ザラザラザッタラ(Zarazara Zattara)


ザザラザッタラとも。
静岡県榛原郡に伝わる妖怪。
ザラザラザッタラの姿は南瓜のような丸い姿をしており、ころころと転がって移動し、読心能力で他人の思考を読み取ることができる。

ある者が山小屋で火に当たっていると、南瓜のような丸いものが転がりながら入り口の筵を上げて小屋の中に入り込み、そしてユルイ(囲炉裏)の側まで転がると止まった。
「きびの悪い(気味の悪い)ものが来たもんだなあ」と思うと、南瓜のような丸いものは「何でもないよ、おれはザラザラザッタラと云ふもんでござんす」と喋った。
「どうも気持が悪いなあ、早く行かんかなあ」と思うと、ザラザラザッタラは「よいよ。ぢき行くよ」と言った。
その後も口に出さずに心の中で思ったことをザラザラザッタラはいちいち読み取って返事してきた。
恐ろしいのでもっと火でも燃やしてやろうとモヤ(薪)を取って折ったところ、その弾みで薪がザラザラザッタラの顔に打つかった。
するとザラザラザッタラは「これあ考へつかなかった」と言って逃げていった。

参考文献

 村上健司『がっかり妖怪大図鑑 情けなくてかわいいから、もっと好きになる!』92頁
 静岡県女子師範学校郷土研究会『静岡県伝説昔話集』299頁
 朝里樹/怪作戦テラ/毛利恵太/高橋郁丸『日本怪異妖怪事典 中部』312頁

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最終更新:2023年10月08日 23:39