畢方(Bifang)
中国に伝わる妖怪。
崑崙の遥か西方に位置する章莪山(チャンオーシャン)には畢方という鳥が棲んでいる。畢方の姿は鶴のようだが、白い嘴、一本の脚、青色もしくは緑色の体に赤い斑模様を有する。翼が一枚しか無いともいう。
畢方(ピーファン)という名は自らの名を叫ぶように「ピーファン、ピーファン」と鳴くためその鳴き声から名付けられたのだとされる場合もあるが、神話学者の袁珂によれば竹や木が燃えて弾ける音「熚烞(ピーポー)」から名付けられたものだという。
畢方は木の中から生まれるため木の精であるとされる。畢方が飛来した邑には原因不明の大火災が起こるとされ、常に火を銜えて災害をもたらすという話もある。黄帝が泰山に鬼神を集めた時は、六頭の蛟竜に車を引かせ、その横に畢方がついて黄帝を守っていたという。
参考文献
佐藤俊之/山北篤『悪魔事典』240頁
篠田耕一『幻想世界の住人たちIII 中国編』81頁
伊藤清司『中国の神獣・悪鬼たち 山海経の世界』60, 90頁
最終更新:2022年11月02日 22:21