフは満足し、野営地に持ち帰った。ゴーレムを目にすると、仲間の戦士たちはあ然とした。金色に輝くその姿は、誇りに満ちたドゥーマーの騎士そのものだった。その強さを試そうと、彼らはゴーレムを闘技場の真ん中に立たせて稲妻の魔法で打ち抜いた。ゴーレムは目にも...
  • シリーズ作品/火中に舞う
    火中に舞う 第1章 ウォーヒン・ジャース 著 場所:帝都 シロディール 日付:第三紀397年 10月7日  正に宮殿と呼べるような建物に、アトリウス建設会社は入っていた。ここは帝都内のほとんどすべての建設事業に対し、建設や公証を行う、事務手続きと不動産管理の会社だった。宮殿の広場は質素で、豪奢な飾りつけなどはされていなかったが、この建物はマグナス皇帝の時代から250年間立っていて、飾りが質素で荘厳な広間と豪華な広場を構えていた。そこでは精力と野望に満ち溢れた中流階級の若い男女が働いていた。デクマス・スコッティのように、安穏と働く中年もいた。誰もこの会社がない世界など想像していなかった。スコッティもまた例外ではなった。正確には、彼は自分がこの会社にいない世界など想像していなかった。 「アトリウス卿は君の働きぶりにいたく感銘を受けているよ」と主任は後ろ手でスコッティ...
  • 書物/ネクロム事件
    ネクロム事件 ジョンクイラ・ボーズ 著 「つまりはこういうことだ」と、フラクシスは言った。どの彫像にも負けないくらい彫りの深い、毅然とした顔で。「街の西側にある墓地が悪しき存在にとりつかれていて、何年もそのまま放置されているんだ。民はもうそれを受け入れてしまっている。明るいうちに死者の埋葬を終えて、大月神と小月神が夜空に浮かび、邪悪が目覚める前に墓地から離れるようにしている。魔物どもの餌食になるのはよほどの愚か者かよそ者くらいなものだ」 「自然なやり方で厄介払いができていいじゃないの」と、ニトラはけらけらと笑った。背の高い中年の女性で、目は冷たく、唇は薄い。「彼らを救うお金はどこから出るわけ?」 「神殿からだ。墓地の近くの新しい修道院を再開させようとしていて、是が非でも悪霊を浄化したがってる。莫大な報酬がもらえるってことで、依頼を請け負った。私が討伐チームを集め、...
  • 書物/妖精族 第1巻
    妖精族 第1巻 ウォーヒン・ジャース 著  その偉大な賢者は背が高く、不精な感じの男で、髭をたくわえており、頭ははげていた。彼の所蔵の本も持ち主に似て、どの本も長い間にホコリをかぶり、本棚の奥へと突っ込まれていた。最近の授業で、彼はその中の数冊を用いて、ヴァヌス・ガレリオンがどのようにして魔術師ギルドを設立するに至ったかを学生のタクシムとヴォングルダクに説明していた。2人はサイジック教団でのガレリオンの修行時代について、またそこで行われた魔術の研究と魔術師ギルドのものとはどのように異なるのかなど、たくさんの質問を投げかけた。 「サイジック教団は、今も昔もは非常に組織的な生活様式を持つ機関である」と賢者は説明した。「実際、きわめてエリート主義的である。ガレリオンはその点を批判していた。彼は魔術の研究を自由に解放したかったのだ。まあ、『自由に』とはいかないまでも、少なくとも誰...
  • シリーズ作品/アルゴニアン報告
    アルゴニアン報告 第1巻 ウォーヒン・ジャース 著  帝都の小さいが立派な広場の一角に置かれている、または、ぐったりとしているのがヴァネック卿の建設会社である。その想像力に欠けた質素な建物は、芸術性や建設設計に関してはあまり有名ではなく、むしろその並外れた長さによって知られている。もし批判的なものが、なぜヴァネック卿はあのような飾り気のない、伸びきった突起物を好むのかを疑問に思ったとしても、彼らはそれを口にしなかった。  第三紀398年、デクマス・スコッティは建設会社の先任書記であった。  内気な中年の男がヴァネック卿の下へ、五年戦争によって破壊されたヴァレンウッドの街道を修復する独占権をこの建設会社に与えるという、今までの契約の中でも最高の利益を得られる契約をもたらしてから数ヶ月が経過していた。これによって彼は、管理職や書記に間で人気者になり、彼の冒険を物語る日...
