ココリョナ(Cocollona)
スペインのカタルーニャ州ジローナ県に伝わる怪物。
ココリョナという名前はカタロニア語でワニを意味するココドリル(cocodril)とチョウを意味するパパリョナ(papallona)を合わせたものである。
元々はロサリアという人間の女性であったが、後にチョウの翅が生えたワニの姿に変貌して、そのままの姿で死後に幽霊となった。ロサリアは女子修道院の女子修練者であったが、聖フランシスコ僧院の僧と逢引する為、夜になると地下道から逃げ出していた。しかしそれをマザー修道女に見つかって、地下の暗くて湿っぽい独房に閉じ込められてしまう。哀れロサリアは独房の中にずっと閉じ込められていた。ジメジメした独房にいたためか、恋人の為に流す涙のためか、ロサリアの身体は鱗に覆われて初め、ワニになってしまう。そして、背中からはチョウの翅が現れた。ロサリアはココリョナになったのだ。ココリョナは死後も、数年間その独房に幽閉されたままだった。ある日、雨が降っていないにも関わらず、ジローナ県で洪水が起こった。その時からココリョナの幽霊がオンニャー川を泳いだり上空を飛んだりする姿が見られるようになった。満月の夜、石の橋と旧魚屋橋の間を歩けば、月明かりが霧中にココリョナの姿を映し出すという。
参考文献
ヌリ・ロス・ルエ『42の不思議な物語 “ジロナの伝説”』94頁
最終更新:2023年05月18日 20:07