ラーホン(Lahong)
中国のアチャン族の魔神。中国語表記は臘訇。
ラーホンは世界に混乱と災害を招く魔神である。破れてしまった南の天を繕うために創造神チプマ(遮帕麻)が天地を離れていたときのこと、風と雷が共謀して魔神ラーホンをつくり出した。ラーホンは美しい天地を見ると、破壊してやろうと考えた。そして2つ目の太陽をつくって、それを天と帳に打ちつけて沈まないようにすることで大地を灼熱地獄にし、陸の動物と海の動物を入れ替え、木を逆さに生やしたりした。そこでチプマの妻である大地母神チミマ(遮咪麻)は獺を使いに立てて、夫を迎えにやった。そして帰ってきたチプマは怒り狂ってラーホンと戦おうとしたが、妻のチミマは大地を乱すことを嫌った。なのでチプマは親交を求めるふりをしてラーホンに近づき、大地の支配権を求めてきたラーホンに技くらべを持ちかけ、魔法の技と夢くらべでこれを打ち破った。そしてラーホンはチプマの申し出を受けて親交を結ぶことになり、食事の席に招かれ、そこでチプマに毒殺された。
参考文献
 佐藤俊之/山北篤『悪魔事典』302頁
最終更新:2023年06月24日 14:34