  • 書物/不死の血
    不死の血 著者不明  月も星も姿を隠していた。特別静かな夜がいっそう沈んで感じた。街の衛兵は松明なしには巡回もままならなかった。だが、私の聖堂を訪ねてきた男は灯りを携えてはいなかった。やがて気づいた。モバース・ピクインは夜でも昼と同じように見ることができる。素晴らしい才能だった。彼がことのほか夜行性であることを考えたら。  侍者のひとりに連れられてやってきた彼を見たときに、まず、すぐにでも治療しなければと感じた。青白いどころかオパールのような顔色をしていた。耐えがたき苦しみに襲われ、かつての男ぶりの良さが抜け落ちてしまったような顔だった。目のまわりにできたくまが疲労の激しさを伝えていたが、瞳そのものは鋭く、真剣であった。  私の懸念を感じ取ったかのように、彼はすぐさま自分は病気ではないと告げた。それ以上、突っ込んで話そうとはしなかったが。 「バンパイアさ」...
  • シリーズ作品/狂気の十六の協約
    狂気の十六の協約 第六巻 ハーシーンの物語 常に尊大で高慢なオブリビオンの憤怒の王子は、年央月のある木曜日にスカイリムの極寒の頂に立ち、旨みのある話をハーシーンに持ちかけた。狩人の神はその日が自分の日であったために姿を現していて、シェオゴラスの大胆さが彼の興味をそそったのだ。 比類なき皮肉さを持つシェオゴラスは、クスクス笑う愚か者と、派手な作家、臆病な切断者を、自らの世界に押さえ込んでいる。憤怒の王子は得をしない駆け引きに精を出し、他者の混乱と悲劇と憤激がもたらす喜びに過ぎない無意味な流血を促すだろう。つまりシェオゴラスは、自分がハーシーンの好敵手を演じるためのお膳立てをしたのだ。 恥ずかしがりの王子はあわてることなく、争いを申し出た。それぞれの王子は、きっかり3年後に再びこの場所で会い、命懸けの戦いをするために、野獣を調教することになった。恐ろしい顔つきの陰に無...
  • 書物/黒い矢 第2巻
    黒い矢 第2巻 ゴージック・グィネ 著  私が女公爵の邸宅で従事した最後の晩餐会には、驚いたことに、モリヴァ村長とヒオメイストが他の客と共に招かれていたのである。召使いたちは噂話に夢中である。村長の訪問は以前にもあったが、非常に稀である。しかし、ヒオメイストの出席は考えられなかった。女公爵のこのような行為は、何を意味しているのだろうか?  他の会食に比べればいささか冷たい雰囲気が漂っていたが、晩餐会そのものは滞りなく首尾よく進んでいた。ヒオメイストも女公爵も、口数は共に非常に少ない。皇帝ペラギウス四世に新しく生まれた息子と後継者であるユリエルについて、一同に議論を投げかけようとした村長であったが、その試みは人々の興味を余り惹かず失敗に終わってしまった。すると、ヴィルア卿婦人── 年上ではあったが、妹の女公爵よりも快活である── が、エルデン・ルートでの犯罪とスキャンダルと...
  • 書物/狼の女王 第4巻
    狼の女王 第4巻 ウォーヒン・ジャース 著 筆:第三紀1世紀の賢者モントカイ 第三紀109年  タムリエルの皇冠を授かってから10年、アンティオチュス・セプティムは、臣下に彼の大いなる肉体的快楽の渇望以外の印象をほとんど与えなかった。104年、第2夫人グィシラとの間に産まれた娘は、彼の大叔母であった女帝の名にちなんでキンタイラと名付けられた。ふくよかに肥え太り、治療師が知る限り全ての性病の兆候が見られる皇帝は、政治に時間を費やすことはほとんどなかった。アンティオチュスの兄弟たちは、彼とは対照的に、この分野では彼より優れていた。リルモスのシロディールの女王ヘレナ──彼女の夫であったアルゴニアンの司祭王は処刑されてしまった──と結婚したマグナスは、ブラック・マーシュでの帝国権益に優れた手腕を見せていた。セフォラスと彼の妻ビアンキは、すくすくと育ちつつある子供達と共に、ハンマ...
