サラマンダーは、16世紀、ルネサンス時代の錬金術師パラケルススが名付けた四大元素の精霊のひとつ、火の精霊。  もともとサンショウウオを表すギリシャ語「サラマンドラー」からとられ、一応、「火の中に住む蜥蜴」の形をとるとされる(分類でt イモリとヤモリが別のカテゴリになったのは19世紀の末期から)。

プリニウス『博物誌』によれば、日本語版で「サンショウウオ」と訳されるサラマンダーは、体に斑点があり、大雨にあると現れ、雨が引くと消えるもので、口から吐く乳汁状の者へ、人間が触れると全身の毛が抜け触れた所に水疱が出る、また「火にあたると溶ける」と書かれる。この、「火にあたると(火が)溶ける」と解釈される文章で、火蜥蜴サラマンダ―ができたらしい。

 

また、同著には、キュプロス島の銅溶鉱炉の炎の中に生息し、炎から出るとたちまち死ぬ上キジバトに喰われる4本足で蠅程の虫Pyralis(「炎に属する」の意)が、サラマンダーとする説もある。「ピュラリス」の名はカシノシマメイガの学名やメイガの一部(Pyralidae)、シマメイガの学名(Pyralinae)に使われている。

後、中世の欧州では、サラマンダーは火の中に住み、繭を作る虫とされ、いわゆる火浣布的な、「火に投じると汚れが落ちる」者が作られたと言われる。12世紀ころに成立した『司祭ヨハネの手紙』の中で、エチオピアと中近東辺りも含まれるとされる「インド」のサラマンダーは糸を吐いて繭を作る、と書かれる。

13世紀、サラマンダーに「ステリオン」という名前が付けられる。ヨーロッパのサンショウウオには星のような点が表皮にあるため星と言われる。

レオナルドダヴィンチによれば、「火を食って皮膚を作る」と言われる。

16世紀、パラケルススが名付けた四大元素の火の精霊を表す際にドイツ語Feur Salamander(フォイアーザラマンダー)を使った後、スコットランドの民間伝承の中に、「丘の中」に住むサラマンダーの女性が登場している。

 

 

 **参考資料
プリニウス『博物誌』
健部伸明編『幻獣大全1 モンスター篇』

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最終更新:2023年09月12日 16:55