日本・狐

◎白蔵主

 
甲斐の国に狐狩りを生業とする男が居た。
 ある狐は多くの子供を持っていたが、その子供達が日々狐狩りにより死んでいくので、狐は男を恨んでいた。
 だが、近くの寺に狐狩りの叔父で白蔵主と言う法師が住んでおり、狐はこの白蔵主に化け、狐狩りの男に「殺生の罪は重い、後生に差し障りがある」と、狐狩りが狩りに使う道具を金で買い取ることで、男は渋々納得する。
 だが、狐狩りはそれでは生活が出来ない。
 叔父から狩りに使う道具を返して欲しいと頼む事にした。
 それを、狐はかぎつけ先回りし、叔父である白蔵主を食い殺し、ふたたび法師の姿に化けたのだ。
 訪ねてきた狐狩りに、狐は巧みな話術で説得して丸め込み、以来五十年間その寺で住職を勤める事となった。
 だが、物見遊山で出かけた先、犬に食い殺されて死んでしまうのである。

 以来、法師に化けた狐を白蔵主と呼ぶようになったのである。

 話しの発祥が大阪の物もある。

〈題材にした作品〉
【小説】巷説百物語 白蔵主:著 京極夏彦
【狂言】釣り狐



〈参考〉
    

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最終更新:2008年02月03日 12:24