  • 書物/クレイトリー家の伝説
    クレイトリー家の伝説 バロス=クル 作 登場人物 シオフォン ── 帝都民の男、24歳、泥棒 ニリム ── ボズマーの男、20歳、泥棒 シラヌス・クレイトリー ── 帝都民、51歳、商人 ドミニーシャ・クレイトリー ── シラヌスの妻、40歳 エルヴァ・クレイトリー ── 夫婦の娘、16歳 ミニスティズ・クレイトリー ── 夫婦の息子、11歳 舞台:シェイディンハルにある、名高いクレイトリー家の亡霊屋敷、その1階と2階。劇の大部分は2階で進行するため、二段になった舞台が必要。 舞台上は暗闇。 何かがきしむ音と、階段の足音。男の声が聞こえるが、何も見えない。 上方から呼びかける声。 エルヴァ(声のみ) ねえ? 誰か下にいるの? ミニスティズ(声のみ) パパを起こそうか? エルヴァ(声のみ) ううん…… ...
  • 書物/ニュー・シェオス案内書
    ニュー・シェオス案内書 -シヴァリング・アイルズの観光- ブレニス・アラリン 著 ニュー・シェオスは王国全体の料理と文化の中心、シヴァリング・アイルズの宝石として広く知られております。我らがシェオゴラス閣下の気まぐれによって造られ、この都はマッドゴッドの完璧な構想の手本となるものなのです。 ニュー・シェオスに初めて訪れた人はしばしば住民の暖かさ、寛大さ、様々な素晴らしいユーモアに感銘を受けることでしょう。訪れた人は両手を広げて歓迎され、ほとんどの方がニュー・シェオス家の一員になったかのような気持ちにさせられるのです。都での目を楽しませる眺望や耳をくすぐる音は新しく訪れた方を圧倒する程であり、この案内書は初めて訪れた人ができるだけ簡単に移動できることをお手伝いするためのものであります。 訪れた人は都が主に3つの地区に分かれていることに気付かれることでしょう: ブ...
  • 書物/2920 暁星の月(1巻)
    2920 暁星の月(1巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 暁星の月1日 モルンホールド(モロウウィンド)  アルマレクシアは毛皮のベッドに横たわり、夢を見ていた。太陽が窓に当たり、彼女の肌色の部屋に乳白色の光が注ぎ込まれて、ようやく彼女はその目を開けた。それは静寂と静けさであり、彼女が見ていた血と祝典で溢れていた夢とは驚くほどに違っていた。数分間、彼女は天井を見つめビジョンの整理を試みた。  彼女の王宮の宮廷には冬の朝の涼しさで湯煙を立てている、沸き立つプールがあった。手の一握りで湯煙は消え、彼女の恋人ヴィヴェックの顔と姿が北の書斎に見えた。すぐには話しかけたくなかった: 赤のローブを着て、毎朝のように詩を書く彼はりりしく見えた。 「ヴィヴェック」彼女が言うと、彼は笑顔とともに顔を上げ、何千マイルもの彼方から彼女の顔を...
  • 書物/後衛の心得
    後衛の心得 テナス・ムーアル 著  城は持ちこたえるだろう。どれほどの武力を持ってしても、カスカベル邸の壁が揺らぐことは決してないはずだ。しかしそれはメネグールにとって小さな慰めでしかなかった。空腹だった。実際、ここまで空腹になったのは初めてだった。要塞の中庭にある井戸は、第四紀までも持ちこたえられるほどの水を供給してくれてはいるが、それでも何か食べるものが必要だということを忘れる暇を胃袋は与えてくれなかった。  荷車一杯の補給品はメネグールを欺いた。彼を雇っていたソリチュードの王の軍隊がカスカベル邸を離れ、その撤退を援護する後衛として彼が銃眼に配置された時、数ヶ月は持ちこたえられるだけの食料を積んだ荷車が彼のために残された。食料庫であるはずの荷車を実際に調べ、そこに何も食べられるものが積まれていないことを知ったのは、軍が撤退した翌晩のことだった。どのトランクを開けてみて...
