樹木子(じゅぼっこ)

古戦場や刑場などの血が大量に流れた土地に生えていた木が樹木子に変じるという。
姿は普通の木と変わらないが、下を通りかかると枝に捕われて血を吸われてしまう*1

水木しげるの創作妖怪である疑いがある。
いくら探しても水木しげる以前の資料が見つからないためである。
もちろん水木しげるだけが持っている資料があるのかもしれないので、創作妖怪であると断定は出来ない。
1999年の段階で,水木しげるの描いた妖怪で出典不明なのは万年竹と樹木子だけであるという。

幕張本郷猛によれば、これは1966年『別冊少女フレンド』11月号に「ゆきだおれの人の霊」がのりうつった妖怪として出ている*2。この時点ではまだ「戦場の」と言う設定は出ていない。

参考文献

『妖怪馬鹿』 京極夏彦 多田克己 村上健司 新潮OH!文庫
伊藤慎吾 氷厘亭氷泉編『列伝体 妖怪学前史』 勉誠出版
多田克己『幻想世界の住人たち 4』新紀元社

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最終更新:2025年07月12日 10:27

*1 『幻想世界の住人たち4』231頁 なおここでは「じゅもっこ」表記

*2 『妖怪学前史』154頁