竹の子童子(Takenoko Dōji)
香川県高松市付近や熊本県人吉市の昔話に登場するタケノコの妖怪。
ある日、貧乏な老人が家の裏の竹藪から掘り出した三つのタケノコを縄で結んでおいたが、そのタケノコが誰かに盗まれたのか消えてしまっていた。
だが家に帰る道中、背後から何かの声が聞こえてきたと思ったら、なんと声の主はタケノコであった。
タケノコは土の中から出してくれた礼を言うと、そのタケノコが先導して老人を立派な町に連れて行ってくれた。
そして、その町の殿様の姫君はタケノコを食べないと治らない病になっており、タケノコは老人に向かって「早く私を殿様の所へ持っていってくれ」と頼んだ。
老人が持って行ったタケノコを食べた姫君は全快し、老人は殿様から多くの褒美と大金を貰って帰ったという。
参考文献
川森博司『ツレが「ひと」ではなかった異類婚姻譚案内』117頁
朝里樹/毛利恵太『日本怪異妖怪事典 四国』111頁
最終更新:2024年12月14日 12:42