  • 書物/2920 栽培の月(5巻)
    2920 栽培の月(5巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 栽培の月10日 帝都 (シロディール)  「殿下」と、支配者ヴェルシデュ・シャイエが自分の部屋の扉を開けながら笑顔で言った。「このところお目にかかりませんでしたね。ひょっとしたら殿下は…… リッジャ様が愛らしすぎて具合が悪くなったのかと」 「彼女ならミル・コラップで風呂に入っている」と、皇帝レマン三世が惨めったらしい声で言った。 「どうぞお入りください」 「とうとう3人の人間しか信じられないようなところまで来てしまった。お前と、我が皇太子と、リッジャだ」と、いらだたしそうに皇帝が言った。「元老院は単なるスパイ集団だ」 「どうかなさいましたか、殿下?」と、支配者ヴェルシデュ・シャイエが同情した様子で言いながら、部屋の暑いカーテンを閉めた。大理石の廊...
  • 書物/アルゴニアン報告 第3巻
    アルゴニアン報告 第3巻 ウォーヒン・ジャース 著  デクマス・スコッティはブラック・マーシュ南部にある徹底的に帝政化された街、ギデオンで、ヴァネック卿の建築委員会およびその顧客を代理して、地域の交易を活性化させる商取引の手はずをあれこれと整えているはずだった。ところが実際には、半分水没した腐りかけのヒクシノーグなる小村にいた。知り合いなどひとりもいなかった。シャエロ・ゲムルスという名の麻薬密売人をのぞけば。  隊商が南ではなく北に向かってしまったのにも、ゲムルスはこれっぽちも動じていなかった。しかも、村人から買い求めたバケツ一杯分のトロードなる歯ざわりのいい小魚をスコッティにも分け与えた。スコッティとしては、火を通してある状態で食したがったが。せめて死んでいたほうが。が、ゲムルスは、トロードという魚は死んでも火を通しても猛毒になるのだとのんきに説明した。 「本当...
  • 書物/アルゴニアン報告 第4巻
    アルゴニアン報告 第4巻 ウォーヒン・ジャース 著  デクマス・スコッティは溺れていて、それ以上何も考えられなかった。アルゴニアンの農夫に受けた麻痺の呪文のせいで手足を動かすことができなかったが、すっかり沈んでしまうこともなかった。白濁したオンコブラ川は大きな岩さえもやすやすと流し去ってしまう勢いで流れていた。スコッティは上下逆さになりながら、あちこちにぶつかり、転がりながらひたすらに流されていった。  彼は自分がもうすぐ死ぬだろうと思ったが、それでもブラック・マーシュへ逆戻りするよりはましだと思った。肺に水が入り込んできたのを感じても、彼はもはやさほど慌てふためくこともなかった。そして冷たい闇が彼を包みこんだ。 。  しばらくして、スコッティは初めて穏やかな気持ちに包まれた。それは聖なる闇であった。しかしすぐに痛みに襲われ、彼は自分が激しく咳こみ、胃や肺に流れ込んだ...
  • 書物/タララ王女の謎 第3巻
    タララ王女の謎 第3巻 メラ・リキス 著  カムローンで行きつけの酒場「ブレイキング・ブランチ亭」を出た直後、ノルブースは彼の名を呼ばれたが、その名は聞き違える類のものではなかった。見まわすと、城付魔闘士のエリル卿が路地の闇から姿を現した。 「エリル様……」と、ノルブースは恭しく微笑んで言った。 「今宵、おまえが出歩いているのを見かけるとは驚いたぞ、ノルブース」と、エリル卿は歪んだ笑みを浮かべて言った。「千年記念の祭り以来、おまえとおまえの御主人殿を見かけることはほとんどなかったが、多忙だったと聞いてはいる。私が聞きたいのは、多忙であった理由だ」 「カムローンでの帝都の利権を守るのは忙しい仕事にございます。大使の細かな時ごときの些事が、エリル様のご興味にかなうとは思えません」 「それが、かなうのだよ」と魔闘士が答えた。「大使殿が最近非常に奇妙な、配...
