千山鯉(Senzanri)


センザンリ。
『仙境異聞』に記述がある鯉が穿山甲のような姿に変化したもの。
鯉は滝を登っても龍にはならず、滝を登る勢いで山へと跳ね上がり、草原に転がるという。日数が経つと丸くなり、4つの鰭、4つの足を持つようになり、甲羅が形成され、鱗の間から毛が生え、這い歩くようになる。これを千山鯉と呼ぶ。千山鯉は山の水たまりに棲み、穿山甲の子を産む。千山鯉は元が鯉であったため、解剖してみれば肉や内臓は鯉と同様のものになっている。穿山甲の粉と小麦粉を合わせて池に入れれば、多くの鮒が生じる。うどん粉を炒って鮒の形にしたものに穿山甲の毛と肉の粉を塗り、古池に埋めておけば本物の鮒になるという。

参考文献

 平田篤胤/今井秀和『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』113頁
 湯本豪一『日本幻獣図説』60頁

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最終更新:2023年07月12日 00:02