ヒトクチ(Hitokuchi)
インターネット上で語られた話に登場するもの。
とある山に現れた獰猛な肉食獣の化け物であり、獲物を一口で呑み込んでしまうためヒトクチと呼ばれていた。
凶暴だが高い知能を有していたため罠には引っ掛からず、とうとう村人からも犠牲者が出たため、村総出で大規模な山狩りが行われた。
山狩りの詳細は語られていないがとにかくそれでヒトクチを仕留めることに成功し、そして今までしっかりと観察することができなかったヒトクチの異様な姿が明らかとなった。
黒く短い被毛に覆われた山犬のような獣であり、身体は牡鹿ほどの大きさだったが、頭部が異様に大きく、さらに体の半分ほどが途轍もなく巨大な顎であるという恐ろしい異形の化け物であった。
村人はこのヒトクチの亡骸を穢れたものであると考えたのか、村には入れずにその場で焼いて埋めた後に塩を撒いた。
山の奥深くはこのような恐ろしい化け物が出る場所であるため、理由もなく踏み入ってはならないという。
この出来事を祖父から聞いた孫がそれを知り合いに話し、その話を聞いた知り合いがインターネット上に書き込んだ又聞きの話である。
参考文献
朝里樹『続・日本現代怪異事典』323頁
朝里樹『大迫力! 異界の都市伝説大百科』52頁
最終更新:2024年06月05日 15:06