  • 書物/タララ王女の謎 第4巻
    タララ王女の謎 第4巻 メラ・リキス 著  ジーナが皇帝の密偵、ブリシエンナ夫人に会うことは二度となかったが、彼女は約束を守った。帝都に仕える処刑人、プロセッカスは、ストレイル卿の屋敷に変装してやってきた。ジーナは有能だった。数日もあれば知るべきことは学べてしまいそうだった。 「こいつは単純な魅了の呪文でして、激怒したデイドロスを恋にのぼせた子犬に変えてしまう、ということはありません」と、プロセッカスは言った。「相手を怒らせるようなことを実行するか、そういったことを口にすれば、効果が弱まるでしょう。ちょうど幻惑の流派の呪文のように、あなたに対する相手の認識を一時的にゆがめますが、敬意や憧憬の念を抱かせようとしたら、もう少しマジカ性の弱い魅了を使って対処しなければならないのです」 「わかったわ」ジーナは微笑むと、ふたつの幻惑の呪文を教授してくれて師に感謝した。身につ...
  • 書物/2920 薪木の月(9巻)
    2920 薪木の月(9巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 薪木の月2日 ギデオン (ブラック・マーシュ)  女帝タヴィアは彼女のベッドに横たわり、独房のなかを行ったり来たりする晩夏の熱風を感じられずにいた。喉は燃えるようにひりついていたが、それでも彼女は抑えきれずにすすり泣き、最後のつづれ織りを手で握りつぶした。彼女の嘆きの声はギオヴェッセ城の誰もいない廊下中をこだまし、洗い物をしていた召使いの手や衛兵の会話を止めた。彼女の召使いの1人が細い階段を登ってきたが、彼女の衛兵長ズークが入り口に立ち、首を振った。 「彼女はたった今、息子の死を知った」と、彼は静かに言った。 2920年 薪木の月5日 帝都 (シロディール) 「陛下――」ポテンテイト・ヴェルシデュ・シャイエは扉を挟んで言った。「扉を開けても大丈夫です...
  • 書物/2920 星霜の月(12巻)
    2920 星霜の月(12巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920 星霜の月1日 バルモラ (モロウウィンド)  窓に凍りついたクモの巣の隙間から冬の朝の光が差し込み、アルマレクシアは目を覚ました。老齢の治癒師は安堵の笑みを浮かべて、濡れた布で彼女の頭を拭いた。彼女のベッドの脇の椅子ではヴィヴェックが眠りこけていた。治癒師はキャビネットから急いで水差しを取ってきた。 「ご気分はいかがですかな?」と治癒師は尋ねた。 「とても長い間眠っていたようです」とアルマレクシアは答えた。 「仰るとおり、実に15日間も眠られていましたよ」と治癒師は言い、そばにいるヴィヴェックの腕を揺り動かした。「起きてください。アルマレクシア様が目覚められましたよ」  ヴィヴェックは跳ね起き、アルマレクシアが目覚めたのを確認するやいなや顔が嬉し...
  • 書物/火中に舞う 第6章
    火中に舞う 第6章 ウォーヒン・ジャース 著  デクマス・スコッティは、座ってリデオス・ジュラスの話を聞くことにした。だが、いまだにこの眼前の太った男が、かつてのアトリウス建設会社の同僚であるとは信じられなかった。辺りには、スコッティがさっきまで食べていたロースト肉の、香辛料の匂いが立ち込めている。この広いプリサラホールの中の周囲の物音はすっかり消え失せていて、まるでジュラス1人しかいないようである。彼は自分がこれほど感受性豊かであることに驚いてしまったが、実際のところ、霜降月初旬に下手な手紙で帝都から彼を導いてくれた男を前に、潮が満ちていくような感慨を味わっていた。 「どこにいたんだ?」と、ジュラスは詰め寄った。「何週間か前には、ファリネスティで俺と落ちあうはずだったろ?」 「もちろん、そこに行ったさ」あまりの剣幕に驚いて、スコッティはどもりながら返した。「そこ...
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