山芋鰻(Yamaimo Unagi)
山芋は鰻に変化するという俗信は古くから多く語られており、山の芋が鰻になるという諺もある。
とある男性が山芋掘りに出掛けたら、芋の蔓が出ている鰻を掘り出したという話がある。つまり、山芋からほぼ鰻に変態し終えた状態の山芋鰻である。
別の話では、頭部が鰻と化した山芋が広島県厳島の上川の井戸にあったが、この山芋鰻は山仕事をする人に食べられてしまったという話もある。この出来事は島の七不思議に数えられる場合もある。
そして、明治期には新聞記事に山芋鰻の発見例がイラスト付きで載せられた。山芋鰻が新聞社に持ち込まれて記者も実物を見てから記事を書いたという。この山芋鰻は体の半分くらいが鰻と化していた。
さらに平成期になると、南米原産の芋であるじゃが芋を原材料としたお菓子、じゃがりこが鰻になっていたという話まで出てきた。これはとある男性の体験談であり、母が買ってきてくれたじゃがりこの蓋を開けたら、じゃがりこの先端が鰻になっていたという。彼が驚いてじゃがりこのパッケージを投げると、その鰻はニョロニョロとパッケージから這い出てきて彼のことを追いかけてきた。そして鰻を全て踏み潰すと、それはじゃがりこに戻っていた。怪談としては下らないと思いつつも、彼はこの出来事を怪談投稿サイトに書き込んだのだった。
参考文献
 朝里樹『続・日本現代怪異事典』183頁
 朝里樹/寺西政洋『日本怪異妖怪事典 中国』283頁
 湯本豪一『日本幻獣図説』89頁
最終更新:2023年08月19日 08:12